メイド5人によるロックバンド・BAND-MAIDが1月11日と12日、東京・新木場STUDIO COASTで全国ツアー『BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 2018-2019【侵略】』のツアーファイナルをおこなった。ツアーは2018年9月12日の神奈川・川崎CLUB CITTA’を皮切りに全国18公演をおこなうというもの。12日のツアーファイナルは昨年の集大成とも言えるべき圧巻のパフォーマンスで全26曲を熱演。会場は終始凄まじい熱気で満たされていた。予定にはなかったインディーズ時代のナンバー「FORWORD」をサプライズ披露するなど、今年スタートする『BAND-MAID 2019【激動】 ~gekidou~"WORLD TOUR"』へと繋がるステージを見せた12日の模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

新木場声出していこうか!

ライブの模様(撮影=MASANORI FUJIKAWA)

 会場は隙間が見当たらないほどの超満員。紗幕には巨大な満月をバックに少し不気味な洋館が投影。BGMにはハードロックサウンド、これから始まるライブへの高揚感を高めてくれる。おなじみのSEから紗幕にメンバーのシルエット。紗幕に映像が投影される中「DICE」で幕は開けた。Bite感のあるサウンドに彩姫(Vo)のエネルギッシュな歌声が響き渡る。「新木場声出していこうか!」とその声にオーディエンスも盛大な声で応え「the non-fiction days」へ。最高のスタートダッシュを切った。

 「モラトリアム」で紗幕が落ちステージの全貌が露わになり、会場全体による一体感のあるシンガロングはお給仕を更なる次元へと押し上げた。序盤からアクセル全開のパフォーマンス。とにかく彩姫の歌のエナジーが凄まじい。それに引っ張られるように楽器隊の勢いも上がり続ける。バンドの理想形とも言える姿がそこにはあった。昨年はメンバーそれぞれの意識改革が出来たこともあり、またひとつステップへ進んだことを感じさせた。

彩姫(撮影=MASANORI FUJIKAWA)

 それをまざまざと見せつけたのが16日にリリースの「glory」だ。AKANE(Dr)が繰り出すラテンテイストのリズムに、オーディエンスも体を弾ませ盛り上がり、そして、小鳩ミク(Vo、Gt)とのツインボーカルのコントラストが鮮やかな「alone」、そして「DOMINATION」で見せたのは自信。それがサウンドに大きく反映されていた。圧倒的な説得力で突き進んでいく。

 最速ナンバー「Screaming」、静と動の流れが見事な「Spirit!!」で前半戦を終了。ここで、一旦彩姫がステージを後にし、4人でインストナンバー「without holding back ~instrument~」を披露。KANAMI(Gt)は指板を飛び跳ねるようなライトハンド奏法、MISA(Ba)は弾丸をぶっ放すかのようなアタッキーなスラップ奏法などテクニックも盛り込み、疾走感溢れるサウンドで高まる熱気のなか、お給仕は中盤戦へ。

こっちもまだやり足りないな!

ライブの模様(撮影=MASANORI FUJIKAWA)

 インタルードともいえるピアノとストリングによるサウンドが流れ、KANAMIによるピアノから始まったのは、原点回帰ともいえるミディアムナンバー「start over」で後半戦はスタート。続いて「Daydreaming」をKANAMIのピアノと彩姫の2人で始まり、バンドサウンドがインしていくドラマチックな展開。ステージ後方のスクリーンには宇宙が広がり、そこには歌ってくれと言わんばかりに歌詞も投影。そして、アコースティックギターの音色が美しく響いた「anemone」と心地よいメロディーに身を任せ、激しいだけじゃない、BAND-MAIDの振り幅を見せた。

 AKANEがステージ中央に踊りでて変なおじさんの振り付けで、盛り上がったところで「FREEDOM」に突入。では小鳩はギター置き、ハンドマイクでボーカルに専念。ソリッドなハードロックサウンドに乗り、彩姫とのツインボーカルでハーモニーを響かせた。彩姫はMISAに絡みに行くなど、まさにフリーダムなパフォーマンスで楽しませた。

 続いて、16日にリリースのシングルからドラマ『パーフェクトクライム』の主題歌でグルーヴィでヘヴィな新曲「Bubble」、再びインストナンバー「ON SET ~instrument~」でオーディエンスを扇情させ、小鳩がメインボーカルを務める「TIME」を披露。<光彷徨って 次の糧にして私は生きる>と熱いメッセージを歌い届けた。

小鳩ミク(撮影=MASANORI FUJIKAWA)

 MCでは、最初のワンマンの時を振り返る。その日も雪が降ったという。50人、100人から始まったワンマンも今では約2000人を収容する新木場STUDIO COASTがソールドアウトしたことが感慨深い。お給仕恒例の小鳩の独壇場コーナー「おまじないタイム」へ。回を追うごとに激しさを増す“萌え萌えキュンキュン”のコール&レスポンスで一体感を高めた。

 お給仕は「you.」でラストスパートに突入。「secret My lips」ではズシンと身体に響くリフでヒートアップさせ、AKANEとMISAのリズム隊が牽引するかのように始まった「Choose me」、ラストは「Don't you tell ME」でオーディエンスのボルテージは最高潮まで高まった。

 終了かと思いきや、彩姫が「新木場それでいいの? まだできるんじゃない?」と投げかけオーディエンスの盛り上がりに彩姫がメンバーを集合させミーティング。彩姫は「まだ物足りないか! こっちもまだやり足りないな! 侵略ツアーだから、見せないとな!」と、まさかのサプライズで初期のナンバーから「FORWORD」を届けた。2019年への決意を感じさせる全身全霊の演奏で締め、昨年9月から続いたツアー『BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 2018-2019【侵略】』の幕は閉じた。

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