やりたいことをやる、Runny Noize お笑いと音楽を続ける理由
INTERVIEW

やりたいことをやる、Runny Noize お笑いと音楽を続ける理由


記者:小池直也

撮影:

掲載:18年08月13日

読了時間:約14分

 ロックバンドのRunny Noizeが8月1日、2ndアルバム『Runny Noize is better than medicine』をリリースした。Runny Noiseは、すざき(Vo&G)、けんと(Vo&G)、てつや(B)、こだま(Ds)の4人組。2009年にはカナダを拠点に活動していたが翌年帰国し、すざきとけんとはラニーノーズとしてお笑い芸人としての活動もおこなっている。毎日放送がおこなう『歌ネタ王決定戦2016』では準優勝するなど、芸人としての活躍も目覚ましい。今作は、昨年9月にリリースした『We are Runny Noize』に続く作品。「1枚目はアホっぽく、2枚目はクールに」というイメージのもと、TOTALFATのKubotyがプロデュースとして参加し、日本語詞楽曲を初めて音源化した意欲作だ。お笑いと音楽との間に共通点はあるのか、芸人としての活動についてメンバーはどう思っているのか。4人にインタビューをおこなった。【取材=小池直也/撮影=冨田味我】

TOTALFATのKubotyとのレコーディング

——すざきさん、けんとさんがカナダから帰国されてから、今のメンバーでバンドを再結成されたそうですが、その経緯を教えて頂けますか。

けんと(撮影=冨田味我)

けんと 2人でお笑いを始めてから、ネットで募ったベースとドラムに1回入ってもらったんですよ。でも1年間活動してから、彼らが就職するというので抜けてしまって。てつやとこだまは元々僕の友達なんです。中学の時、初めてバンドを組んだのがこだまでした。こだまは専門学校でてつやと知り合っていて。

てつや(撮影=冨田味我)

てつや 音楽の専門学校に行っていました。こだまとは専門の時は仲良くなかったんですけど、卒業してからめちゃくちゃ仲良くなって。普通に友達だったんです。格闘技をして遊んでいました。

けんと それからこだまと稲川淳二さんのライブを観に行ったんです。その時にてつやもいて。その時は「ベーシストなんや」くらいの感覚でしたね。その後てつやとこだまがやっていたバンドのライブにRunny Noizeで呼ばれたんですけど、ベースとドラムがいないからサポートをお願いしたら「それだったらメンバーになるわ」って言ってくれて。ノリで参加してくれたんです。

てつや メロコアバンドでサポートっていうのも、なんかダサいなと。

すざき(撮影=冨田味我)

すざき 僕とこだまは大学時代の友人です。こだまは会った事があったんですけど、てつやの事は知らなくて。気が付いたらメンバーになってました(笑)。

——現在も皆さん仲が良さそうですね。

すざき 仲良いですね、今も全然。リハーサルも定期的にやっています。ライブに向けてもあるんですけど、今回はレコーディングに向けてかなりリハしました。週に多い時は3回、1回あたり6時間くらい入ったり。アレンジを考えたり練習したり。普段曲を作る時はスタジオに集まって、弾き語りを聴いてもらって作っていきます。今回は初めててつやが作った曲があって、レコーダーで録音したやつを皆に送ってイメージを共有して作っていきましたね。

——『Runny Noize is better than medicine』は、どの様な方向性で制作にとりかかったんでしょうか。

けんと 僕が常々7時間睡眠で睡眠に重きを置いているんです。だからタイトルは「Sleep is better than medicine(睡眠は薬に勝る)」をもじりました。

すざき 今までライブでやってきた事がある曲を音源にする事が多かったんですけど、今回はアルバムの為だけに曲作りをしています。

けんと 1枚目がよくある様なアホな感じで、2枚目は「悪ガキが大人になって帰ってきた」みたいなのはパンクバンドでよくあると思うんですけど。そういうイメージはありました。前に比べたらクールになったものを出していきたいなと思っていましたし。

すざき もちろん前作『We are Runny Noize』を超えなあかん、という気持ちもありましたよ。それからTOTALFATのKubotyさんにプロデュースもしてもらっていますが、今まで誰かに手伝ってもらった事ってなかったんです。「そういうやり方もあるよ」と言われて、あるんやと。TOTALFATさんは好きなバンドだったので、是非と。

——初プロデュースはいかがでしたか?

けんと 僕らは初対面だったんですけど、すざきは対バンした事があったみたいです。

すざき 本当に昔、Runny Noizeを組む前のバンドで1回現場が一緒になった事がありました。

けんと Kubotyさんは優しかったですね。怒られたらどうしようって思っていたので(笑)。勝手にアレンジ変えたりしても「全然いいんじゃない?」と言ってもらえたり。

てつや めちゃくちゃ勉強になりましたね。こういう事すんのや、みたいな。王道メロコアを更に進化させた様なアレンジで広がったので。例えば、今まで僕らはリードギター/サイドギターみたいな感じで分かれていたんですけど、それをツインギターにしたりとか。そういう発想はなかったですね。もっとバカ面白いパンク的なイメージやったので。

けんと 「Call dad mom」もプロデュースしてもらったんですけど、この曲は初めてスタジオで1から作っていったんです。大抵1人が作ってきてそれをアレンジするんですけど、Aメロ、Bメロ、サビとみんなで作っていって。その時は子どもが作ったみたいなテンションの曲だったんですけど、大人でクールな曲にKubotyさんがしてくれました。

こだま(撮影=冨田味我)

こだま ドラムも最初は全体的に2ビートで叩いていたんですけど、途中でレゲエになってハーフや倍テン(2倍のテンポ)になったり、普通の8ビートもある。リズム的な遊びが多い曲が印象的で、新しい曲に変えてもらえた感じです。やりとりとしては、打ち込みでデモを送ってもらって、それに自分の味を付けて叩きました。

——「e」は意味深なタイトルですね。サビの終わりに半音で進行していく場面がクールでしたが、この曲については?

けんと そのサビ終わりのポイントがまずできていて、この曲はやりたいなと思っていたんです。もともと英語でイメージしていたんですけど、日本語で考えたらそっちの方が格好いいなと。日本語詞を音源にするのは初めてです。僕の兄ちゃんが趣味で絵を描いているんですけど、家の壁に大きな絵を飾っているんですよ。それをなんとなく見ながら作った曲ですね。だから本当は「え(絵)」って呼んで欲しかったんですけど、メンバーから大反対を受けて「いー」という呼び方になりました。

てつや 大体けんさん(けんと)が作ってくる曲ってなんか疑問があるんですよ。

けんと 理論的に。いつも僕の曲のおかしなところを直してくれるんです。

てつや なんでこんな事をすんのやろ、と教科書的にいえば不正解やろといつも思うので(笑)。でも「e」を初めて聴かせてくれた時は「うわ、良い曲や」とほんまに思いました。

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