今を一生懸命歩いていく、Sonar Pocket 10年積み上げて来たもの
INTERVIEW

今を一生懸命歩いていく、Sonar Pocket 10年積み上げて来たもの


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年10月07日

読了時間:約17分

メンバーのことも歌っている「君の名前」

ko-dai(撮影=冨田味我)

──「君の名前」は先行シングルとしてリリースされ、MVも制作されました。居酒屋の塚田農場で撮影されていますが、ここに思い入れがあるのでしょうか?

ko-dai 皆さんが知っている場所にしたいというのがありました。

──ko-daiさんは役者として出演されていますが、いかがでした?

ko-dai 演技のレッスンを2年半前からやっているので抵抗も全くないですし、準備をしてきているので気負うこともなく出来ました。原案を考えてMVでどういったことを伝えていくのかなど、すごく考えるようになって。というのも「一生一瞬」から演出補佐として入らせてもらうようになってMVも曲とは違う一つの作品だという思いが強くなりました。それもあって前に触れている分、携わりたいという思いで今回も作りました。

──お2人はko-daiさんの演技をみて、どのような感想をお持ちですか。

matty 安心して見ていられます。レッスンに通って、陰ながら努力していたのも知っていたので、早く花が開いて欲しいなというのがありました。こうやって形になって嬉しかったですね。

──お2人がko-daiさんのように演技される展望は?

eyeron 普通にMVには出演しますけど、ああいった形では僕は考えてないです。

ko-dai レッスン、自腹で通っているので(笑)。

──演技が音楽に活かされている部分も?

ko-dai 今までSonar Pocketのko-daiとしてしか生きてきていなかったということもあり、固まっていたものがありました。笑顔とかすごく苦手だったんです。デビューした時とかもほとんど笑顔がなくて…。感情を放つ、自分の殻を脱いでいくというものが役者だと思っているので、時間を重ねるなかで笑えるようになって表情は豊かになったと思います。

matty プライベートでは笑っていましたけど、仕事のときはほとんど見たことなかったんです。ロボットみたいだった(笑)。

──過去の写真で笑顔のものは貴重なんですね。

eyeron 最近はあると思うんですけど、昔のではほぼないと思いますよ。

ko-dai それくらい笑顔がなかったんです。ライブに関してもいろんなところでそれが活きているなと感じます。あと、MVで演技するということに関してはセリフがないので割と簡単なんです。エチュードと言って即興でやっているんですけど、だからこそ見せ方が難しいという一面もあります。それもあって編集まで同行して表情など細かくチェックして。

──編集まで同行されるアーティストはなかなかいませんよね。

ko-dai あまりいないと思います。「やばば」の編集にも立ち会って時間を掛けました。

──こだわりを感じます。さて、「君の名前」の歌詞もグッと来るものがあります。この歌詞を見たときどう思いましたか。

eyeron 10年以上Sonar Pocketをやってきて、メンバーのことも歌っているような楽曲だなと思いました。2人の名前を呼んでいることも多いですから。あと、育ててもらった両親への思いも感じました。それもあって10周年、30枚目のシングルとして相応しい楽曲が出来たなと思います。それに応えたいという思いが歌詞を読んで生まれました。

──歌ってみるとまた新たな感情が生まれてきそうですよね。

eyeron 歌いこんでいくと変わっていきます。最初に歌ったときには自分の表現が辿り着いてなくて、レコーディング本番までにそこに合わせていくんです。今まで以上にこんなに楽曲に向き合ってしっかり録っていったのは、これも新たな挑戦かもしれないです。

──レコーディングのエピソードもお聞きしたいのですが、アルバム収録曲のなかで印象に残っている曲はありますか。

eyeron 僕は「一生一瞬」です。ko-daiが復活してのシングルで、入院中に書いた歌詞ということもあって、それを歌う、言霊を吹き込んでいくというのは目に見えないものだし、歌心と気持ちを合わせるのに慎重に歌わせてもらいました。あと、基本ko-daiからレコーディグしていくんですけど、ブースの中が真っ暗なんですよ。それで僕はブースを明るくして歌うので、また趣が変わるんです。そこは面白いところでもあるかもしれないですね。

──ko-daiさんはどんな曲でも真っ暗な中で歌うんですか。

ko-dai いえ、明るい曲では明るくして、バラード系は暗くすることが多いですね。僕が印象に残っているのは「flower」です。コーラスでJUJUさんや平井堅さんのツアーにも参加しているオリビア・バレルさんという外国人の方に入ってもらってゴスペルっぽくして頂いきました。レコーディングが終わったときに声で曲がすごく変わったなと感じました。「flower」に関しては本当に感謝の気持ちが詰まった楽曲なので、すごく想いが乗って録れたというのも自分たちの中ではあります。そこにオリビアさんの声が入って、僕らの声の響きもより変わってくる、声が楽器にもなるというのも感じたこともあり印象的でした。

──「flower」の歌詞はファンの方へ向けて?

ko-dai そうです。応援してくれているみんなへの感謝の気持ちが強く出ています。10年間携わってきてくれた人たちへの「ありがとう」が込められています。

──この10年間の感謝が詰まっているわけですね。mattyさんのレコーディングはいかがだったのでしょうか。

matty 僕は「恋運命」です。ko-daiが作った曲なんですけど、デモの段階からライブが見えたんです。サウンド的にもここまでスパニッシュ直球な感じは今までのSonar Pocketにはなかった曲調で。テンションも上がるし、レコーディングしている時からすごく良いものが出来ている感覚があって。多分この曲って今回のツアーだけではなくて今後もやっていくんじゃないかなという予感がしています。

──過去にもそういった予感を感じさせた曲はあったのでしょうか。

matty 今では定番となっている曲で「ソナポケディスコ」がそうです。インディーズの頃からずっとやり続けているんですけど、デビュー当時に「10年後もやっていたら面白いよね」と話していたら実際今でもやっているので、勘といいますか、何となくそれを感じさせる曲って長続きしている節はあります。

──またこうやって口に出すと言霊みたいな感じで、そうなっていくこともありますよね。

matty そうですね。過去にko-daiが良いことを言っていて、「叶」という漢字は「口」に「十」と書くじゃないですか。実現させたいことを10回言うと叶うと話してくれて。まさにそういうこともあると思います。この「恋運命」も10年後も歌っている可能性もありますね。

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