11年目に突入した男装グループの風男塾が9月24日、東京・日比谷野外大音楽堂でワンマンライブ『FUDAN10KU LIVE 10th ANNIVERSARY FINAL~風歌番付~』をおこなった。『10th ANNIVERSARY TOUR』のラストを飾るのは、第3回となる「風歌番付」。風男塾の歴代全曲から好きな曲に投票し、その結果によりライブのセットリストが決定するというもの。男装した女性ミュージシャンをバックバンドに生演奏に乗ってパフォーマンス。予想外の番狂わせとも言えるランキングで、メドレー含む全33曲を熱演。11年目のスタートを華々しく切った。【取材=村上順一】

番狂わせのランキング!?

風男塾

 この日は少し夏が戻ってきたかのような気候のなか、多くのファンが10周年のファイナルとなる野音へ集結。ステージにはバンドセットも組まれ、巨大なスクリーンがステージ後方の中央に設置。これから始まるライブへの期待感が高まる中、開演時刻になるとスクリーンにメンバーのインタビュー映像が投影。「自身にとって風男塾とは?」という質問に各々が応えていく。そして、遂に『風歌番付2018』が開幕。30位にランキングした「人生わははっ!」のイントロに乗って6人がステージに登場。笑顔にさせてくれる、幕開けに相応しい楽曲でスタート。

 続いて25位には5曲が同率でランクイン。愛刃 健水が加入した時のナンバー「風一揆」を皮切りに最新シングルの「君色々移り」や「証-soul mate-」などメドレーで一気に披露。野音のテンションはどんどん上がっていく。続いて24位の「六常の風器」ではメンバーが各々“風器”と呼ばれる武器を手にパフォーマンス。後方のスクリーンには風器の細かい設定も投影。力強いナンバーで魅了した。

 「新たなる幕開けのための幕開けによる狂詩曲~キミがいればオレたちも笑顔∞~」では、花道を通ってセンターステージでパフォーマンス。そして、ランキング発表のときに一際大きな歓声が上がっていたのが印象的だった、藤守 怜生が加入しリリースされたシングル「NOIR~ノワール~」。瀬斗 光黄が愛刃 健水を後ろから抱きしめるというエンディング。

 真咲のバイオリンによる美しい旋律から「もしも これが恋なら」へ。ビートが効きながらもストリングスがフィーチャーされた壮大なナンバーで感情を揺さぶりかけ、ちびまる子ちゃん with 爆チュー問題のカバーで「アララの呪文」や、力強い歌声が響き渡った「棚田米」、さらに「みんな一緒に歌って下さい」と届けた「絆」では多幸感に満ちた空間を作り上げた。

 再びインタビューVTRから12位にランキングした4曲と11位の曲を立て続けに披露。ハットを使った振り付けで魅了した「野良猫マリア」から、そのハットを投げ捨てアクティブなダンスでクールに決めた「Galileo~プロキオンを越えて~」、さらにメンバーの掲げた腕が勇ましさを感じさせた「希望の夕陽が燃えている」では、オーディエンスのシンガロングによってライブの一体感は更に高まっていった。

 前回1位だった「六常の風器」が既に出てしまったことなど、番狂わせといったランキングに驚きを隠せないメンバー。ランキングも残すところ10曲。10位は「太陽みたいなキミが好き」。歌詞の<ただただキミが好きだ♪>と声を張り上げ熱く歌い上げると、盛り上がり必至のハードチューン「瞬間到来フューチャー」へ。来音のアクロバットもバッチリ決まり、オーディエンスもヒートアップ。8位の「キラッとL☆VE」のエンディングでは健水が光黄の手の甲にキス。歌詞にも出てくるようなロミオとジュリエットを彷彿させた演出に歓声。そして、健水と来音の2人でとびきりクールなナンバー「Fighting Man」を健水の実妹が在籍するダンス・ボーカルユニットxD(クロスディー)と共にパフォーマンス。鋭いダンスと歌の相乗効果で会場は大いに盛り上がった。

 久しぶりの披露になったという「NOIR~ノワール~」のカップリング曲「ロンリーオンリーハート」を光黄、怜生、真咲、宙の4人で届け、マイクスタンド使って歌唱した「同じ時代に生まれた若者たち」では、スクリーンに歌詞が投影され、生きるというメッセージを噛みしめるように力強く放っていたのが印象的だった。

 MCでは先ほど披露した7位にランクインした「Fighting Man」について語る。健水は「全国ツアーでも披露しましたが、皆さんが投票してくれたおかげでまた踊ることが出来ました」と感謝。そして、感極まり涙を流す来音は「(野音の舞台で2人で踊る)夢を叶えてくれてありがとうございました」と、健水に耳打ち。健水が来音の代わりにオーディエンスに伝える場面も。

 さらに光黄が「この曲は(赤園)虎次郎君と健水君、来音の3人の曲だったけど、虎次郎君が卒業して来音の歌うパートがより多くなって、本当に『Fighting Man』を出した当時の来音とは別人のように成長しているのが自分たちでもわかりました。健水君の力強い歌声と、来音の明るく照らすような歌声が聴こえてきて、自分たちも感動しました」と成長ぶりに喜びの声をあげた。

これからも一緒に証を作っていきましょう!

風男塾

 遂にランキングは佳境に突入。3位にランクインしたのは「With You」。12人のバックダンサーと共にパフォーマンス。<笑顔を繋げ Keep on smiling♪>と明るい気持ちにさせてくれるナンバーで扇情させる。2位は光黄のソロによるバラードナンバー「紙ヒコーキ」。センターステージで黄色のペンライトで客席が埋め尽くされるなか、しっとりと情感を込めた歌声を会場の隅々まで届けていく。

 堂々の1位は「君色々移り」のカップリング「Welcome to my familia」。ハードなギターリフがテンション上げ、畳み掛けるリリックがアグレッシブに我々を扇情しボルテージは最高潮。健水はこの『風歌番付』について「素敵な楽曲があるから俺たちも素敵なステージを作っていけるんだなと思っております。この素敵な曲たちを持ってこれからも沢山の人達を幸せにしていきたいと思いますので、応援宜しくお願い致します」と言葉を残し、メンバーはステージを後にした。

 アンコールの声に応え再びステージに、初期の衣装に着替えた6人が登場。10月10日にリリースされるニューアルバム『風ァイト!!!!!!』から「最高シャウト!」を披露。躍動するビートに合わせ手を掲げ盛り上がる。メンバーは歌唱しながらセンターステージに移動すると、健水のダンスに触発され真咲も踊り出す。それを見て爆笑する怜生。メンバーそれぞれが楽しんでいる様子が垣間見れた。

 パフォーマンス終了後、プロデューサーであるお笑い芸人のはなわが応援に駆けつけた。「この6人の風男塾も最高でした! 初期のメンバーが卒業してしまったら、この風男塾も終わってしまうのかなと思ったこともありました。でも、タスキを繋いでいって、風男塾はどんどん素晴らしくなって完璧なステージを作り上げてくれました。本当に感動しました」とコメント。過去のメンバーたちの映像とともに「勝つんだ!」と「男坂」を届けた。ネクストステップに向けてパワフルに歌い上げ、ライブは大団円を迎えた。

 光黄は「沢山の楽曲があって、みなさんに愛されて、ここまで繋いできてくれた過去のメンバーさんのおかげで11年目が迎えられるんだなと改めて思います。次のステージも発表されてワクワクしています! みんなのことを愛しているぜ! これからも一緒に証を作っていきましょう!」と感謝を告げ、『FUDAN10KU LIVE 10th ANNIVERSARY FINAL~風歌番付~』の幕は閉じた。

セットリスト

01.人生わははっ!
02.風一揆~君色々移り~風に乗って~証-soul mate-~信じてゆけ
03.六常の風器~新たなる幕開けのための幕開けによる狂詩曲~キミがいればオレたちも笑顔∞~~NOIR~ノワール~~しあわせとんぼ
04.もしも これが恋なら~いい男~アララの呪文~棚田米~絆
05.野良猫マリア
06.Galileo~プロキオンを越えて~
07.雨ときどき晴れのち虹
08.希望の夕陽が燃えている
09.イノセント・ラバー
10.太陽みたいなキミが好き
11.瞬間到来フューチャー
12.キラッとL☆VE
13.Fighting Man
14.ロンリーオンリーハート
15.同じ時代に生まれた若者たち
16.七色の鳥
17.With You
18.紙ヒコーキ
19.Welcome to my familia

ENCORE

EN1.最高シャウト!
EN2.勝つんだ!~男坂

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