back numberのMVや『SUITS/スーツ』に出演した大和孔太はどんな人?本人直撃
INTERVIEW

back numberのMVや『SUITS/スーツ』に出演した大和孔太はどんな人?本人直撃


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年12月28日

読了時間:約12分

俳優の道、決定づけさせた中井貴一の存在

――特技がアクションなのですね。

 3年くらいアクションのレッスンを受けさせて頂きました。いわゆる組手で、どちらかというと剣術とかではない実践的な殺陣です。撮影用に殴ったり殴られたりというアクションを学んでいました。もともとアクションは好きで、学生時代にサッカーとバスケをやっていたこともあって、体を動かすことも、スポーツも好きなんです。

――それでは学生時代はモテモテだったんですね。

 いやいや、それが全然! スポーツでモテたということがないんです。僕が一番モテた時期が幼稚園のとき。女の子3人ずつから両腕を引っ張られて両肩を脱臼したことがあるんですよ(笑)でもそれ以降はそういう浮いた話は全くないです。

――それは相当ですね。大和さんはどういう少年だったのですか?

 ちょっとやんちゃ系でした。といってもヤンキーとかではなくて、わんぱくに遊ぶみたいな。半袖半ズボンで年中過ごす少年でした。近くに山があったので友達と虫を獲りに行ったり秘密基地を作ったりしました。

――そんなわんぱく少年がどう「大和孔太」になったのかを知りたいのですが、ターニングポイントを教えてください。

 高校生のときに働いていたバイト先の店長さんの影響が大きいかもしれません。僕がまだ物事の良し悪しもわからず、横道に逸れそうになったときもあったんですけど、店長さんが「お前、それじゃダメだぞ」と叱ってくれて。その頃、親が言うことは跳ね返してしまう時期で、たぶん関係が近すぎるから甘えてしまっていたと思うんですけど。だからその外で自分が慕っている人や深い繋がりを持った人にガツンと言われると響くというか。店長さんは“ザ・九州男児”のような方で、「男っていうのはな…」みたいに友達付き合いとか、仕事への姿勢を教えてくれて。厳しい方でしたが社会人として扱ってくれたのが嬉しかったです。

――その店長さんに影響されて考え方が変わったということですが、俳優になろうとしたきっかけは?

 本当にこの仕事1本でやろうと思ったのは、今の事務所に入ってからです。もともと「俳優って凄いな」という憧れはあったんですけど、自分が強く俳優になりたいという風には思っていなくて。それが変わったのは現場に入ったときでした。「人を演じる」ということに本当にやりがいを感じて、今まで生きてきて良いことも悪いことも、経験したものがこんなに全て活かされる仕事もなかなかないんじゃないかと思ったんです。それで実際に作品に出て、身内からの声やファンの方が少しずつ増えていくという反応が目に見えて感じられて、そのことによって更にやりがいが生まれて。本当に楽しいなと感じています。

 また、初めての映像作品の現場が凄く良かったことも大きいかもしれません。WOWOWの『きんぴか』という浅田次郎さん原作の連続ドラマです。僕が最初に共演させて頂いたのがその主演を務められた中井貴一さんでした。中井さんと一対一で立ち会うシーンがあって、そこで僕が銃を持って撃とうとするんです。それを、撃つ前に防がれてガツンと殴られた後に僕が鼻から血を流すというシーンでした。初めての現場で、しかもお相手が中井さん。なにも分からない状態で、監督に「眼鏡を首で吹っ飛ばして欲しい」「これ一発本番だから」と言われて。スポンジに染み込ませた血のりを、吹っ飛ばされて振り返る前に、自分でギュッと絞って振り向くんです。失敗したらシャツも汚れるので、中井さんを待たせてしまうというプレッシャーもあって。

 当然、緊張してテンパっていました。そんな僕を中井さんはトントンと肩を叩いて「お前ならできる!」って言って背中を押してくださったんです。それで気合いが入って乗り切ることができたんですけど、本当に素敵な方だなと思いました。初めての現場で「中井さんのような俳優になりたい」ということを思えたのは僕にとって大きかったと思います。やっぱり現場で影響を受けることが多いんです。現場に行く度に「やっぱり僕はこの仕事をやっていきたいな」と実感します。

大和孔太

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大和孔太
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