JABBA DA FOOTBALL CLUB「メジャーは超スタート」HipHop界の新星が見る未来
INTERVIEW

JABBA DA FOOTBALL CLUB「メジャーは超スタート」HipHop界の新星が見る未来


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年06月06日

読了時間:約13分

メジャーデビューは超スタート!

JABBA DA FOOTBALL CLUB

――「君の街まで」はトラックが凄く格好良いですよね。これはリレコーディングさえていますが、なぜ今回収録しようと思ったのでしょうか?

ROVIN これは実質僕らが4人になって最初に作った曲で、今でもライブでずっとやっていて、一番好きな曲でもあります。昔NOLOVとKREVAさんの武道館公演を観に行ったときに、「KREVAさんってまだ『音色』やってくれるじゃん? 僕らもそういう曲を今作って、武道館に立ってもやりたいよね」と、ずっとやり続けられる曲にしたいという想いから生まれた曲です。2015年の1st アルバム『QUEST』には入っているんですけど、それはオリジナルバージョンではなくリミックスなので、メジャー1発目だし「ここしかねえだろ!」と思って収録しました。

ASHTRAY その武道館には僕もいたんですけど、別々で行っていたので2人とは合わなかった。

NOLOV そうだった! それでライブが終わって九段下から神保町に向かって歩いている時何となく出来ちゃって(笑)。そういう思い入れもある曲なんです。ライブに来てくれた人たちも「聴きたいけど無い」と言ってもらえることが多くて。僕らも「出したい出したい」と言っていたんですけど、そのタイミングがやっと来ました。

BAOBAB MC ビートもちょっとブラッシュアップして、BPM(=テンポ)も変わって新しくよりよくして、今の自分達をパッケージして作りたいと思いました。

――武道館へ行ったときも絶対やってくれる曲ですね。さて、3曲目の「i&i」はORANGE RANGEのNAOTOさんのリミックスですが、どのような経緯で実現したんですか。

NOLOV ORANGE RANGEはもうド世代です。「上海ハニー」とか「ビバ★ロック」とかCD買って。みんな格好良いし! もうすごく好きで、ずっと「リミックスをしてほしい」とお願いしていました。NAOTOさんがハウス界隈で活動しているということを知っていたので、「4つ打ちの曲にしてほしい」とお願いをさせていただきました。そうしたらとんでもないものになってきて…良過ぎてブルブル震えて「何これ!?」って。こういう解釈があるんだなと驚いて、これぞリミックスという感じだよね。

――確かに世界感がとても変わりましたね。

NOLOV でも文脈を理解してくれているリミックスだと思うんです。「i&i」の中にある根底をしっかり掴んでくれていて。リミックスってビートを変えただけというのもあるんですけど、これだけ曲にして頂いたのはレベルが違うと思いました。

ROVIN 今までも色んなリミックスはありますけど、このリミックスが一番震えたかもしれないな…。

NOLOV あんなに昔聴いてたORANGE RANGEのNAOTOさんが、僕らの曲をリミックスするなんてありえないですからね。兄に電話しましたから(笑)。これ聴くだけでもCDを買ってほしいです。それくらい価値があります。

――夢が叶いましたね。最後にメンバーみなさんの目標をお聞きしたいです。

「新世界」初回盤ジャケ写

ASHTRAY あえて言うんですけど、目標は無いです…。あまりやることは今も昔もかわらないなと思っていて。インディーズからメジャーに行くために頑張っていて、結局、音楽をやるのが僕らの軸じゃないですか? 目標は違えどやることは変わらないので、あまり具体的な目標というと「同じかな」と最近思います。多くの人に聴かれるから、多くの人を意識してリリックを書くとか、そういうところの感覚を向ける視野は広めになるかもしれないですけど、やること自体は今も昔もあまり変わらないのかなと僕は思っています。

――でも、変わる部分も出てきますよね?

ASHTRAY やりきらなきゃいけなくなったなという部分はあります。インディーズはインデペンデントというか独自のものじゃないですか? やる、やらない、は自分達次第みたいな。でもメジャーに行ったら会社がつくし、その分できることが増えるけど、やらなきゃいけないというのが、“must”になってくると思います。だから「やりきる」というところが変わってくるんじゃないかなと思います。

ROVIN 僕は万能薬みたいな感じというか。どの現場に行って、どのフィールドに行って、どんな状況になっても僕らが全部正してしまう、そういう存在になっていきたいです。それがフェス、TV、ラジオ、どのフィールドに行っても僕らのものにしたいという存在になれるように。

BAOBAB MC 僕はより多くの人に曲を届けたいという大きな思いがあるんです。そういうのを含めて、賞賛よりも名声がほしいというのがあります。賞賛、「凄いじゃん、イイじゃん!」というのは誰でも言えると思うんですけど、「あの人はずっと凄いよね」とか「あの人に頼めば別格だよ」とか「あの人の音楽が流れたら変わるよ」と、上辺だけではない名声が得られると一番嬉しいなと思います。

NOLOV 僕は『紅白歌合戦』ですね。それが目標です。みんなは人生けっこうやってきているから目標を作って達成しちゃうと「その次ぎどうしよう」と思うことがたぶんあると思うんですけど、そういう次元ではないのが紅白かなと思っています。

――最後にメジャーデビューとは皆さんからみたら、どういった立ち位置でしょうか?

NOLOV 超スタートですね! 今からやっと僕らは1枚目を出す、みたいな感覚があります。世間からすると僕らからしたら価値のある4年間ですけど、その4年間なんか誰も知らないです。そういうのは後から楽しみになってくる味だと思うので、僕らもそれは持っているけど「5年目なんだよね」という気持ちで行く気はさらさらないです!

(おわり)

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