言葉だけではなくて、行動に移したい
――音源もそうですが、最近はライブへの取り組み方もさらにストイックだなと感じています。特に今回の初回限定盤のDVDにも収録される昨年の『フレデリズムツアー特別公演-LIGHT LIVE ♩=120~140-』はBPMの制約があるなか、素晴らしいライブだったなと。
三原健司 あのライブの内容を決めるにあたって、伝えたいことが2つありました。まず、BPMを縛ることによってノリが一つになるということです。速いテンポが好きな人はこのテンポの魅力を改めて知ってもらえれば、他の曲を聴いてもらうきっかけにもなるし、コンセプトを持たせることで自分たちの意思も明確に打ち出せるなと思いました。
――もう一つは?
三原健司 ライブのセットリストを見ていただければわかるのですが、今までリード曲ではなかったアルバムの曲やシングルのカップリングの曲が多く入っているという点です。そういう曲たちにライトを当てるために「LIGHT」という曲があったり、そういうセットリストにしました。こういったコンセプトを伝えていくということが、これからのフレデリックなのではないかなと思っています。「オドループ」からここまで繋がって来たけど、リードトラックとは別で蒔いてきた種を回収していく、ここからはフレデリックの曲でどう遊ぶかが大事だなと。
――チャレンジのしがいがありますね。
三原健司 今作を聴いてもらったら、その人の想像力で楽しんでもらえると思うんですけど、この曲たちがもっと面白さを付け加えられるのはライブしかないと思っていて、その自分たちの意思を出していく第1弾が『フレデリズムツアー特別公演-LIGHT LIVE ♩=120~140-』でした。
――「LIGHT」は最初から他の曲にも光りを当てるという意味もあったんですか?
三原健司 最初からそういった意味を持たせて制作したわけではなかったんですけど、このライブをおこなうにあたって、「LIGHT」があるから他の曲も映えるということで、配信でリリースしたというのはあります。
――あのライブでまた新たな楽しみが増えました。
三原健司 熱狂はもちろんのこと、自分たちが思っている以上にみんなは踊ることが大好きなんだということがわかりました。
――あのグルーヴを出されたら、無条件に身体は動いてしまうなと、私は観ていて思いました。
三原康司 本能でそのリズムに乗って気持ちよく踊るというのは、人間として正しいと思います。それを感じとった後のリラックスした気持ちや楽しかったという気持ちを持って生活した時に、凄く前向きで物事の見え方が全て変わってくると思うんです。そういうフロアが出来上がった時って、もっと音楽シーンも面白くなっていくと思います。なので、この幅がもっと広がって行けば良いなと、ライブを終えて思いました。
三原健司 自分たちがやりたかったことを言葉だけではなくて、行動に移したかったというのもあって。MCでどうしたいとか話す事って、話が上手い人なら誰でも出来るなと思って…。でも、僕らはミュージシャンなので、それを行動にして音楽で届ける、それで説明出来たら十分だと思うし、今年も行動で起こしていけたら良いなと思っています。
――さて、皆さんそれぞれが考える2019年はどんな年にしたいですか。
三原健司 音楽シーンがどうであれ、フレデリックはフレデリックなんだというものを、広げていきたいです。
高橋武 新しいことに挑戦していけていることは実感出来ているので、それを広げて行きたいというのは健司君と一緒で、それをするには自分は何をすれば良いのかというところです。土台を盤石なものにするというところで、バンドの土台といえばドラムだと思うので、僕はそこを強化していきたいなと思っています。
――確かにバンドの中でのドラムは重要な位置を占めていると思います。プレッシャーは?
高橋武 今はメンバーや周りの環境がすごく良いので、プレッシャーはないです。僕が最後にプレッシャーを感じたのは、高校生の時に路上でバケツを叩いていた時だけかも知れないです(笑)。
――いい環境なんですね。隆児さんの2019年は?
赤頭隆児 広げて行きたいのはもちろんのこと、個人としてはもっと色んなものを吸収したいです。その中で色んなライブを観に行きたいと思っています。昨年もブルーノ・マーズを観て、刺激を受けたので。
――色んなものを経験する1年になりそうですね。康司さんは?
三原康司 電車に乗ってると多くの人が音楽を聴いているんですけど、みんなが何を聴いているのか凄く気になります。それがフレデリックだったら良いのになとか(笑)。でも、まだまだそうじゃないと思います。だからこそ、音楽が触れられる瞬間に自分たちがいれるようなバンドにならなければと思います。目の前の事を一歩一歩を大事にして2019年はやっていきたいです。
――昨年のフレデリックは桃源郷から楽園に向かってましたけど、今はどこに向かっていますか。
三原康司 昨年はそういった表現でしたけど、今年はツアーのタイトルにもなっていた、イマジネーションというところです。楽しいということはすごく重要なんですけど、その楽しいをどうイメージしていくか、その一歩をみんなと共有し合えたら、さらに楽しい未来が待っているんじゃないかなと思います。
――最後に全国ツアー初日の4月13日に開催される『FREDERHYTHM TOUR 2019~夜にロックを聴いてしまったら編~』はどのようなライブにしたいですか。
三原健司 アルバムのための特別公演ということで、アルバム曲中心にやることになりますが、タイトルにもあるように「夜にロックを聴いてしまったら」がキーになるようなライブになるんじゃないかなと思っています。僕たちも色んなアーティストの音楽や言葉に影響されてきて、自分たちも与える側になったからこそ、そういった事を派生させるイベントにしたいという思いもあるので、ここで話した全てがこの日に見せられると思います。
(おわり)