停滞するのだけは阻止したい、PassCode 今を突き進む攻めの姿勢
INTERVIEW

停滞するのだけは阻止したい、PassCode 今を突き進む攻めの姿勢


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年09月15日

読了時間:約15分

 4人組ラウドロック・アイドルのPassCodeが12日、メジャー4枚目となる両A面シングル「Tonight/Taking you out」をリリース。8月には『SUMMER SONIC 2018』にも出演、SNSでトレンド入りするなど注目を浴びた。前作「Ray」から新たな作詞家を起用し、楽曲の幅を広げた。今作も同様に「Tonight」はバラードを彷彿とさせる導入部分からスピーディーなロックに切り替わるナンバーで、「Taking you out」は今田夢菜のシャウトをフィーチャーしたPassCodeの中でも1、2を争うラウドナンバーに仕上がった。今作では英詞の発音にも今まで以上にこだわったというレコーディングについてや、今後チャレンジしてみたいことなど「停滞だけはしたくない、今を突き進みたい」と話す高嶋 楓と大上陽奈子の2人に話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

英語の発音にこだわった「Tonight」

高嶋 楓(撮影=村上順一)

――今年はすごい猛暑で大変だったと思うのですが、『SUMMER SONIC 2018』はいかがでしたか。

高嶋 楓 大阪公演は屋外でのライブだったこともあって、暑すぎて熱中症になりかけました…。

大上 陽奈子 終わった後、ずっと頭に氷を乗っけて冷やしていましたから。今回の衣装が風通しがあまり良くなくて(笑)。

高嶋 楓 『ZENITH』の時の衣装は秋冬に作ったものだったのですが、生地が今よりも薄かったので夏向きでもあったんですけど、今回の衣装は生地が厚くなって。「こっちの方が生地の質がいいから」みたいな(笑)。それもあって暑さの大変さもありましたけど、サマソニはPassCodeがSNSでもトレンドに入ったので、良いライブが出来たんだなと思います。もうやりきりました。

大上 陽奈子 最後に披露したメジャーデビューシングルの「MISS UNLIMITED」では、後ろの方まで手を挙げて盛り上がってくれて嬉しかったです。

――手応えがあったみたいですね。さて、大上さんは6月に20歳になりましたが、成人されて心境の変化はありますか。

大上 陽奈子 前は大人になりたくないと思っていたんです。それは、単純に子供でいたくて。子供って自由奔放じゃないですか? 何の責任もなく行動出来るのが楽しいなと思っていましたけど、大人になったらなったで日々が楽しいです。新しい自由を手に入れた感じもあります。

――充実してるんですね。高嶋さんが20歳の時はどんな感じでした?

高嶋 楓 私が20歳の時は専門学生でまだフラフラしてました(笑)。学校もバイトもあまり行っていなくて、ひなこ(大上)みたいにしっかりしていなかったと思います。

大上 陽奈子 しっかりしてるかなあ(笑)。

高嶋 楓 しっかりPassCodeやってるよ。

――高嶋さんから成人された大上さんへアドバイスはありますか。

高嶋 楓 そうですね。あまり大人ぶらないで、嫌なことがあったら子供ぶっていれば何とかなるということです。私は24歳になっても、割とそういうスタンスなので(笑)。

大上 陽奈子 気負わず行きたいと思います(笑)。

――さて、4枚目のシングルは両A面ということで、ライブ映えする2曲になりましたね。

高嶋 楓 「Tonight」は前作「Ray」の聴きやすい部分を残しつつ、今までのPassCodeのラウドな部分を取り入れたバランスの良い楽曲になったなと思います。「Ray」がリリースされた時も、PassCodeの曲を聴いたことがない人でも聞きやすいという話をしていたのですが、「Tonight」も同じような感覚はあります。

大上 陽奈子 この曲のデモを頂いたとき、出だしからサビを繰り返すこともあって、そのサビのメロディがすごく良いなと思いました。最初は出だしの静かな感じの導入部分はなかったみたいなんですけど、色んな人の意見で今の構成になったようで。私の中で好きな曲ランキングの上位に入る曲です。

――デモの仮歌はいつも通りプロデューサーの平地孝次さんが?

大上 陽奈子 いえ。今回は作詞をしてくださったKonnie Aokiさんが仮歌を入れてくださいました。そこに女性の方が歌っているパートが混ざっていたり。今までにはない不思議な感じのデモでした。Konnieさんに送るときは平地さんが歌っていました。

――平地さんは仮歌の仮歌ですね。

大上 陽奈子 そうなんです。平地さんの仮歌は歌詞がないので、“平地語”という何語かわからないような適当な言葉で歌っているんですけど、その時からサビの<Tonight>のところはそれっぽく聞こえたようで、Konnieさんもそれが良かったみたいで<Tonight>になったようです。

――空耳からのですね。この「Tonight」はライブでやるとしたら、セットリストでどのポジションがいいとかありますか。

高嶋 楓 私は1曲目かな。SEが終わってあのサビから入ったらいいなあとか考えていました。

大上 陽奈子 それ良さそう!

高嶋 楓 あとこの曲はイメージ的に野外でやりたいんです。日が落ちる頃にこの曲が始まるのも良いなと。

――タイトルも“今夜”ですからね! 歌詞でお気に入りの部分などありましたら教えて下さい。

大上 陽奈子 もう全部好きなんですよ(笑)。選ぶのが難しいですね。

――私は<現実なんて残酷なんだろう>は刺さりました。現実が残酷だと思う時もありますか。

高嶋 楓 思います! もう色々あり過ぎて(笑)。ここはライブでも歌に乗せて気持ちをぶつけられそうです。私のパートではないんですけど、心の中で歌います。割とどの曲でも心の中で自分じゃないパートも歌っています(笑)。

大上 陽奈子 ここは私が歌わさせて頂いているんですけど、表情とか含め、感情込めやすいです。

――歌詞は恋愛を連想させますが、PassCodeでは珍しいのでは?

高嶋 楓 珍しいと思います。恋愛じゃなくても置き換えられる歌詞だと思うので、色んな意味で受け取れるとは思います。

大上 陽奈子 社会に抗うような歌詞が今まで多かったので新鮮なんです。

高嶋 楓 今までの歌詞は現在のPassCodeを表現しているようなものが多いんです。この「Tonight」はPassCodeのことを表現しているのとはまた少し違うので。

――確かに恋愛だけではなく、ライブに来てくれるファンの方へ向けての歌詞にも取れますよね。

大上 陽奈子 色んな捉え方が出来るから面白いなと思いました。

――ではお二人の聴きどころポイントは?

大上 陽奈子 自分が歌っているパートなんですけど、<Find ourselves ~>のところの英語の発音が個人的に気に入っています。というのも、今回Konnieさんにレコーディングに立ち会って頂いて、発音をチェックしてもらいました。PassCodeは英語をなんとなく雰囲気で歌っていたんです。それもあって今回はその発音にもこだわって何回も録り直しました。

――そのこだわりは海外の方へ向けて?

大上 陽奈子 海外の方で聴いてくれる方も増えてきているというのもあります。その方々に聴いてもらっても恥ずかしくないように頑張りました。以前、私たちのライブに外国人の方が遊びに来てくれて発音について指摘されたことがありました。

高嶋 楓 あった! 「Seize the day!!」という曲で指摘されて。発音が全然違かったみたいで。それで発音を直しました。

――海外でやるときに本格的に発音できれば武器になりますよね。では、高嶋さんの聴きどころポイントは?

高嶋 楓 私はラストのサビの転調したところです。そこが聴いていても、歌っても気持ち良いので、注目して聴いてもらえると嬉しいです。

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