JUONの考えに迫る「自分の歌とギターを表現したい」文脈にあるEDMとロック
INTERVIEW

JUONの考えに迫る「自分の歌とギターを表現したい」文脈にあるEDMとロック


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年11月06日

読了時間:約15分

音楽活動の原体験は少年の頃、いじめが原動力

――ファーストでは、希望と若い頃の疎外感を曲にしたためたという話を聞きましたが。

 疎外感というか、「BREAK MY SKY」と「NO ONE IS ALONE」が対比してちょっと同じ空気感があって。実は、小学校5、6年から中学校までいじめに遭って。主に女性からのいじめでしたが、それが半端じゃなくて…そういうなかで味方はギターしかなくて。でも友達は大好きで。

 どんなに嫌われたとしても自分は絶対に相手のことを嫌いになっちゃいけないとずっと思っていたんです。僕がいじめられて嫌いになったら、基本的に生きててつまらないし、どんどん自分が病んでいくというのは、あっちの思うツボなんじゃないかなと思ったりして。髪が長かったので「不潔」って言われていたんですけど、なんと言われても絶対切らなかったんです。先生に「何で切らないんだ?」と言われても、親がミュージシャンだったから「いや、親の都合で」って。そうしたなかで、ギターや歌をやっていたら友達の中にも「ギターをやりたい」という人が増えてきて、当時はGLAYさんやB'zさんを聞いていて、それでギターを通して友達がだんだんとできていって。

 今だから言えますが、綺麗に絵に描いたような幸せな家庭とかではなかったので、一人でいなきゃいけないときとか、自分でご飯を作ったりとか、そういうことを多々やっていたので、ギターを通して友達ができたことによって、自分が一人じゃないなという気持ちになれたというのがあったんです。誰も一人じゃない、という。「僕がいるし、大切な人は側に絶対いる」という気持ちを込めたのが「NO ONE IS ALONE」です。

 いじめというか、仲間はずれにされていたものが今ではそういう風に思っている人たち、経験をしたことがある人たちの背中を押してあげられるような言葉を自分が書いてそういう曲を自分が歌えることが自分がやれることなんだなと思ったんです。

――今の音楽の原動力もそのときの気持ちがベースになっているのでしょうか?

 完全にありますね。消したくても消せないし、今では消したら自分が崩れちゃうかもしれないですね。辛いことを全てプラスにして生きて行くしかなかったという感じ。

――今作の収録曲の曲順は絶妙ですね。

 絶妙ですよね! 10曲というのも始めから決めてやっていたんです。

――1曲の時間もある程度決めていたのでしょうか?

 プロデューサーなどと色々話していて、一応3分半くらいから4分いかないくらいの曲を作ろうと思ってました。

――それは時代に合わせてでしょうか?

 時代というか、けっこうダンスミュージックで流れている音楽ってそんなに長ったらしく作っていなくて。ライブでは逆に延ばせたりするし。これは良い意味でサラっと聴けるというか、何度も聴きたくなるようなアルバムというのを通り過ぎてくれて、自分が「あっ」っと思ったところにちゃんとフィットしてくれるという。

――イントロで引き込まれるところがあります。

 やっぱりイントロって始まりだから、第一印象みたいなもので、初めて会っていいと思うか悪いと思うか、人間のはじめましてと似ているくらい大切な部分だと思ってます。

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