藤原さくら、松田颯水、ホラン千秋、水樹奈々、小林星蘭、鈴木杏樹、令丈ヒロ子さん、高坂希太郎監督

 劇場版『若おかみは小学生!』が公開初日を迎えた21日、都内で舞台挨拶がおこなわれ、主人公の関織子役を務めた小林星蘭、水樹奈々、松田颯水、鈴木杏樹、ホラン千秋の声優キャスト陣、主題歌「また明日」を手がけた藤原さくら、原作者の令丈ヒロ子さん、高坂希太郎監督が登壇した。水樹は劇中で小学6年生の声を演じたが、当初は「私が小学生役で、大丈夫なのか!?」と不安を持っていたことを明かした。また劇場版主題歌を書き下ろした藤原は絵コンテの段階で感動し、そこから楽曲を作っていった語った。

藤原さくら、松田颯水、ホラン千秋、水樹奈々、小林星蘭、鈴木杏樹、令丈ヒロ子さん、高坂希太郎監督

 同作は、『講談社青い鳥文庫』で累計発行部数300万部を誇る人気シリーズ「若おかみは小学生!」(原作=令丈ヒロ子さん、絵=亜沙美さん)の劇場版。『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』等、数多くのスタジオジブリ映画の作画監督でも知られる高坂希太郎監督が劇場公開作では15年ぶりに監督を務めた。

小林星蘭

 劇中の“おっこさ”ながらの着物衣装で登壇した小林は「小林星蘭です、あっ! “おっこ”です!(笑)」と慌てて役名に言い換えて挨拶。もともと原作の大ファンだったといい「オーディションの結果をドキドキして待っていて、受かった時は本当に本当に嬉しくて泣いてしまいました!」と振り返り、改めて喜びを噛みしめいた。

水樹奈々

 小林に続き、「あなた、若おかみじゃなくてバカおかみなの!?」と劇中のセリフで挨拶したのは、おっこのライバル旅館のあととり娘、真月役を務めた水樹奈々。おっこの同級生として小学6年生の真月を演じた水樹は、この日の衣装も真月に合わせたワンピース姿で登場。

 オーディションの時は不安を感じていたそうで、「正直最初は『私が小学生役で、大丈夫なのか!?』と感じていました。しかも現場で星蘭ちゃんに会って、ますます『本当に私で大丈夫なのか?! 星蘭ちゃんごめんなさい!』と思いました(笑)」と振り返った。

 だが、小林の堂々たる座長ぶりに、「星蘭ちゃんはたくましくて、アニメ版から周りの皆をぐいぐい引っ張ってくれていて、安心感がありました。二人のシーンでは、ノリや感情のままにお互いが役に入っていたら、自然と出てきちゃった感じ、ほとんど打合せはしていなかったんです。でも、良い空気感で、一発OKがほとんどでした」と振り返り、小林の魅力を力説。

松田颯水

 さらに、小林や水樹とともにテレビシリーズからおっこを支える旅館に住みつくユーレイ・ウリ坊役を務めた松田颯水も「収録時にウリ坊の声を聞いてたのは、多分星蘭さんだけなんです。他のキャストの方々は聞こえてなくて。なので、本当におっことウリ坊だけで会話している気分で楽しかったです。私と星蘭さんもほとんど出たとこ勝負でしたが(笑)、私たちも良い空気感が出せてたら嬉しいな」と振り返った。

鈴木杏樹

 一方、劇場版のゲスト声優として参加したのは鈴木杏樹とホラン千秋。今回、声優初挑戦となる2人だが、鈴木はおっこの母・関咲子役を、ホランは原作でも人気の高い占い師の客、グローリー・水領役を熱演。アフレコはそれぞれ1人で収録したとのことで、鈴木はこの日初めて会った小林に対し「おっこちゃんそっくり! 本当に可愛くて『おっこちゃんだ!』と思いました」と語った。

ホラン千秋

 続くホランも、「グローリーはおっこちゃんのお姉さん的な存在で、おっこちゃんから憧れてもらえる、スタイルも抜群の“イイ女”なんです」と役柄について解説した上で、「普段テレビのバラエティなどでは、結婚できない不幸せキャラとして呼ばれることが多いので、束の間のイイ女感を味わえました。星蘭ちゃんに引っ張ってもらいながらこんなにもイイ女を引き出してくれてありがとうございます!」と笑顔をのぞかせた。

藤原さくら

 本作の劇場版の主題歌を書き下ろした藤原さくらは、「作品が全部出来上がってる状態ではない絵コンテの段階で見させていただいて、涙が出るくらい感動してそこから曲を作っていきました。監督ともお話しさせていただいて、“優しさの連鎖”という言葉を仰られて。すごく素敵な言葉だなと。辛い過去がありながらも前向きに頑張るおっこちゃんと皆を、少しでも支えられるような曲になったらいいなという思いで作りました」と制作に込めた想いを明かした。

令丈ヒロ子さん、高坂希太郎監督

 キャスト・スタッフが一丸となり、約5年の歳月をかけてついに公開日を迎えた高坂監督は、喜びもひとしおのようで「長い闘いでした」としみじみ。原作者の令丈ヒロ子さんは「感動の嵐でした。最初にお話しいただけた時に、『本当に高坂監督に作っていただけるんですか?』と驚きました。吉田玲子さんの脚本も素晴らしくて。キャストの方々も素晴らしくて。元々自分が原作を書いたっていうのも忘れて、一人のお客さんとして観る度に泣けてしまうほどでした。監督、ありがとうございます!」と伝えられ、笑顔を浮かべた。

 その一方で「描いても描いても終わらないという…、最終的に描いた総数は5万4000枚に至りました。ただ、振り返ればもっとこうできたんじゃないか、という想いもちょっと残っています」と複雑な心境も同時に吐露していた。

小林星蘭、鈴木杏樹

 また、イベントの途中では、9月25日生まれの小林星蘭、23日生まれの鈴木杏樹、28日生まれのホラン千秋の誕生日が近いことから、劇中でおっこが客人の為に考案する“露天風呂プリン”がバースデーケーキの代わりに登場。巨大なプリンに場内からは拍手と驚きの声が漏れる中、小林らは笑顔で試食。さらに、高坂監督からサプライズで、徹夜で仕上げたという直筆の似顔絵がプレゼントされると、3人は大感激。「おっこちゃんみたいに描いていただいて、本当に嬉しいです! 一生のお宝にします!」と小林は目を輝かせていた。【撮影=冨田味我】

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