TS.MOROTARO「どこから見てもエンターテインメントに」ビリー fromビリケンの新たな挑戦
INTERVIEW

TS.MOROTARO「どこから見てもエンターテインメントに」ビリー fromビリケンの新たな挑戦


記者:編集部

撮影:

掲載:18年12月24日

読了時間:約13分

 今年メジャーデビュー15周年を迎えた音楽ユニット・ビリケンのビリーがソロプロジェクトTS.MOROTARO(タノシンデモロタロウ)として11月7日、「LOVE THE MOUNTAIN」と「モ・エーヨ ハヨセーヨ」のデビューシングル2曲を同時配信リリースした。「LOVE THE MOUNTAIN」は、TBSテレビのエンターテインメント情報番組『イベント GO!』オープニングテーマとしてオンエアされている楽曲。「世の中の人達にもっと楽しんでもらいたい!」というコンセプトで、ビリケンの音楽とは違ったサウンドに仕上がっている2曲。インタビュー前半ではビリーにデビューからの15年を振り返ってもらい、後半からは12月29日に東京・浅草ゴールドサウンズでおこなうワンマンライブ『ビリー(from ビリケン)VS TS.MOROTARO』を控えているビリーとTS.MOROTAROの2人に、このソロプロジェクトについて語ってもらった。【取材・撮影=村上順一】

15年を振り返って

TS.MOROTARO

――ビリーさんは今年デビュー15周年ですが、この15年を振り返っていかがでしたか?

 本当に人に支えられてきた、みんなの応援がなければ、2人ではやって来られなかった15年だと思います。自分たちでやっているというよりは、やらさせてもらっているという方が近いかも知れません。

――長く活動をされてきている方は、皆さん周りへの感謝が大きいですよね。

 若い頃は「自分イケてる」という感覚でも僕は良いかなと思います。お客さんもライブなど楽しみにされて来ているわけですし、自分も目一杯楽しむべきだと思います。その中で年齢とキャリアを重ねてくると、相手が鏡に見えてくることがあって、「こんな自分にもありがとう」という気持ちが出てくるんです。

――考え方も変わっていくわけですね。改めてビリケンサウンドを振り返ると、当時、フォークミュージックにラップを乗せるというのは斬新でした。あのスタイルはどのように生まれたのでしょうか。

 フォークソングとラップをくっつけたら面白いんじゃないかという発想はメンバー誰にもなかったです。僕が色んなフォークソングをカバーして歌っていたところに、ケンさんが相づちを入れたり、踊ったりしていて。ケンさんのルーツにはR&Bなどがあるので、それも自然なことでした。それが僕らは特別新しいことだとは思っていなくて。

――新しいことを試行錯誤していたわけではなかったんですね。結成されてからあっという間にメジャーデビューされて。

 あの時は上京して2年でデビュー出来たこともあって、「俺って持ってるんじゃないか」という感じはありました(笑)。

――この15年の中で悩みなどもあったと思うのですが、どんなことがありましたか。

 僕らの楽曲は名曲のリメイクが主だったこともあって、名曲に対するプレッシャーと言いますか、曲のファンの方たちを裏切ってはいけないという、悩みと言いますか…思いはありました。いつも「良かったら聴いて下さい」というスタンスでレコーディングもやらせて頂いていました。ご本人、オリジナルを超えることは無理なので、ケンさんがいて、僕の楽曲へのリスペクトがそこに込められていたら、良いのかなと思っていました。

――楽曲への愛がすごく感じられました。

 「なごり雪」では、作曲者である伊勢正三さんやイルカさんともステージでご一緒させて頂いて、伊勢さんから「これはビリケン の『なごり雪』だからドンドン歌って欲しい」と仰って頂いて。それからは季節関係なく「なごり雪」は歌わせて頂いていました。

――当時斬新なスタイルだったということもあり、シビアな意見もありましたか。

 ありました。でも、僕らはそれを逆手にとっていました。ケンさんはビリケンのラップはヒップホップのラップとはちょっと違うんだということを意識して作っていました。もう韻に囚われることなく作ってみようとか。

――ラップといったら韻というイメージもありますけど、そこは取っ払って。

 韻を踏まないというわけではないんですけどね。僕ら2人で発した時に面白くなればそれでオッケーなんです。リメイクに関してはアフターと言いますか、かぐや姫さんの「神田川」の世界観も僕らは経験したことがないことだったりするので、今の若者たちが行った時にどういう気持ちになるのかというのを、代弁しているかのような作品にしたという感じもあります。

――今と繋いだ曲になっているわけですね。

 そうです。伊勢さんからは当時は携帯電話がない中で、あの人に逢いたいとかラブソングを作っていたけど、現代では携帯があるから、それらを逆手にとって歌ってみて欲しいと仰って頂いた記憶もあります。なので、時代の変化をラップパートで取り入れたりしてました。

――15年前にはなかったものが今たくさんありますよね。

 本当にたくさんあります。僕がデビューさせていただいた時は、まだ、YouTubeもTwitterもまだなかったので、DVDを買って昔の映像を見たりしていました。

――現在ではビリケンとして、どのようなことを考えて活動していますか。

 時代のことも考えながら、楽曲を制作したりしていますけど、良い意味で当時から止まっているところもあると思います。もちろんヒットを出したいという思いもあるので、流行りの音楽なんかも意識はしたいですし、共感してもらってなんぼだと思っています。その止まっているところというのも、僕らのストロングポイントなんじゃないかなと思います。

――ちなみにミヤノさんというお名前から、なぜビリーさんという名称になったんですか。

 まずビリケンという神様が大阪の通天閣にいるんですけど、グループ名はそこからいただきました。最初は僕もビリケンのミヤノですと自己紹介していたんですけど、ケンさんはたまたまビリ“ケン”のケンと同じだったので、僕もビリーの方が良いんじゃないかということになりました(笑)。けっこうビリーとケンだからビリケンという名前になったと思われがちなんですけど、実は逆でして。表記の仕方にも変化があって、ミヤノタカヒロ(ビリー)からビリーミヤノになって、今のビリーだけになりました(笑)。

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