若干12歳のウクレレプレイヤーで、『FUJI ROCK FESTIVAL ’19』に史上最年少出演を果たした近藤利樹が9月16日、東京ソラマチイーストヤード5階 J:COM Wonder Studioで開催された『HAWAII FIVE-0 スペシャル6days!』にゲスト出演し生ライブをおこなった。ライブは6月に配信リリースされた「VOLARE」や『HAWAII FIVE-0』吹替版エンディングテーマの新曲「SEARCH LIGHT」など全5曲を披露した。【取材=村上順一】

イベントの模様

 「HAWAII FIVE-0 スペシャル6days!」は、海外ドラマ専門チャンネルAXNで9月24日の23時からスタートする、『HAWAII FIVE-0』シーズン9日本独占初放送を記念しておこなわれたスペシャルイベント。近藤の新曲「SEARCH LIGHT」がAXN海外ドラマ『HAWAII FIVE-0』シーズン9 吹替版エンディングテーマに起用。その「SEARCH LIGHT」は、11月27日にリリースされる1stフルアルバム『WITH “U”』のリリースに先駆け、9月25日に先行配信リリースされる。

 ライブ前のトークでは「ジェイク(シマブクロ)さんが挿入歌を担当していた『HAWAII FIVE-0』のエンディングテーマに自分も採用されて嬉しいです」と、起用された喜びを語った。

 続いて、アルバム『WITH “U”』の話題へ。アルバムにはコライト(共作)した曲や、ハワイでも人気のあるという宇多田ヒカルの「First Love」のカバー、さらにクラシック曲、アラム・ハチャトゥリアンの「剣の舞」をベースに作った曲や、100人のウクレレプレーヤーと共演した楽曲が収録される初挑戦が詰まった1枚。『WITH “U”』の“U”は“ウクレレ”や“あなた”を意味するU。近藤の大切なものをタイトルに込めた。ここで、アルバムリリースを記念し、サプライズでケーキが登場。近藤はそのサプライズに「めっちゃ嬉しいです!」と笑顔。

近藤利樹、サプライズのケーキと

 サプライズに続いてライブがスタート。1曲目は、近藤が尊敬するアーティストで「いつか共演するのが夢」と話すブルーノ・マーズのカバー「Uptown Funk」を披露。アタック感が強い音色は、ウクレレとは思えないほどの躍動感に満ちていた。ノリノリで演奏する近藤に、通りがかった人たちも、その音に引き寄せられるように足を止めていた。

 続いて、近藤が尊敬するジェイク・シマブクロのプロデュースで当時話題となった「ソーラン節」は、日本特有のフレーズから、コンテンポラリーなフレーズを盛り込むなど、枠にとらわれないフレキシブルな演奏が印象的。楽曲の持つもともとのイメージは壊さずに、新たな要素を取り入れ、新感覚な「ソーラン節」を響かせた。

 3曲目には観客も歌で参加して欲しいと、今年6月に配信リリースされたジプシー・キングスの「VOLARE」を届けた。近藤は「一回練習しましょう」とウクレレでメロディを奏で、観客に合唱部分をレクチャー。全体を見渡し「まだ口を閉じている人がいます(笑)」と、笑いを誘う場面も。演奏が始まれば、近藤は戦闘モード。ガラッと雰囲気を変え、クールな演奏に合わせ、観客も一緒に歌い上げ、一体感のある空間を作り上げた。

近藤利樹

 さらに一体感を高めたのは、荻野目洋子のヒット曲「ダンシング・ヒーロー」のカバー。今度はバブルを彷彿とさせる扇子を振って欲しいと近藤が懇願。観客も扇子や団扇を手にとり、リズミックな近藤の演奏に合わせ、ヒラヒラと仰ぐ光景が広がった。

 ラストは「SEARCH LIGHT」を『HAWAII FIVE-0』の映像をバックに披露した。作品を観て感じた、犯人を照らし出す主人公たちの光のような強い力、そして、自身の奏でるウクレレで聴いてくれる方たちに光を照らして元気を届けたい、という意味を持つナンバーだ。インタビューでこだわったと話すサビでのオクターブで厚みをもたせた、幅広い音域が印象的な1曲で、ある程度完成してから、改めて『HAWAII FIVE-0』シーズン9を観て、アレンジを変えたという。

 最近は感情を込めてプレイすることを心がけているという近藤は、指板を縦横無尽に駆け巡りながらも、情感を込め1音1音丁寧に演奏。終演後のインタビューで近藤は「今日の演奏は伸びしろも考えると80点で、MCは90点です!」と充実した笑顔を見せた。

近藤利樹

 現在はウクレレだけに留まらず、作曲やギター、ピアノにも挑戦中の近藤利樹。大阪城ホールでのワンマンやブルーノ・マーズとの共演したいという夢に向かって邁進中。今回は5曲というコンパクトなステージだったが、そのインパクトは大きかった。ウクレレの無限大の可能性を感じさせ、アルバムへの期待感もさらに高まったライブだった。

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