16日で引退する歌手の安室奈美恵が10日、NHK『おはよう日本』にVTR出演。25年間の歌手人生を「“やり切った”っていうのはありますね。ちゃんと悔いなく」と振り返り、引退が直前に迫った心境を語った。

 引退発表をおこなったのは昨年9月。1年も前に報告したことに触れた安室は「自分がファンの気持ちになった時に、前もって私だったら知りたいなと思ったので」と率直な思いを語っていく。

 続けて「皆さんと私の間での一つでも多くの思い出を作るっていうのと、引退ということに対しての気持ちを消化していく、お互いに消化していって、前向きに明るくこの一年を、引退の日を迎えたいなっていうのもあった」と胸に秘めた気持ちを打ち明けた。

 ファンとの時間を共有することを大切にしたかったと話す安室。「この最後の一年を通して皆さんと一つでも多く思い出を作って、少しでも楽しい時間と、楽しいなと思えることがしてあげられたらいいなと思って」とし、引退発表からの一年を過ごしてきたことを語った。

 安室は最後のライブツアーで「I LOVE FAN」がメッセージとして掲げた。「いつもいつもファンの皆さんには元気をもらっているので、私のほうが。その元気に負けないくらいの『ありがとう』をどう伝えたらいいのか毎回ちょっと悩むなあっていう」とし、柔らかい笑みを見せながらファンへの思いを語る。

 そうした気持ちを抱える中で、「どストレートに私は行こうと。変にかっこいい言葉とか、いろいろ考えたんですけど、でもやっぱりここは、ストレートにでっかくポーンっていきたいなと。私の本当に単純な、純粋な気持ちですね」との気持ちでツアーに臨んだことを話し、自らが「本当に幸せだった」ことを直接伝えたい思いがあったという。

 安室は15日に沖縄でラストステージをおこなう。「歌で笑顔で終わりたいなという場所が、わりと沖縄だったのかなという感じはします」。さらに、「すごく笑顔で始まった場所でもある」という安室にとっての沖縄。多くの夢を抱えて14歳でデビューし、東京に出て来た出発点となる場所で、「最後も笑顔で終わりたいなと思います」との抱負を語った。

 また、安室は今年5月、沖縄県から県民栄誉賞を贈られ、受賞の席で涙を流した。「今まであまり悩みとかも人に相談したりとかしてこなかった。強い気持ちでいざ東京に、っていう感情が強かったので、ソロになってもさらに強くなっていったし、すごく嬉しかったのかな。なんか、泣いちゃう」と安室は目頭を押さえた。

 デビューできたことが奇跡だったと振り返る安室。沖縄に帰った時には「色んな感情が出てしまう。だからなるべく帰らずに気を張って色々やらせてもらっていた」といい、「よかったな。頑張って本当によかったんだなって初めて褒められたかなって」と、県民栄誉賞が自身にってとても大きなものだったことを明かした。

 16日をどんな感情で迎えるのか。「自分でも正直わからないかもしれないです。歌って、踊って、かっこいいアーティスト、歌手になりたいと思ってデビューして、引退するその時にきちんと歌手になれたかどうかは、皆さんの判断ですね」と微笑を浮かべる。

 そして、「“やり切った”っていうのはありますね。ちゃんと悔いなく。良い思い出になってくれたらいいな。曲を聴いてくださった皆さんにとって。あっという間でした。25年間は」と清々しい笑みを見せた。

 また、安室は「ちょっと申し訳ない気持ちも。引退という選択をしたことに対して、あったりはするんですけど」としつつ、「最終的に9月16日を迎える時には、ファンの皆さんが一人でも引退に対して理解してくれたら嬉しい」と、ファンも一緒にその日を迎えたい心境を語っていた。

 安室のインタビューは、12日放送の『あさイチ』の中でも放送される予定になっている。

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