BURNOUT SYNDROMES、密着取材で垣間見えたそれぞれの意識の変化
INTERVIEW

BURNOUT SYNDROMES、密着取材で垣間見えたそれぞれの意識の変化


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年04月05日

読了時間:約15分

多くのスタッフに支えられた、その真相

ツアーリハーサルのもよう

 そうした充実感がリハにも表れていた。

 ゲネプロと言われる通しリハは、ステージングもMCも本番さながらの緊迫感だ。そして、スタジオには熱気がみなぎっていた。とにかく3人の集中力がすごい。約2時間強を完走し、各々が気になるところをさらに詰めていく。

 石川はMCやラップなどベース以外にも様々な魅せ方を提示するライブのキーマンだ。このツアーでも「商売繁盛」でラップを披露し、「ナミタチヌ」ではキーボードで彩りを加えたりと、マルチプレイヤーとして楽しませてくれる。3人それぞれの立ち位置、役割がさらに明確になってきたのも、このリハでは感じることができた。

 ライブのMCなどでよくバンドやアーティストが、「多くのスタッフに支えられてここまで来ました」という言葉を耳にすることがあると思う。本番を見ているだけではなかなか伝わりづらい部分かも知れない。しかし、密着してみると多くの人の力で一つのステージが作り上げられていることが実感できた。それぞれにプロフェッショナルな仕事があり、やりがいが存在する。

 また、サウンドを支える前出の安藤氏と阿部氏は、演奏面も以前と比べると格段に成長していると語っている。これまでは荒々しい部分が目立っていたが、近年はしっかりとまとまった演奏で見せる。特に石川のパフォーマンス力と演奏面のバランスが以前よりもレベルがアップしている。飽くなき音への追求が感じられる。

 熊谷は早くステージに立ちたい、自身を解放して「音になりに行きたい…」と、今の心情を話す。2時間のステージが最良の瞬間で音楽をしている時が一番楽しいと。

新たな時間旅行へ

『明星〜We have a dream〜』@恵比寿LIQUIDROOM

 そうして迎えた、恵比寿LIQUIDROOMでの公演。その内容は冒頭の通りである。

 追加公演となるTSUTAYA O-EASTや大阪 BIG CATでも、きっと新たな“時間旅行”、景色を見せてくれるだろう期待感が高まったステージ。二度と同じ時間は訪れない、同じ時代に生きている奇跡を感じさせてくれる瞬間が、ここにはあった。それは色褪せる事なく記憶に刻まれていく。

 興奮と感動、さらに笑いという、人間にとって重要な感情が詰まったステージ。アンコールラストに届けられた「ラブレター。」で熊谷が発した言葉「あなた一人ひとりが僕らの“ヒカリ”です」これがこの日の全てだった。

(おわり)

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