seven oops「3人でも格好良い作品と思って欲しい」NANAEが語る新たな挑戦
INTERVIEW

seven oops「3人でも格好良い作品と思って欲しい」NANAEが語る新たな挑戦


記者:小池直也

撮影:

掲載:18年11月30日

読了時間:約15分

3人でも格好良い作品ができたんだと思って欲しい

『songs for...』初回盤ジャケ写

――レコーディング期間はどれくらいでしたか。

 今回はとても短かったです。前まではありがたいことにすごく期間をかけて作ってきました。6月くらいにアルバム出す話になって、レコーディングは8月の1カ月間。1カ月まるまる制作できるわけではないので、トータルしたら2週間くらいですかね。曲もまだできていないのもたくさんありましたし。なんなら冒頭でお話した「東京」なんてレコーディング終わるくらいまでできていなかったですから。アレンジもギリギリでしたね。

 MAIKOに関しては、ドラムなので一番最初に録音するんですけど「明日録ります」という曲が夜中の3時に送られてきて。そこから叩き込んで覚えて、次の日の朝に録って。その後また3時に来た曲を次の日の朝録る、みたいな。みんなで「うちらミュージシャンみたいだね」ってふざけるくらい、大変でした。短いなかでよくやったなと(笑)。

 大変だった分、想い入れも強いですし「青春Days」という曲なんかは、東京でライブがあった日にどうしても仕上げないと間に合わないということで、前日入りして仕事してその後の宿でKEITAと朝方まで曲作って、普通にライブするみたいな感じでした。眠たい目こすりながら作りましたね。

――「東京」は地名にイメージを膨らまされました。

 これもKEITAと「とにかく東京の知っている地名を書け!」と「築地!」「渋谷!」みたいな感じで当てはめていきました。「東京」は曲構成が難しすぎるんですよ。最初にできたデモを聴かせてもらったら、意味がわからなくて(笑)。聴き終わった時の第一声が「は?」だったんですよ。2カ月くらい意味が分からなくて。アレンジャーさんにも伝えるのが大変だったみたいですね。

 「とりあえず仮歌を入れたい」と言われたんですけど、理解してないから録れなかったんです。だからワンフレーズを何個も録音してそれをつなげて、ひとつにまとめたんですよ。つなぎ合わせたものを聴いて、この曲がどういうものなのかやっとわかって。だからこの曲はものすごく大変でしたね。曲自体はあったけど、でき上がったのは最後。

――キーボードも登場していましたが、編成が変わってサポートの方々との関わり方は変わりましたか?

 キーボードのおーちゃん(大坂孝之介)さんは、デビューしてからずっとサポートで弾いてくれている方なので、メンバーと同じくらいの存在です。バンマスみたいな感じでいつも細かい所まで色々教えてくれた人なんです。今回彼にソロを弾いてもらった「モノポリー」という曲に関しては、歌詞もアレンジもエッジが効いたものなので、それをどこかで和らげたいという思いがKEITAにあったみたいです。みんなのソロは、その前の「想いを形にしてよ!」という歌詞に対する応答なんですよ。そこでワイワイしてる感じ。そこにMICHIRUの声が入ってるんです(笑)。「行くぜ!」みたいな声が。そこでファンの人も喜んでくれてましたし。あそこは大事な場面ですね。

 ギターを弾いてくれているのはアルバムのアレンジもしていただいた鈴木俊介さんです。でも私的に抵抗はありませんね。seven oopsの曲をより良くしてくれるために弾いてくれているので、ありがたいです。必要なものは惜しまず取り込んでいきたいと思っています。単純にめちゃめちゃ上手いんですよ(笑)。「みっちーより上手いな!」と冗談で話しています。まあ、彼の師匠ですからね。俊介さんは沖縄の方ではないんですけど、沖縄と東京を行き来されているんですよ。三線も弾けてマルチなんです。アコースティック編成の時は、KEITAがギターを弾かないといけないので教わっているみたいですよ。本当にお世話になってますね。

――音源がリリースされていかがですか?

 本当にお待たせしました、という想いですね。フルアルバムを出すのが約2年ぶりくらいなので。秋のツアーは『seven oops Acoustic Tour -NEW! NEW! NEW!-』というタイトルで、新作の曲を披露してきました。でもそれはアコースティックバージョンですし、音源をお客さんも聴いてない状態じゃないですか。ようやくちゃんとした形で聴いてもらえるというのはすごく嬉しいです。

 ポジティブな意味のドキドキはありますよ。どういう風に思ってくれるのかな、と。もちろん私たちも変わらないところもあれば、進化していくところもあります。「seven oopsは3人になって元気なくなったよね」という風には絶対思われたくないので。3人でもこんなに格好良いアルバムできたんだなと全ての人に思って欲しいんです。

 すでに「ゲットしました」という言葉もたくさんもらいました。ファンの方のTwitterを見ていて多かったのが「曲によって雰囲気が違う」という意見。これは嬉しかったですね。ケンカしながら頑張った甲斐がありました(笑)。

――エゴサーチは結構するタイプ?

 今回に関してはめちゃくちゃしてますね。普段はしないようにしているというか、そこまでエゴサーチはしないんですけど。今までのリリースで一番してると思います。気になります。あと高い年齢層の方から、今回のアルバムは評価してもらえているような気がします。「懐かしい感じがする」とか。「アルバム通して聴きたくなる」という意見もとっても嬉しいです。今作はコンセプトがしっかりしているので、通して聴いてもらいたいですね。これからもエゴサしていきます(笑)。

――ツアー『seven oops LIVE TOUR 2019 -lives for you!!-』も控えていますね。

 5カ所まわらせていただきます。これも面白くて、東京から始まって沖縄でおわる日程なんですよ。狙ったわけではないんですけど、結果的に作品とリンクした感じです。2018年のツアーは2回ともアコースティックだったので、ファンの方からも「そろそろバンドが聴きたい」と意見を頂いていたんです。

 私たち自身もそろそろやりたいよね、と。もうこの年明けのワンマンツアーはめちゃくちゃ爆発すると思います。リハーサルはまだ始まっていないんですけど、今からめっちゃ楽しみです。「夏のロマンティカ」を歌いたくてたまらないですよ。基本的な編成はメンバー3人と、ギター、キーボードかなと考えています。もしかしたら三線も入るかもしれません。

――新体制になって1年が経とうとしていますが、今後やりたいことはありますか?

 今のところKEITAはちょっと脱力で「しばらくは作りたくない」と言ってました(笑)。今はインプットの期間で、コンスタントに作っているわけではないんですけど、とりあえずこのツアーを全力でやりたいです。その後に制作もしたいですし、発信していきたいと思っています。私自身の作曲もしていきたいですね。KEITAに頼るだけじゃなくて、また新しいseven oopsを見てもらえたらないいなと。47都道府県ツアーとかもまだやったことがないですし、それも夢です。

(おわり)

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