DEEP「全てを込めました」RYOが現体制最後の楽曲に込めた想い 新たな道へ
INTERVIEW

DEEP「全てを込めました」RYOが現体制最後の楽曲に込めた想い 新たな道へ


記者:小池直也

撮影:

掲載:18年12月30日

読了時間:約10分

 4人組男性コーラスグループのDEEPが12月26日、ニューシングル「WISH」を発売する。今年はシングル2枚、6月にアルバム『THE SINGER』を発売するなど勢力的な活動を展開してきた彼ら。しかし、先日メンバーのRYOが今年限りでの卒業を発表。「WISH」が現体制で最後の作品となる。DEEPは現在、3年ぶりの全国ツアー『DEEP LIVE TOUR 2018 “THE SINGER”』を開催中。4人は今、何を思いながらステージに向かっているのだろうか。今回はDEEPに新作についてインタビュー。RYOの想いが詰まった楽曲についてや、「全てがノンフィクション」だったと話す今年の活動についても振り返ってもらった。【取材=小池直也/撮影=冨田味我】

背中を押せる様な曲にしたかった

――RYOさんの卒業という発表を経てのシングル発売ですが、みなさんの心境を教えてください。

YUICHIRO もちろん発表前から僕らは知っていました。でも、きっとファンの方々は驚かれたと思います。僕たちももちろんそれを受け入れるために、色々考えましたし、悩みもしました。でもRYOが新しい夢を持ったということは、逆に素晴らしいことだなと思っています。これからRYOの背中を押せる様に僕らも頑張りたいです。

YUICHIRO(撮影=冨田味我)

TAKA 僕は率直に前向きです。新しい道に進むということに関しても、頑張って欲しいなと。これまでの時間、RYOがいた時間というのはこれからも色あせることのない宝物です。これまで作ってきた楽曲も、やってきたステージも然り。これがDEEPであることは変わらないし、これから姿は見えないけど、想いは僕たちが背負っていくということなので。お互いの道で頑張っていく為に何をしていこうかと考えながら、過ごしています。

TAKA(撮影=冨田味我)

KEISEI 12年ずっとやってきたので、やっぱりさみしいです。それは30代になってRYOから「新しい道に進みたい」ということを言われた時に、それを尊重してあげることもメンバーとして最後の役割なのかなと。ただ、その想いには葛藤もあったと思うので、決断したことは男だなと。応援してあげたいと思いました。

KEISEI(撮影=冨田味我)

RYO 僕のわがままといいますか、想いを受け入れてくれたメンバーにも感謝しています。12年応援してくださったファンのみなさんにも感謝しています。今の率直な気持ちは僕も前向きで。メンバーも背中を押してくれましたし、僕もDEEPにはもっと輝いていて欲しい。まだツアーもありますので、1日1日、1曲1曲かみしめながら臨みたいと思っています。

RYO(撮影=冨田味我)

――そんな中で、新作「WISH」の制作についてはどの様におこなわれたのですか。

RYO 今回は最後に新曲を出させて頂けるということで、もうメンバーもスタッフさんからも「最後はRYOに」という粋な計らいで作詞をさせて頂きました。きれいな感じというか、等身大の率直な気持ちだったりを形にしています。12年間の感謝も伝えたかったんですが、それを書き出すと止まらないし、1曲じゃ収まらないので(笑)。

 それだったら、人生に悩んでる人や、立ち止まっている人の背中を押せる様な曲にしたいと思ったんです。それと僕も新しい道に向かいますし、DEEPも新しく挑戦していくという気持ちも込めています。前向きにしたいというのも最初にありました。制作期間はすごく短かったんです。そのおかげで集中できたのもありますね。話を頂いたその日から「どういう曲にしようか」と思いついたことをとにかくメモしていましたね。いざ書く時には、そういうメモが貯まっていたのでスラッと書けました。

――できあがった歌詞を最初に見て、皆さんはどう思いましたか?

TAKA 「すごくリアルだな」と感じました。今年は「SING」「Celebrate」「WISH」とシングル3枚、アルバムは『THE SINGER』の1枚出させて頂いて。「SING」は10年の節目の年に「歌いたい」という願いをぶつけた作品でした。「Celebrate」はKEISEIが結婚するということで、そのウェディングに対して。そして「WISH」はRYOの新たな旅立ちの曲。全てがノンフィクション、リアルを歌っています。DEEPの人生を乗せた曲が続いているなかで「WISH」もその1作品なんだな、と歌詞を見て思いました。

 シンガーとして見ても、言葉の比喩も上手で、音としての響きのいい言葉を選んで使っている。さすが「SORA〜この声が届くまで〜」の作詞も手掛けた巨匠です(笑)。聴いてくださるリスナーのみなさまにとっては、応援ソングなんじゃないかなと。やっぱり今のRYOの立場というか、分岐点で新たな道に進む勇気や覚悟は計り知れないものがあると思うんですよ。そういうことって、世の中にもたくさんあるじゃないですか。新しいことを始めるのも勇気がいるし、不安な気持ちもある。それをRYOが書いたからこそ、すごく説得力のある作品になったと思うんです。踏み出す勇気がない人の背中を押してくれる曲として届くといいなと思います。

KEISEI この歌詞の冒頭は<誰の為に生きているかなんて/自分自身 間違いなく>というものでした。そこって非常に大事だと思っています。RYOが伝えたいことっていうのは「これで最後、さよなら」という曲じゃなく「お互い、違う道に行く」ということだったんだなと。今までの道のりをすごく感じましたね。聴いた人が、自分の道について自分に問いかけられる様な楽曲だなと感じます。

YUICHIRO 実際、想いを込められるキーの高さだったりもして、とても歌いやすかったです。歌詞もRYOの想いや、僕らが4匹の魚で深海から光を見上げて、新しい場所を目指していく感じとかもあって。あとは初めて4人で合わせた曲の歌詞を引用していたりして、深さや愛を感じました。

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