back numberのMVや『SUITS/スーツ』に出演した大和孔太はどんな人?本人直撃
INTERVIEW

back numberのMVや『SUITS/スーツ』に出演した大和孔太はどんな人?本人直撃


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年12月28日

読了時間:約12分

培われる瞬発力や対応力、目の奥にどうバックボーンを映すか

――これまで演じてこられた役は実に幅広いですが、やる度に成長していく実感はありますか?

 自分では絶対に思い浮かばないようなことを考えたりもするので、新たな思考回路が構築されるような感覚はあります。そういった意味では毎回成長になっているのかなと思います。

――ドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』の第3話では、政府へのテロを企てる暴力団組長の息子・大畑譲役を演じられました。見ていて、何の違和感もなくスッと観られたので、演技が上手いという印象を受けましたが。

 いえいえ、まだまだ全然足りないです!

――まだまだと思う点は?

 細かい所ひとつひとつです。極端な話、セリフを言うことは誰にでもできることだと思うのですが、セリフの奥を出すのが難しいと思っています。瞳に宿る「彼の人生」のような。どういう人生を歩んできたらこういう動きになるのかとか、そのバックボーンが見える俳優は凄いなと思っているのですが、自分の演技を見ていると、それが見えないときが多々あって。「あ~、素の自分が出ちゃっているわ」と思ったり、まだまだ改善するべき点がたくさんあります。

――『CRISIS公安機動捜査隊特捜班』では組長の息子で3人のテロ犯の一人という役でしたが、どのように役をつくっていきましたか?

 「大人や世間に対して常に憤りを持った少年」という風に役づくりをしました。身近な所ではなく、もっと大きい所に反発しているんです。でもなかなか自分では行動に移せない小心者な自分もいて、けどそこを2人の仲間が引き上げてくれたような、どちらかというと洗脳に近い形でそこに立っているという感情でした。「僕にはこれしかないんだ」と信じ切っちゃっているので、「お前らは復讐を受けるしかないんだ」という盲目になったような状態を意識しました。

――『SUITS/スーツ』では中島裕翔さん演じる鈴木大貴に替え玉を依頼した木次谷真之介、弁護士の木次谷公一の息子役を演じました。これはどのように役作りを。

 もともと原作を見ていたのですが、主演が織田裕二さんということもあって「動きは動き」という風にやった方がいいなと考えました。「動くなら動く」のように、海外の動きに寄せようとしました。あのシーンはどちらかというと、替え玉を請け負った鈴木(中島裕翔)に焦りを感じるということを意識していて。替え玉を頼んだ人と、鈴木の人生を駄目にしたという思いがどこかにあって、更に鈴木にそれをばらされて焦るという感情を表現しようとしました。

――こういうゲスト出演の場合、そのときにキャラの人生を投影させていくのは大変ですよね。回を重ねて作っていけないですからね。

 そこは、監督さんのイメージする中で自分なりにどう爪痕を残すかということを考えて、誰でもできる芝居はしないように心掛けています。その人の癖や人格をひとつひとつ考えて、「この人は歩くときにブレない人」とか、「呼吸は深めだな」とか、動き方なども提案してみて、OKが出たらそれを演じるようにしています。

――こういう経験は大きいですか?

 大きいです。色んな方ともお話できますし、芝居も観られるので、刺激になります。相手の役者さんはどう出られるのかというのは事前に考えるようにはしているのですが、もちろんそのイメージが違うこともあって、その都度、臨機応変に演じるという“ライブ感”が面白いです。特に映画やドラマなどでは、瞬発力や応用力、対応力は求められていると思いますので、そこを鍛えている感覚ではあります。

――過去に時代劇にも出演されていますよね。

 はい!『断金の友』『忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣〜』『人形佐七捕物帳』がそうでした。

――実在する人としない人を演じるとなるとまた違いますよね。

 実在している人の方が、その人の人生を考えることにおいてはイメージしやすいのかなと思います。『PRINCE OF LEGEND』だと実在しない人物なので、どちらかというと外側の部分から固めていくようにしました。内面的な部分というよりは、「こういう仕草をしたら面白いんじゃないか」とか、「表情はこうしよう」とか外側の部分をぶっつけな感じでつくっていきました。

――深いのですね…。

 僕もまだまだ勉強中なのですが、深さに溺れ死にそうです(笑)。

――考え過ぎても良くないのでしょうか?

 そうですね、凝り固まっちゃうのではないかと思います。「これ!」と思って演じたものが全くすっとんきょうなこともあるので、柔軟に「俺はこう思うけどもしかしたらこういう人物かも」という選択肢を今は何個か準備しておくようにしています。一回だけあったんです。撮影現場で「これだ」というのを持って行ったら「違う!」とバッサリ言われてしまって、その日の撮影ではNGを連発しちゃって…。でも次に活かさないと意味がないので、そうやって成長していきたいと思っています。

大和孔太

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