男女ユニットのTWEEDEESが16日と17日、東京・高円寺HIGHで東名阪ツアー『ショウほど素敵な商売はない〜「DELICIOUS.」TOUR2019』の東京公演をおこなった。このツアーは1年間の制作期間を経て完成した3rdアルバム『DELICIOUS.』をひっさげて、2月23日の大阪・Live House Pangeaを皮切りに、愛知・ell.SIZE、東京・高円寺HIGHをまわるというもの。この旅の終着地である東京での2デイズは両日ともにソールドアウト。ボーカル・清浦夏実のパフォーマンスと、ベース・沖井礼二のテクニカルなプレイと饒舌MCには磨きがかかり、新作の世界観を見事に表現していた。3月27日には東京・新代田FEVERで追加公演をおこなう。オープニングアクトにPOLLYANNAを迎えた東京公演1日目、16日の模様を以下にレポートする。【取材=小池直也】

POLLYANNA

POLLYANNA(撮影=スエヨシリョウタ)

 定刻になるとまずは沖井礼二が登場して挨拶。そして「いいやつらなので、優しくしてあげて」とトップバッターのPOLLYANNAを紹介した。彼らはTWEEDEESのバンドセットと同じく、ボーカル、ギター、キーボード、ベース、ドラムの5ピース編成。渋谷系の影響を受けながら、細かいリズムのビートと色彩豊かなコード進行が印象的な演奏を全6曲演奏した。MC担当がベーシストというのもTWEEDEESリスペクトなのだろうか。ボーカルとドラムのコーラスワーク、そして優しい観客の歓声と拍手も印象に残った。

セットリスト

01.take me with overland
02.farniture and moving
03.いない・いない
04.らせん
05.量子もつれとわたし
06.pantomime

TWEEDEES

TWEEDEES(撮影=スエヨシリョウタ)

 ステージの転換を終えて、いよいよTWEEDEESが配置につく。一投目は「DELICIOUS.」から。金髪にワンピース姿の清浦夏実はクールに立っているだけで存在感を放つ。イントロは声のハーモニーが響いた。スネアドラムの乾いた音も気持ちいい。続いては会場全体がフラッグを振った「花束と磁力」。清浦の旗さばきが以前より向上している気がする。演奏陣の細かい音数のなかで歌う彼女は、嵐のなか咲く花の様だった。

 「少年の見た夢は」はエレピと歌だけでスタート。エンディングでは沖井がエモーショナルに叫んだ。オーディエンスもそれに応える。「a la mode」(頭文字の「a」は正しくはアクサン・グラーヴアクセント符号付き)では跳ねながら演奏するメンバーたちの姿に胸おどる。

 ここで沖井が「アルバム『DELICIOUS.』のお披露目を横浜でやって以来、ご無沙汰してました」とMC。さらに清浦が「年甲斐もなく金髪になりました。昨日美容室に行ったわけですよ。でもむしゃくしゃして、なんか『変わりてえな』と。清純を捨ててきました」と変身した経緯を明かすと会場に笑いが起きた。その後、メンバー紹介へ。キーボードは井上薫(Blue Peppers)、ギターはクロサワ(POLLYANNA)、ドラムは原“GEN”秀樹(NORTHERN BRIGHT)。その後、楽しかったツアー各地の思い出を語る。

 MC明け、沖井と清浦のハーモニーがきれいな「月の女王と眠たいテーブルクロス」からベースのザクザクとしたストロークとソロが印象的な「STRIKERS」と続ける。「PHILLIP」では、細かいメロディを乗りこなす清浦。演奏陣も楽しそうだった。ドラムのフィルも的確。オーディエンスもビートに体を揺らす。さらに三拍子系の「昼夜逆転の歌」、静と動のコントラストが魅力の「The Sound Sounds.」と並べた。

TWEEDEES(撮影=スエヨシリョウタ)

 再びMC。沖井が『DELICIOUS.』のLP盤発売の話から、LPについて力説。時おり清浦が突っ込みつつの軽妙なトークでフロアはいい雰囲気に。情報量が多めの演奏に力の抜けたMC、このセットがいいバランスでTWEEDEESのライブは楽しめる。

 セットリストは「美しい歌はいつも悲しい」の高速なビートで後半戦へ。鍵盤と歌だけの「間違いだらけの神様」の牧歌的な楽曲をはさんで、明るい「君は素敵」でハッピーな空気を作りあげる。「不機嫌なカプチーノ」は歌のメロディとシンクロするサビのドラムがひとつの聴きどころ。合いの手で入るオルガンも心地よかった。アイコンタクトしあって連携する演奏陣の姿は視覚的にもぐっときた。

 そして本編最後は「Medley: 東京は夜の七時~21世紀の子供達」。渋谷系の名曲カバーから始まり、オリジナルな展開へ移行。最後は<東京は夜の七時>を何度もリフレインしてフィニッシュ。メンバーはステージを去った。

 ほどなくしてアンコールに応えるTWEEDEES。「Boop Boop Bee Doop!」、「Crosstown Traffic」を演奏し、沖井がもう一度MC。「東京初日、次が最後の曲になります」さらに清浦が「楽しく歌って終わりたいと思います」と告げて、ラストに持ってきたのは「ムーンライト・フラッパー」だった。ジャジーなピアノのイントロから始まり、4ビートに。小踊りしながら歌う清浦が可愛い。後半はトレードマークの赤いマイクを引き抜いて歌い、観客を煽った。最後まで楽しい雰囲気を保ったまま、東京公演1日目の幕は閉じた。

セットリスト

01.DELICIOUS.
02.花束と磁力
03.少年の見た夢は
04.a la mode
05.月の女王と眠たいテーブルクロス
06.STRIKERS
07.PHILLIP
08.昼夜逆転の歌
09.The Sound Sounds.
10.美しい歌はいつも悲しい
11.間違いだらけの神様
12.君は素敵
13.不機嫌なカプチーノ
14.Medley: 東京は夜の七時~21世紀の子供達
15.Boop Boop Bee Doop!
16.Crosstown Traffic
17.ムーンライト・フラッパー

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