変わった＝成長したということ
ユアネス（撮影＝高田梓）
――何か将来的なイメージはありますか？
古閑翔平 最初から決めていたのは、長く活動を続けていくことです。その中でぶち当たる壁や試練は、一つずつしっかりクリアしていきましょうという感じです。
小野貴寛 全力を尽くして長くやりたいです。
――欲がないわけではなく、内側に熱いものを持っている感じですね。
田中雄大 最近思うのは、ベースは楽しくて格好いい楽器だと自信を持って言えますけど、長くやっていくには、もっといろんな経験をしていたほうがいいと思うので、時間を見つけて勉強しています。「こういうことができるようになったよ」と、バンドに持ち帰られる何かを見つけたいです。
――長く続ける部分で、作詞作曲を一手に引き受けていると大変じゃないですか？
古閑翔平 でも自分は、もともと作るのが好きなんです。それに本を読んだり、絵やイラスト、映画を観たり、音楽以外の作品からインスピレーションを受けることが多いので、曲を書く上でのモチベーションがなくなることはないんじゃないかなと思います。
――ジャケットのイラストにもひと工夫が。
古閑翔平 しらこさんというイラストレーターさんの作品で、『Ctrl+Z』と『Shift』の２枚のジャケットイラスト合わせると１枚のイラストになるという趣向です。そういう部分でも、作品として楽しんでいただければいいなと思っています。
――2019年早々からツアー『Shift Tour 2019』を開催します。ライブはどんな雰囲気ですか？
黒川侑司 ライブを観た感想としていちばん多いのが、「案外パワフル」という意見です。「めっちゃしゃべるやん」とか（笑）。
田中雄大 僕らの曲から、無口なイメージを持たれることが多くて。それが「はい。どーもユアネスです〜」みたいな感じでMCが始まるから（笑）。
黒川侑司 曲の世界に入り込んで世界観を歌うことは大切だけど、しゃべりという場で、僕が格好つけて格好いいことをしゃべったら、それは嘘の言葉になって届いてしまう。だからMCはMCとして、正直に素の自分でしゃべるべきだろうと思うので。
――そういうギャップも魅力ですね。
小野貴寛 そうです。「そこがかわいい」って言われています（笑）。
――ライブで伝えたいことは？
黒川侑司 僕らの作品は物語性があるので、ライブを観ていただくときに、構えられてしまったり、肩に力が入ってしまったりすることがあります。でも僕らとしては、自由に好きなように聴いて、何かを感じ取ってもらえればいいと思っています。自分が楽しいと思う楽しみ方をしてくれるのが、一番じゃないかなって。僕らは演奏して歌う側で、お客さんは聴く側という違いがあるだけで、同じ人間同士ですからね。
――上京して半年くらいとのことですが、何か変化は？
古閑翔平 人間的には変わらないですけど、常に変化はしています。そもそも福岡で活動していたときから、音楽性は常に変化してきたバンドなので。
田中雄大 福岡時代からそうなので、東京にきて多少変わったとしても、昔から知ってくれている人にとっては“そのくらいはあるよね”というくらいの感じだと思われているんじゃないでしょうか。
黒川侑司 だから“変わった”と言われることは多いですけど、むしろ“変わった”ではなく、“こういうこともできるようになった”と思ってほしいです。
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