Baby Kiy「心境に寄り添えるような曲にしたい」新譜で見せた楽曲へのこだわり
INTERVIEW

Baby Kiy「心境に寄り添えるような曲にしたい」新譜で見せた楽曲へのこだわり


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年08月08日

読了時間:約12分

 シンガーソングライターのBaby Kiyが8月7日、Digital EP 『Don’t Let Me Go』をリリース。前作「Stay together」から約4カ月振りとなった新譜はアクティブな夏を意識した軽快なサマーチューンに仕上がった。今まで切ない曲が多かったBaby Kiyが明るい曲調に挑戦。ROXY 2019Fallイメージムービー に起用されている「Lazy Boy」のMVでは、ギター以外にもマンドリンにも挑戦し、新たなチャレンジが詰まったカップリングも収録。インタビューではハワイでおこなわれたMV撮影でのエピソードや、これからの展望について話しを聞いた。【取材=村上順一/撮影=木村陽仁】

夏に合う「Don’t Let Me Go」

Baby Kiy

――石垣島から東京まで4都市4会場開催された「夏びらき MUSIC FESTIVAL 2019」はいかがでしたか。

 どの公演も全て楽しかったです。色んな場所にも行かせていただいて、今回、楽屋は大きな部屋に出演者さん、みんな一緒だったので、楽しかったです。私を観に来てくれるお客さんが増えてきているのも実感出来ました。

――バックヤードも楽しかったんですね。さて、新曲の「Don’t Let Me Go」は今の季節に最適な1曲ですね。

 フェスで盛り上がるような曲が私のレパートリーにあまりなかったんです。それもあって今回は夏に合うような、ライブ映えする曲を作ってみました。でも、この曲は割と短い時間で作ったんですよ。

――短い時間で?

 実は違う曲を作っていたんですけど、その曲の制作にすごく行き詰まってしまって…。それで、ちょっと気分転換に別の曲を作ってみようと思ったんです。煮詰まった時は別の曲を作ると出来たりすることもあるので、思考を変えようと思って。

――音楽じゃないことで思考を変えたりはしないんですか。

 別のこともしたいなと思ったんですけど、今回は制作期間がギュッと詰まっていたので、他のことをする時間がなかったので無理でした(笑)。

――ちなみにその煮詰まってしまった曲は今作に収録されていますか。

 いえ、結局完成しませんでした。なので、今は放置しています(笑)。でも、そういう曲はいっぱいあって、また復活して完成することもあるんです。今寝かせている曲も良いタイミングで皆さんにお聴かせ出来たらなと思っています。

――気分転換に出来た「Don’t Let Me Go」は歌詞も<ここから連れ出してよ ねえ>と開放的ですよね。

 サウンドを疾走感のある夏らしい曲というのを意識して制作したこともあり、すごく夏っぽい曲が出来たなと自分でも思っています。これまでの私の曲は切ない歌詞が多いので、今作のような歌詞は珍しいと思います。

――どんなシチュエーションで聴いてもらいたら嬉しいですか。

シチュエーションとしては、夏のイベントに向かう車の中やシンプルにドライブしている時に聴いて欲しいなあと思います。

――Kiyさんは夏のイベントだと何が一番楽しみですか。

 やっぱり海ですね。友達を集めて「この日海へ行こう!」みたいな(笑)。サーフィンしたりバーベーキューしたり、花火をしたりするのが一番楽しいです。

――Kiyさんらしさがあっていいですね。私はKiyさんがすごいなと思うところの一つに、仕事とプライベートの両立なんですよ。アクティブなところも魅力的ですし。

 ありがとうございます。でも、逆もあって家でNetflixを観ながらゴロゴロしていたい日もありますよ。なので、外で遊ぶのも家にいるのもどちらも好きなんです。

――それは意外でした。さて、「Don’t Let Me Go」でこだわった部分はどこですか。

 歌詞の乗せ方、リズムはこだわった部分かも知れません。前作の「Stay Together」の時もそうでしたけど、日本語を乗せた時にリズムがベタッとならないように気をつけました。曲を聴いた時に歌詞がどう聴こえるかというのも重要なんですけど、音楽全体としての聴き心地が良いかどうかというのは、気をつけています。

――Kiyさんの歌を聴いていて、不思議だなと思うのは、日本語の歌詞でも日本語っぽく聞こえないところなんです。

 普段喋っていても何を言っているのかわからないと言われる時があるんですよ(笑)。なんでも言葉が繋がって聞こえるみたいなんです。

――確かに繋がっているような感覚はありますね。私はジョン・メイヤーのような歌のニュアンスがあるなと思いました。

 ジョン・メイヤーは好きなので、すごく嬉しいです! あと、歌い方の影響を受けたアーティストにサーフミュージックのシンガー、コルビー・キャレイがいます。コルビー・キャレイのような、アコースティックな感じや海を感じられる雰囲気の楽曲を作りたいと思っていました。コルビー・キャレイもギターを弾きながら歌うので、自分と重なる部分もあるんです。

――コルビーがルーツミュージックなんですね。今作の「Lazy Boy 」はカントリー的な要素もあるなと感じました。

 前作からカントリーで使用することが多い楽器の、バンジョーやマンドリンなども入れています。「Lazy Boy 」のMVではギターではなくマンドリンを弾きました。

――マンドリンも弾けるんですね!

 はい。私の手が小さいので、ギターよりもマンドリンはネックが細いので、実は弾きやすいんです。

――Kiyさんの曲は打ち込みが主流になりつつある現代で、こうやって生楽器をふんだんに使ってるのが良いですよね。

 「Don’t Let Me Go」ではドブロギター(レゾナンスギター)も入っていて、これは、いつもギターを弾いてくれている方が弾いてくれています。今作では「To The Paradise」は打ち込み系の曲ですけど、どの曲にも生楽器は多く取り入れているんです。

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