BURNOUT SYNDROMES、密着取材で垣間見えたそれぞれの意識の変化
INTERVIEW

BURNOUT SYNDROMES、密着取材で垣間見えたそれぞれの意識の変化


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年04月05日

読了時間:約15分

 青春文學ロックバンドのBURNOUT SYNDROMES(バーンアウト シンドロームズ)が3月30日、宮城・darwinでバンド最大規模となった全国ワンマンツアー2019『明星〜We have a dream〜』のツアーファイナルをおこなった。ツアーは4月26日のTSUTAYA O-EASTと5月10日に大阪 BIG CATで開催される追加公演を残すのみ。そのツアーリハーサルの最終日と、3月23日におこなわれた東京・恵比寿LIQUIDROOMのライブにMusicVoiceが密着。取材を通して見えてきたのは各々の意識の変化で、今後のライブにも良い影響を与えそうだ。12月にはZepp Tokyo公演も決定している。いわばターニングポイントとも言える本ツアーの一端に触れ、彼らの思考に迫った。【取材・撮影=村上順一】

あなたの一番になるまで絶対に諦めません

『明星〜We have a dream〜』@恵比寿LIQUIDROOM

 3月23日、恵比寿LIQUIDROOM。そこで繰り広げられるライブはこれまでとは明らかに違っていた。熊谷和海(Gt&Vo)が書き上げたコンセプトアルバム『明星』のテーマは「或る惑星の観光」。それを石川大裕(Ba&Cho)は「時間旅行」に置き換えてその世界観を形にしていった。映像などで見せる演出と、音楽で聴かせる演出がこれまでよりも深く合致し、一貫性があった。確固たるテーマ性を打ち出しながらも、3人はライブをこれまで以上に楽しんでいるようにも見えた。

『明星〜We have a dream〜』@恵比寿LIQUIDROOM

 ライブの物語は50年後の2069年から始まる。そこから現代へタイムスリップし、自分自身で未来を変えるという壮大なスペクタルだ。様々な時間軸に合わせた曲がステージを彩っていく。過去の曲と新曲は同じ熊谷が作ったのかと思えないほどカラーが異なっていた。

『明星〜We have a dream〜』@恵比寿LIQUIDROOM

 それもそのはずだ。熊谷は曲を作る時、人格、インターフェースを変えることもあるという。そうすることでインプットは同じでも別の感性で捉えることができる。そのために普段の生活での一人称も変える徹底ぶりだ。特異な感覚から生まれる曲たちは斬新で中毒性がある。

『明星〜We have a dream〜』@恵比寿LIQUIDROOM

 この日のライブ序盤は廣瀬拓哉(Dr&Cho)が、3人での演奏の没入感が心地よく、特にお気に入りと語っていた「あゝ」や「アタシインソムニア」でダークでシリアスな世界観を見せ、続いて、ミュージカル要素を感じさせた「MASAMUNE」では石川と廣瀬が刀鍛冶に身を扮し、熊谷の刀を使ったパフォーマンスが印象的。ちなみに使用した模造刀は熊谷が小学生の時に購入したもので、「やっと役に立つときが来ました(笑)」と、リハの時に笑みを浮かべていたのを思い出した。

 石川のアグレッシブなラップが光る「国士無双役満少女」、そして、このライブ、アルバムを含めキーとなった楽曲「SPEECH」。その歌詞にも引用されたキング牧師の「I have a dream」という言葉が感情を揺さぶりかける。さらに客席から登場するサプライズも。石川が「俺たちは諦める事がすごく苦手です。あなたの一番になるまで絶対に諦めません。50年、60年、宜しくお願いします!」と決意の言葉から「ナミタチヌ」で本編を締めくくった。

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