ヌードモデル・兎丸愛美とミュージシャン・BOMIそれぞれの4年を追った映画『シスターフッド』が3月1日に公開される。ドキュメンタリーとフィクションを融合させた作品で、「幸せとは何か」「自分らしさとは何か」を問うている。華やかな表舞台。その裏では葛藤も抱えている。そうした「陽」ではなく「陰」にスポットを当てた映画が本作と言える。そのダブル主演の一人、BOMIに取材する機会を得た。撮影を始めた4年前は自分が目指す音楽を求めてメジャーレーベルから離れた頃。この4年間はどのようなものだったのか。【取材・撮影=木村陽仁】
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○安心した、昔と今は地続きに
○幸せとはなにか、自分らしさとは
シンガーソングライターの“日常”を切り取る
あるミュージシャンがオーディエンスに向けてこう言った。
「ミュージシャンも君たちと一緒なんだ。同じように悩み、同じように葛藤があって、それでも前に進んでいる」
一人のシンガーソングライターの“日常”を切り取った。良い時期もあれば悪い時期もある。ただ、彼女が切り取られ始めた2014年は希望と不安が混在する時期だった。
ニューヨーク生まれ。3歳のときに親元を離れ、大阪で育った。
2012年6月に日本コロムビアよりミニアルバム『キーゼルバッファ』でメジャーデビュー。「iYo-Yo」が、J-WAVE「TOKIO HOT 100」のTOP10にランクインするほど人気を集めた。
しかし、2014年に自分らしい音楽活動を求めてインディーズにフィールドを移した。
「不安だったのと、その逆にゼロからなんでもやってやるぞ! という強い気持ちと、まだ何も出来ていない焦り。混沌としていました。でもエネルギーがあったと思います」
晴れやかな表情で当時をそう振り返るBOMI。気持ちの変化がこの作品からうかがえる。
「ありのままを出すタイプ」という彼女はこの作品を見て、自分を「こんなもんなんだろうな」と思ったそうだ。その言葉からも素の姿がこの作品に収められていることがわかる。
アーティストであり、女優。そして一人の女性でもある。BOMIが歩んだこの4年とは。