デビュー15周年を迎えた木村カエラが、デビュー日の当日である6月23日に、東京・日比谷野外大音楽堂で『KAELA presents GO!GO! KAELAND 2019 -15years anniversary-』を開催した。「リルラリルハ」「Butterfly」など、木村の15年を彩ってきた人気曲に加え、「15周年15曲スペシャルメドレー」や、この日が初披露の新曲「いちご」などを歌い、「また20周年を一緒にお祝いしましょう」と、さらなる飛躍を誓った。【取材=榑林史章】

変わることをモットーに

木村カエラ

 バンドメンバーと一列になって、行進しながら登場した木村。1曲目「Magic Music」では、サビでジャンプ。<あなたの笑顔が見たい>という歌詞を、客席を指しながら<みんなの笑顔が>と、変えて歌って盛り上げる。「BANZAI」では、観客と一緒に万歳したりMVの振り付けを踊ったり、木村はスカートの裾をまくって飛び跳ねて、アグレッシブに歌い舞った。

 この日の天気予報は雨。今にも降り出しそうな雲ゆきながら、なぜか降らないという奇跡的な天候に「とてつもなく晴れ女なんですよ!」と、嬉しさを表情ににじませた木村。「15年の感謝の気持ちを込めて最後まで歌います!」。ワクワクした様子で話すMCの言葉の端々からは、この日を待ちわびていたことが感じられ、これからどんなステージが繰り広げられるのか期待に胸が弾んだ。

 人気のシングル曲が、ずらりと並んだライブ。「じゃあみんなで歌える曲を」と「リルラリルハ」を歌うと、観客も一緒にサビを合唱。<今しかないこの時間を>という歌詞は、まさしくこの日、この時のためといった感じで胸が熱くなった。「Sun shower」では、ステージに座り込みながら観客に語りかけるような雰囲気で歌い、そして「Butterfly」を歌う時は、「5周年の時に、この曲で私はここに立っているんだと実感した」と振り返った。元は親友の結婚式のために書いた曲だが、今では木村とファンを繋ぐ大事な曲。手を振りながら一緒に歌った観客に、木村は「とてもきれいな風景でした。とても美しい声でした」と微笑んだ。

 MCでは、これまでを振り返って「変わることをモットーに続けてきた」と話した木村。サポートバンドのギタリスト=會田茂一(アイゴン)は、「まさか15年前レコード会社の食堂に張ってあったポスターの女の子が、国民的アーティストになるとは!」と、15周年を祝福した。

新曲「いちご」も披露

木村カエラ

 目玉になったのは、15曲目に披露した15分に及ぶ「15周年15曲スペシャルメドレー」だ。15周年のお礼としてファンに何かをプレゼントしたいとの思いで、今までにリリースした100曲以上の楽曲の中から選りすぐってアレンジしたとのこと。「でもこれを歌ったら、もうすぐ終わっちゃうからやりたくないよ」と、複雑な表情も見せた木村。それはファンも同じ気持ち。意を決し、バンドメンバーと「えいえいおー!」と鬨の声を上げてから演奏した。「Hungry like the CHICKEN」や「Ring a Ding Dong」「HOLIDAYS」など人気曲を次々繰り出すと、曲が変わるたびに観客は大歓声を上げて、一緒に歌って盛り上がった。

 本編の最後には「デビュー日にこの曲を歌わないと締まらない」と、「Level42」を披露。シンプルでノリのいいロックサウンドと、木村のまっすぐな歌声が会場に広がる。<君のために歌いつづけるから>という歌詞が、15年の重みと共に感慨深く胸に響いた。

 そしてアンコールでは、木村カエラ自身が作詞作曲を務めた新曲の「いちご」を披露した。7月31日にリリースするニューアルバム『いちご』に収録される楽曲で、「野音で、みんなの前で歌いたかったから、完成が間に合って良かった」と話し、イスに座ってリラックスした雰囲気で歌った。歌詞はいちごと15周年を重ねた内容で、今あるこの状況は、みんなと一緒に15年かけて実らせた果実だという雰囲気。観客も座って、静かに身体を揺らしながら堪能した。

木村カエラ

 デビュー当時周囲から、「女性アーティストが10年以上続けることは難しい」と言われていたそうで、「大昔の生き物が生き残るために進化していったように、私も変わることをモットーに続けてきた」と話した木村。最後には「みんなも変わることを怖れずにね」とメッセージを伝え、「また20周年を一緒にお祝いしましょう」と、声をかけてライブを締めくくった。

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