BOYS AND MEN「今までない表情」新しい一面を引き出した「頭の中のフィルム」
INTERVIEW

BOYS AND MEN「今までない表情」新しい一面を引き出した「頭の中のフィルム」


記者:長澤智典

撮影:

掲載:19年06月06日

読了時間:約14分

青春を思い出す曲

田村侑久

──小林さんにとって、とくに印象深い歌詞があったのですか。

小林豊 <分かり合えた事も 分かり合えない事も>というところですね。その言葉を通し、人が心に抱えるもどかしさをわかりやすく伝えているな、という印象を受けましたね。同時に、それらの歌詞を自分たち自身に置き換えて聴いてもいました。

──<頭の中のフィルムの映画みたいな過去は>という歌詞が印象的だったのですが、皆さんはどのように受け止めましたか?

辻本達規 確信にせまらない表現がところどころに出てくるように、表現をオブラートに包んだ面もある歌詞ですよね。僕は何度も歌いながら、MVを撮っていく中で、「あー、こういう感じなのかなぁ」と少しずつ自分の中で想いを具現化していった形でした。むしろ、自分で想像を膨らませながら、自分なりの答えを突き止めていける歌詞でもあるので気に入っています。

──ボイメンは、真っ直ぐな想いを熱く伝える歌詞が多いですからね。

辻本達規 今までの歌詞は文字のまんまの想いが多かったけど、今回の歌詞は深いなと思いましたね。

本田剛文 あえてはっきり伝えすぎない歌詞という部分がこの曲にはあると思います。聴く人によって思い出す景色や人が違うように、変に歌詞でイメージを縛り過ぎてないところが、この曲の良いところかなとも思います。

辻本達規 ちなみに僕は、学生時代の仲間、特に野球部時代の仲間を思い出しましたね。あとは、MVで決闘する…拳を交わすシーンがあるんですけど、そのときの撮影風景も思い出しました。

──ボイメンのMVはいつもぶっ飛んでいますよね(笑)。今回も、その路線を踏襲して作っているかたちで。

辻本達規 今回は品川ヒロシさん(品川庄司)が監督してくださったんです。ヤンキー物語というか、不良が仲間をかけて戦う物語になっています。まるで、品川さんの映画にボイメンが出てる感じと言いますか…。所々笑える部分もあって、すごくいい仕上がりになっています。実際にファンの方々の間でもすごく評判が良いみたいです。

──シリアスでも、クスッと笑える要素もボイメンにとっては大切な要素ですよね。

辻本達規 そうですね。僕ら自身も笑える要素はなるべく作りたいなと思っているし、品川さんはお笑いモンスターで、カメラが回ってない所でも面白い方でした。そんな品川さんの性格が物語にも反映された作品で、品川さんとの組み合わせはすごくマッチしているなというのを、MVを見てもらえれば分かる仕上がりになっています。

──本田さんは、どんな風景が「頭の中のフィルム」に映し出されていました?

本田剛文 僕の場合はですね、学生の頃は「青春」という感じでもなかったんです。どちらかと言うと、ボイメンの活動初期の頃の感じを思い出していました。上手く行かないことは今もありますけど、当時はそれも特に多かったので。その頃のことを思い出します。でも、あの日々があったから今日があるなとも思えます。自分の気持ちとも、いろいろ重なることの多い楽曲という印象です。

田村侑久 僕は高校時代の、部活でサッカーをやっていた頃の風景が映し出されていました。あの頃は部員が足りなくて色々と大変だったし、後輩も言うことを聞かない。そんな環境の中で、めっちゃ自分頑張ってたなという風景を思い返していましたね。あと、うちの高校は海が近かったので、みんなで海沿いのたまり場にしていた場所に集まっては、意味もなく2時間くらいずっとしゃべっていたことも思い出しました。あの頃は、ほんと田舎過ぎてやることがなかったんで。

本田剛文 近くにコンビニとかもないような環境だよね。でも、人に迷惑かかんなくていいよね。

吉原雅斗 僕もボイメンの活動当初を思い返してというか、「あー、こんなしんどい経験をしたなぁ」「みんなで頑張ってこうとやっていたなぁ」という思い出を巡らせながら歌っていました。

小林豊 ボイメンとしては、活動初期にやっていた『ホワイトタイツ』という舞台があって。その時の舞台経験から、今に繋がるヤンキースタイルが出来上がったんです。なので、その当時のことを思い出して。『ミナミの帝王ZERO』の撮影と平行していた時期に楽曲のレコーディングやMVの制作が進んでいたこともあって、僕はドラマのワンシーンワンシーンを思い出したりもしていましたね。

──お話を聞いていると「頭の中のフィルム」は新しい一面を開拓した楽曲になったようですね。

辻本達規 そうですね。ここまでバンドっぽい楽曲は歌ってこなかったし、歌っていても新鮮だし、また新たな僕らの一面を引き出してくれた曲になったなと思います。

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小林豊

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