瀧川ありさ「さらに大人になった自分を表現出来たら」マインドの変化が生み出す音楽
INTERVIEW

瀧川ありさ「さらに大人になった自分を表現出来たら」マインドの変化が生み出す音楽


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年03月07日

読了時間:約12分

 シンガーソングライターの瀧川ありさが3月6日、7枚目のシングル「わがまま」をリリース。奥田民生率いるユニコーンをはじめ、CHEMISTRY、ゴスペラーズ、西野カナといった人気アーティストを発掘してきた、伝説のスカウトマンで音楽プロデューサーが惚れたグロッシーヴォイスを武器に2015年3月に「Season」でメジャーデビュー 。16年11月に1stアルバム『at film. 』をリリース。昨年はミニアルバム『東京』をリリースし、弾き語り全国ツアー『2nd recital live tour 2018 "breath of mine”』をおこない「人としてのマインドが変わった」1年だったという。シングルとしては約2年ぶりとなる「わがまま」は、アニメ『ドメスティックな彼女』EDテーマに起用され話題曲となっている。昨年の全国ツアーを振り返ってもらい、今作の制作背景や彼女の内面に迫った。【取材=村上順一】

人としてのマインドが変わった1年

「わがまま」通常盤 ジャケ写

――昨年はミニアルバム『東京』のリリースや全国ツアー『2nd recital live tour 2018 "breath of mine”』もおこないましたが、どんな変化がありましたか。

 『東京』というコンセプトアルバムを出させて頂いて、自分の内面をより出せるようになったと思います。全国ツアーも24カ所回ったので、お客さんとの繋がりもより深くなりました。東京にいると一人ひとりという感覚があって、日本全国を巡って人の温かさに気づけた感覚もあります。もっと人に優しくしていきたいなって(笑)。人としてのマインドが変わった1年でした。

 ツアーでも、すごく皆さんに良くして頂きました。身近な地域に行くと、ギター持っているだけで「ライブかい?」とか気さくに話しかけてくれたり。そういった温かさに触れたことが大きかったです。

――東京から離れてみるというのもいいですよね。

 そうなんです。また東京に帰って来た時に安心感もあって。ヤダヤダ言ってたけど、東京の良い部分にも気付けたり。

――新しい魅力に気付けたりしますからね。歌やパフォーマンスに変化はありましたか。

 自分よりも周りから表情や歌が変わったと言ってもらえました。自分では無意識だった部分が変わったみたいです。弾き語りだったので、最初はお互い探り探りのところもあったんですけど、最終的には自分の部屋に来てもらったみたいな感じでした。逆に初めて観に来てくれたお客さんはあまりのゆるさにビックリしたかと思います(笑)。

――それぐらいアットホームなライブだったんですね。

 そうなんです。私の中では型にハマりたくないというのがあって、アーティストそれぞれだから自分らしくやれれば良いなと思い始めてから、肩肘張らずに出来るようになりました。ライブもよりナチュラルになってきたのかなと思います。

――それぞれのスタイルがあっていいですよね。さて、新譜を聴かせて頂いて、改めて低音と高音のバランスが素晴らしい、良い声だなと思いました。歌だけではなく喋っている時の声も魅力的だなと。

 ありがとうございます。でも、喋っている時の声が下手くそだなと思っているんです(笑)。歌っている時の方が発声が楽で、喋っているとすぐ声が枯れてしまうんです。なので、喋るトレーニングはしないといけないなと思いました。

――声量はバンドをやられていた時に鍛えられた部分も?

 それもありますけど、昔から声は大きかったんです。レストランとかで人を呼ぶことには長けていたので、友達の中ではいつも店員さんを呼ぶ係でした(笑)。どんなに周りがガヤガヤしていても、一発で呼んでみせると思ってますから(笑)。

――声を届かせるということはライブでも同じことが言えますね。

 そうなんです。ライブでも客席の一番後ろまで届けたいという気持ちがあります。最前列だけ盛り上がって、後ろが盛り上がってないとか嫌なんです。なので、リハーサルでも客席の後ろまで行って歌を確認します。誰も置いていきたくないんです。

――瀧川さんはそんな経験は無いと思うのですが、例えばお客さんが遠慮して真ん中や前列が空いてしまっていたらどうします?

 バンドをやっていた時はお客さんが少ないことも経験しています。30分のステージのために準備して、結果お客さんが2人とか、めちゃくちゃ切ないです。その時の空気感にもよりますけど、今なら「一歩前に来て」と素直に言ってしまうと思います。当時はお客さんが少なかったから、それぞれ心地いい場所があるだろうとも思ってましたが、遠慮してる感じだったら言います。あとメジャーデビュしてから気付いたのは、客席の後ろも大事なんですけど、実は前列の両端も置いてけぼりになりがちなんです。なので、私は両端まで絶対見ます(笑)。逆に真ん中の最前列の方とは私がシャイなので目を合わせられないんです(笑)。

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