クラシックはすべてのことに応用できる音楽
――音楽についてお聞きします。もともとクラシックから始まっているとお聞きしたのですが、きっかけはどういうものだったのでしょうか。
私が生まれた10195年前のU2次元は全く娯楽というものがなかったんです。近年にショパンやリストが生まれた頃から“U2次元”にも地球から娯楽というものが入ってきました。それで地球に行きたくなって、地球に行くためには何をやったら良いのかというところで、魔法学校に入って100年勉強しました。そこはサッカーがやりたければサッカーもできますし、音楽がやりたければ音楽もやれるという学校です。そこで私は音楽がやりたかったので、ピアノを自分の意志で始めました。
――クラシックのどこに惹かれました?
私は音楽の原点はクラシックだと思っていて、クラシックを弾けるようになればポップスも弾けるし、ジャズも出来るし、すべてのことに応用できる音楽だと思い勉強しました。
――では楽典なんかも読まれて。
はい、読みました。楽譜を初見で弾いたり、耳で聴いたものを楽譜に起こしたりという勉強もしていました。
――もしかして絶対音感も持っていたり?
あります。グラスを叩いた音などは音階で聴こえます。机などの打撃音は私にはちょっと難しいんですけど。
――絶対音感は便利ですが、苦労する部分もあると聞いたことがあります。うにさんは絶対音感についてはどのように感じていますか。
歌うということに関しては相対音感の方が便利なんです。キーを変えたときに絶対音感を持っている人は難しく考えてしまう。そこがデメリットかなと思います。
――そうなんですね。ピアノも弾かれるということで、作曲もされたりしますか。
もともと作曲家になりたくて何十年か勉強していたんですけど、私には良いメロディを書く才能がないなと気づいてしまったんです(笑)。なので、作曲は今所属しているBIR(ビッグアイランドレコーズ)の作家の方にお任せしています。
――それで作詞の方に専念されたんですね。作詞をするにあたってのこだわりをお聞きしたいです。
曲の流れの物語性はもちろんなのですが、歌った時の響きを一番大切にしています。意味のない言葉は使わないですけど、同じ音を歌ったときに、響きの良い方の言葉を使ったりします。母音もすごく気にします。
――それはこだわりですね。さて、表題曲の「silent days」はアニメ『女子かう生』の主題歌としてOA中ですが、あにめ系あーてぃすとを掲げるうにさんにとって、このお話は相当嬉しかったんじゃないですか。
すごく嬉しかったです。しかも、このアニメは言葉がないので独特なんです。
――それで曲のタイトルも「silent days」なんですね。
そうなんです。わかりやすくしました。
――作詞はどういったところから作り始めていくんですか。
曲をまずひたすら聴いて、イメージを固めて歌詞の内容を大まかに決めます。部屋に引きこもって、ペンで書くというよりは外に出て色んな所を歩き回ったり、電車に乗って曲を聴きながらスマホで書いていきます。今回みたいにアニメ作品がある場合は「silent days」や「一瞬の煌めき」とかキーワードを書き出していきます。まず、原作の中で作者の方が大事にしていることから詞を書いていきます。
――「silent days」はすごく耳に残る楽曲ですが、うにさんはこの曲を最初に聴いた時どう感じましたか。
渡辺拓也さんは私がずっと曲を書いて頂きたいと思っていた方なんです。聴いた瞬間からもう、神曲だと思いすごく感動しました。BIRのプロデューサーさんにずっと渡辺さんに書いていただきたいと話していて、今回メジャーデビューということで、それを叶えて下さったんです。
――それはとても嬉しいですね。歌ってみていかがでしたか。
切なくて可愛い、そして、格好良いという三点揃った曲で、歌ってみて改めて渡辺さんの曲だと実感しました。レコーディングは渡辺さんにも立ち会って頂いて、すごくわかりやすくディレクションして頂けたので、時間も掛からずスムーズに終わりました。
――最高のレコーディングでしたね。アニソンではありますけど、この曲をどのように届けたいという思いがありますか。
私のアーティストカラーとして、アニメやアニソンを知らなくても、どんな人が聴いても良いと思っていただける王道のメロディを歌っていきたいと思っています。私の曲を聴いて、カラオケで歌いたいなとか、演奏してみたいなとか何かを感じていただける音楽を届けたいので、この曲もそうなったら良いなと思います。
――ちなみにトリッキーだったり変わった音楽も聴きますか。
ジャンル問わず何でも聴きます。洋楽も好きで特に1950年代のレコードの時代の音楽がすごく好きなんです。
――そういえば、ビリー・ホリデイ(米・ジャズシンガー)がお好きなんですよね。
大好きです。ビリー・ホリデイは癒されたい時に聴く感じで、ケンドリック・ラマー(米・ラッパー)などヒップホップ系も聴きます。昔のモノクロ映画も大好きで、そこで流れていた音楽を色々と聴き始めて、アーティストを知って行くこともあります。なので、映画から入る事が多いです。