橘ケンチ「日本人としてどこでも勝負できる存在に」マルチに活動する秘訣
INTERVIEW

橘ケンチ「日本人としてどこでも勝負できる存在に」マルチに活動する秘訣


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年06月08日

読了時間:約13分

 EXILE/EXILE THE SECONDで活動する橘ケンチが、6月21日から30日まで天王洲 銀河劇場、7月4日から7日まで兵庫AiiA 2.5 Theater Kobeでおこなわれる舞台「魍魎の匣」で主役、京極堂こと中禅寺秋彦役を務める。『魍魎の匣』は京極夏彦原作のミステリーで「百鬼夜行シリーズ」の人気作。様々なメッセージが込められていて、生と死について考えさせる作品でもある。橘ケンチは2017年の『幽劇』以来、約2年ぶりとなる舞台。橘ケンチは現在、役者や日本酒製作、書籍、EXILEのパフォーマーとして多くのプロジェクトでその存在感を放つ。インタビューでは、マルチタスクで活動が出来る秘密や、舞台「魍魎の匣」に臨む姿勢、物語はハッピーエンドよりもバッドエンドの方が記憶に残ると話す、その真意に迫った。【取材=村上順一/撮影=片山 拓】

全ての仕事に対して自然体

橘ケンチ

――お名前をKENCHIから橘ケンチに改名されて、もう5年ほど経ちますね。

 最初は橘という名字が浸透しなくて、ここ何年かでやっと浸透してきたかなと感じています。役者の方もそうですし、今やっている日本酒の方でも名前を出しているので、そちらから浸透していっている感じもあります。

――その変えた時のエピソードで、響きを意識されて変えたとお聞きしたことがありました。

 そうです。名前を変えるということは、すごく重要なことじゃないですか。なので、色んな人に話を聞いて、母音があ行だと開く感じになるみたいで、言いやすさとケンチと合う文字のバランスとかを意識して200パターンぐらい考えました。苗字は2文字でも良かったんですけど、1文字の方が格が出るなと思い、最後は直感的な部分で橘にしました。

――通常、画数を気にされてつける人が多いと思うんですけど、そこはいかがでしたか。

 画数も考えていたところもありましたけど、最終的にはそこまで決め手にはなりませんでした。

――さて、パフォーマーだけではなく役者としても活動されているケンチさんですが、役者を始めた頃と今では心構えに変化はありましたか。

 以前はアーティスト業やグループでの活動を出来る限り詰め込んででも、役者業をやりたいと思っていたんですけど、最近はその考え方もより自然体になってきて、良いタイミングで自分と合う作品に出会えたらやらせて頂こうかなというスタンスに変わりました。

 当時は役者としてのキャリアも全然なかったので、とにかく数をこなすしかないだろうと思っていました。それがだんだん年齢を重ねるにつれて、ハングリーなのも重要なんですけど、より良い筋道とタイミングがあると思うようになりました。今、EXILE、本や日本酒など抱えているものが沢山あるので、その合間に役者というエッセンスが入ってくると、表現者として成長出来る機会ではありますし、他のプロジェクトにも良い影響を与える体験として実感している部分もあります。なので、全ての仕事に対して自然体でやれている気がしています。

――携わっている全ての事がフラットに出来ているという感覚も?

 その時期によって専念しているところは変わってくるんですけど、常に全部のことを頭では考えています。5年後を見越して今年はこれをこのぐらいやってみようとか。

――逆算されているわけですね。これだけ多くのことをやられていて、一つひとつの集中力や密度がすごいですよね。マルチタスクで行動できるコツみたいなものはあるのでしょうか。

 僕も最初はそんなに集中力があった方ではないんです。キャリアを積んでいく中で、寄り道をあまりしなくなったと言いますか(笑)。時間の流れが早いので余計なことはしなくなって、今やっている一つひとつに集中するようになったと思います。質の高い時間を過ごしたいなと考えるようになりましたから。

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