自分から出てきたものが誰かの心に届く、小西真奈美 音楽に感じる魅力
INTERVIEW

自分から出てきたものが誰かの心に届く、小西真奈美 音楽に感じる魅力


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年10月28日

読了時間:約13分

人間味みたいなものをイメージ

『Here We Go』通常盤

――『Here We Go』というアルバムタイトルは、どう決まったのでしょう?

 リード曲のタイトルをそのままタイトルにしようと思っていて。それに「いくぜ!」感がある言葉なので、1stアルバムのタイトルにはいいんじゃないかと思って。

――そのリード曲「Here We Go」は、どういう風にできていったのですか?

 アルバムのなかでは珍しく、トラック先行でできた曲です。大体はまず私が作詞作曲して、トラックのイメージをお伝えして作ってもらうことが多いんですけど。逆もやってみたいと思って、KREVAさんが作ったトラックを頂いて、そこからインスパイアを受けて詞やメロディを作っていきました。最初にトラックを聴いたらサビのメロディと歌詞が、バッと出てきて。じゃあラップパートは、それに沿ったものにしようと思って、フロウ込みで作っていった感じです。

――また「Change My mind」という曲には、KREVAさんのラップも入っていて。どこか民族っぽいリフと、サビの高低差のあるメロディやラップのフロウが独特ですね。

 この曲はサビからだったんですけど、メロディやラップのフロウは自分で考えて、KREVAさんがラップしているところ以外を全部録ったデモをお送りして、ここにラップを入れて欲しい、サウンドはこういう感じがいいとお伝えしてトラックを作って頂きました。

――デモは、小西さんがご自宅で?

 はい。

――ご自宅に宅録できる録音機材が、揃っているんですね。あまりそういうイメージがなかったので、すごく意外です。

 きっとそうでしょうね(笑)。今はパソコン1台あればできてしまいますから、自宅スタジオと呼べるようなレベルではないですけど、スピーカーとかマイクとか。

――そういう機材は、今回アルバム制作のために本格的に揃えていった?

 作詞作曲を始めたことから少しずつですけど、曲ができる度にいろんなものが欲しくなって、マイクを買い、スピーカーを買い、ヘッドフォンを買い、どんどん買い足しながら、徐々にグレードを上げていった感じです。

――完全にハマったわけですね。

 そういうことですね。スタジオほど大きなものは置けないけど、でも「このリズムマシーンは欲しいな。これならいけるかな」って、「えい! 買っちゃえ!」みたいな(笑)。マイクとか、あまり増やしすぎないようにと思いつつも、気づけば増えています。

――曲を作るときに、意識することは何ですか? これはやらないようにしようとか、必ずこれは心がけようというものはありますか?

 聴いている人が嫌な気持ちになるものは、作るつもりがないので…。たとえば何かをすごくディスるとか、そういうものは出てこないと思うけど、自分がやることではないと思っています。そもそも私の中に、あまり何かをディスるという感覚がないし、それをやりたい方にお任せすればいいと思うので。

 心がけるのは、1曲の中にいろんな面があったらいいなと思っています。すごくハッピーとか上手くいってそうな歌詞でも、どこかにちょっと欠けている部分だったり、切なさや痛みを入れる。もしくは、曲全体が切なくても最後に希望を感じさせる。そういう多面的なところが感じられる部分があるといいな、と。絶対にそうしようということではないですけど、何となく思っています。

――1曲のなかにドラマがあるみたいな。

 人間ってすごく明るい人でも穏やかな人でも、どこかに何か少し違う面を持っているもので、逆に今は暗かったりイライラしている人でも、その奥にはすごくいい面を持っていたりとか。そういう人間味みたいなことを、イメージしているところはあるかもしれません。

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