原因を自分に向けた時に殻を破れた、メロフロート 葛藤も音楽に
INTERVIEW

原因を自分に向けた時に殻を破れた、メロフロート 葛藤も音楽に


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年09月24日

読了時間:約15分

 関西出身2Vo+1DJ3人組ユニットのメロフロートが9月26日に、メジャー2枚目となるフルアルバム『ON THE ROAD 2』をリリース。昨年11月にリリースされ、アニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』EDテーマとなった6枚目のシングル「僕は走り続ける」や7月にリリースされた、敬愛するFUNKY MONKEY BABYSのカバー「悲しみなんて笑い飛ばせ」などを含む全10曲を収録。新曲の「NEVER GIVE UP!!」は、Yu-Kiの活動についての葛藤から生まれたと言い、頑張っている人たちの背中を押してくれるパワフルな1曲に仕上がった。その葛藤について聞くとともに、新たな作曲家も投入しカラフルな曲が揃った今作について話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

原因は自分自身にある

Yu-Ki

――アルバム1曲目を飾る「NEVER GIVE UP!!」はYu-Kiさんの弱い心を映し出した歌詞だとおっしゃっていますが、それはどんな心情だったのでしょうか。

Yu-Ki 事務所が毎年やっているイベント『下剋上ライブ』というのがあって、それが所属アーティストでCDの売上枚数や人気投票などで競うイベントなんです。そのタイミングで色々と考えてしまうことがあって…。今やっていることは正しいことなのかとか、上に行くために出来ることは何だろうということを考えていました。音楽に対して自信がなくなるとかではなく、今までやってきたことを否定しそうになってしまって。でも、自分の中で成し遂げられてないことが沢山あるなと感じて、気持ちを立て直すことが出来ました。目の前の現実から目を伏せたくなる瞬間って誰にでもあると思うんです。

――ありますね。

Yu-Ki 逃げ出しそうになってしまうんですけど、それは自分の心が弱いからそうなってしまうんだと思いました。でも、普通の人だったらそこに目を伏せるのはアカンことやと思うんです。それも含めた上で書いたのが「NEVER GIVE UP!!」です。諦めるという選択も間違ってはいないと思います。そうなった時に今までやってきたことがやり切れたかどうか、新しい道を選ぶのなら、それに対してやりきれるのかどうか、そこに対しての「NEVER GIVE UP!!」なんです。

――KENTさんも現実から目を背けたくなる瞬間はありますか。

KENT もちろんあります。メロフロートとしての活動がこうやって仕事になって思うことがありました。自分が思い描いていた理想と違ったりした時に、「もうアカンちゃうかな」とか考えてしまいますから。

――皆さんと同じ20代半ばの人たちは、特にその選択を強いられている人が多いと感じます。

Yu-Ki この曲はめちゃくちゃ良い言葉選びが出来たなと自分でも思っています。基本的に原因は自分自身にあると思うんです。自分の環境を変えられてないのは自分の実力だったり、努力がちょっと足りなかったんじゃないかなと。誰かのせいにするのは簡単なんです。でも、原因の矛先を自分に向けたときに僕は殻を破れました。

DJ KAZUMA 否定するのは本当に簡単で、誰しもがやりがちだと思うんですけど、僕は、マイナスになりそうな企画であったとしても、良いところをまず探すことを心掛けています。この世界に入ったのも自分だし、発信しているのも自分だから、。受け取るならプラスで受け取りたいんです。もちろん否定してまう時もありますけどね。

――KAZUMAさん強いですね。この歌は厳しいようで優しい歌だとYu-KiさんがSNSで書いていたのが印象的でした。<まだやれるだろ 奮い立たせろ>という歌詞がそれを象徴していて。

Yu-Ki この部分は聴く人の捉え方によって変わると思うんです。それが新しいことに対してなのか、今自分が向き合っていることに対して奮い立たせろなのか。その人がどれを選択したかによって感じ方が変わるんだろうなと。

――捉え方が変化する歌詞いいですね。さて、今回楽曲制作やレコーディングはスムーズでしたか。

Yu-Ki 僕は結構苦労しました。書いていた曲が期限に間に合わなくて一回見送りましたから。

――「いっちゃん好きやねん」はYu-Kiさんの作詞作曲です。初めての作曲みたいですが、この曲が見送られた曲?

Yu-Ki そうです。決めていた期限までに出来なかったのは、期待に応えたいというのが強くありました。せっかくこんなチャンスを頂けたので、みんなの目に留まる作品にしたいなと。そのなかで自分たちは関西を拠点に活動しているので、関西弁を使って曲を書きたいなと思いました。

――Yu-Kiさんは兵庫出身で、KENTさんとKAZUMAさんは京都出身ですが、関西弁と一口で言っても違いはありますよね。

Yu-Ki 京都は大阪とはちょっと違いますね。兵庫は県の中でも分かれるんですけど、僕は尼崎方面なので大阪に近い関西弁ですね。でも、場所もですけど年齢で違うということもあるかもしれないですね。年配の人ほどコテコテですよ(笑)。

――世代によっても関西弁が変わるんですね。KENTさんはこの曲を歌ってみていかがでした?

KENT 京都とはちょっと違うのでコテコテの関西弁で面白いですね。この曲を歌うときはより自分を関西色に染めてもらえる1曲でもあります(笑)。

――歌詞でお気に入りのフレーズは?

Yu-Ki いっぱいあるんですよね…。みんなの耳に残って欲しいフレーズはサビ頭の<いっちゃん いっちゃん 好きやねん お前がおらな 俺あかんねん>です。ここはライブでみんなで歌いたいポイントでもあります。2回目の<いっちゃん>のところは名前に変えてアレンジしても良いなと思っています。

――<オチも無い話下手でも>のところは関西の人ならではという感じもあっていいですね。

Yu-Ki オチがなくても落ち着くよということで、次の<落ち着くねん>に掛かっていて僕も気に入っています。

DJ KAZUMA この曲をライブで初披露した時に<I think you're the one.>を、英語がわかる人が聴いてくれて、この曲にこの言葉を入れているのがすごいという声があったんです。関西弁の歌詞ではあるんですけど、このワンポイントにこの言葉が入って外国人の方にも良い曲なんだなと思ってもらえる入り口にもなったのかなと。英語を歌詞に入れたのも久しぶりなんじゃないかな?

Yu-Ki 確かにそうかもしれない。

KENT そこの部分、Yu-Kiはレコーディングでも発音で苦戦してましたから。

Yu-Ki しっかりとした発音が良いという意見があって、何回も録りましたね。僕はそんなに本格的じゃなくても良いんじゃないかなと思ったんですけど(笑)。

DJ KAZUMA そのワンポイントに反応があったので、Yu-Kiの言葉選びに僕は感動しました。

Yu-Ki 締め切りに間に合わなくて皆に迷惑かけたんですけど、結果的に良い曲だと言ってもらえて本当に良かったです。

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