創意工夫した「VOLARE」
――そんな忙しい中、曲作りはどんな時にする事が多いですか。
僕の場合「曲を作ろう!」と思って作るんですけど、どうやって出来ていくのか自分でもよくわかっていないんです。メロディが自然と降りてくる感覚に近いんです。最初にイメージが何となくあって、そこからウクレレを弾いていると段々と形になっていくんです。最近はまたちょっと変わって、まずウクレレを弾いて、良いフレーズのところをピックアップして、そこから広げていく感じです。
――ちなみに初めて曲を作ったのは何歳頃なんですか。
確か小学4年生ぐらいの頃で、CDにもなっている「海とウクレレ」という曲です。
――いきなりあんなに良い曲が作れてしまうんですね。ライブも作曲に影響しますか。
ライブはあまり曲作りには影響していないと思います。ライブはライブで今のところ完結しているんじゃないかなと思います。
――ライブといえば、3月にShibuya duo MUSIC EXCHANGEでおこなわれた『小学校卒業記念ライブ 』で、ウクレレプレーヤーの名渡山遼さんと共演されていましたが、憧れの方と一緒にやってみてどうでした?
まず、共演させて頂いてすごく嬉しかったです。リハーサルがあったんですけど、ガッチリ曲を固めてくるという感じではなくて、その場でどんどん良い感じに変えていくんですけど、それがまた凄かったんです。
――たくさん勉強になったところもあったと思うのですが、印象的だったのはどこですか。
名渡山さんがソロを弾くセクションがあったんですけど、そこはほとんど何も決めていなかったんです。伴奏を弾いている僕は、雰囲気でコードを弾いて、その都度流れが変わっていってるんですけど、それに合わせた演奏がすごく勉強になりました。何でこんなに弾けるんだろうって。
――流石ですね。過去にはジェイク・シマブクロさんにプロデュースされていましたが、ジェイクさんはどんな印象でした?
ジェイクさんはとにかく音がめちゃくちゃキレイなんです。あと、ジェイクさんが作った曲は、、すごく不思議な感じがして、気に入っています。
――アドバイスはどんなことを?
「ソーラン節」をウクレレで弾いたんですけど、間奏でちょっと切ないアルペジオが入ってくるんです。そこに強弱を付けてうねるようにしてみたら、とアドバイスを頂きました。あと、激しいところから落ち着いたセクションへの繋げ方もすごいなと思いました。
――そういった細かいところが今作にも繋がっているかも知れませんね。さて、6月15日に配信リリースされた「VOLARE」ですが、なぜこの曲をカバーしたのでしょうか。
NHKEテレさんの『ムジカ・ピッコリーノ』という番組でジャンゴという役で出演させていただいているんですけど、その番組の中でこの「VOLARE」を演奏させていただいて、めちゃくちゃノれる曲だなと思って、今回選ばせていただきました。それまではこの曲は知らなかったんです。
――番組で演奏するために、オリジナルのジプシー・キングスを聴いて。
そうなんです。本家のサウンドはフラメンコのテクニックを使っていたりしたので、僕もウクレレでそのテクニックを盛り込んでいます。
――フラメンコギターで使用されるラスゲアード奏法ですね。
はい。通常は3連符で弾くことが多い奏法だと思うんですけど、今回は16分音符で弾けるように考えました。僕は小指でダウンピッキング、続いて親指でダウン、そのまま親指でアップして、最後に人差し指でアップするやり方でやっています。あまり手の形を崩さないようにやるのがコツになると思います。
――難しそうですよね。試行錯誤されたと思いますが、近藤さんが特に聞いてもらいたいところはありますか。
イントロです。聴くといっぱい音が重なっているように聞こえるんですけど、これをウクレレ一本でやっているんです。アレンジャーさんが考えてくれたんですけど、すごく気に入っています。