INTERVIEW

高石あかり

悔しさも含めて楽しかった。
映画『ベイビーわるきゅーれ』伊澤彩織とW主演


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:21年07月29日

読了時間:約5分

 高石あかり(18)が、映画『ベイビーわるきゅーれ』(阪元裕吾監督)で伊澤彩織とW主演する。社会不適合者な元女子高生の殺し屋コンビが、社会に馴染もうと奮闘する姿を通して現代の若い世代の価値観を映し出す異色の青春物語。伊澤演じるまひろの相棒ちさとを演じる高石は、舞台『鬼滅の刃』の竈門禰豆子役で注目を集める若手女優。本作ではアクションにも挑戦するなど新たな一面を見せている。どのような思いで臨んだのか。※高石の「高」ははしごだか。【取材・撮影=木村武雄】

伊澤彩織と自然と臨めた

――今回の映画では、すごく自然な芝居が印象的でした。W主演というのもあり、伊澤さんとどう取り組んでいきましたか。

 阪元監督と伊澤さんとは『ある用務員』という映画で初めてお会いしました。この映画でも伊澤さんと私は女子高生の殺し屋コンビを演じて、今回の映画では違った部分を見せたいという話をしました。今回の撮影は長回しが多くかったです。掛け合いだけではなく日常のシーンでも。例えば、おでんを食べるシーンは台本5、6ページ分を長回しで撮影しました。毎朝セリフ合わせをしながら、よく2人で頑張ったなと思います。

――キャラクターの雰囲気が柔らかくて、ゆったりとした口調というか。あれはもともと決まっていたんですか。

 本読みした時に、伊澤さんが作るまひろってこういう声、口調なんだと初めて知って、そういう発想はなかったのですごいなと思いました。私自身は、自然に撮影に臨ませて頂きましたが、伊藤さんに引き出された部分と私がもともと思っていたちさとの部分、そしてその場で感じたことを出していく感じでした。

――殺し屋という立場でありながらも、ああいうおっとりした口調は面白いなと。

 一般的には殺し屋は非日常ですが、あの子たちからしたら日常ですので、いかに私の意識のなかで殺し屋を日常にさせていくかということも意識しました。

――自分自身と役柄の境目が消えた瞬間はありますか?

 ちさと自体が私とすごく似ている部分が多いので、素で挑んでいるシーンも多かったです。最初から近い存在でした。

――現場の様子は?

 明るくてずっとアットホームな感じだったので、楽しくリラックスして出来ました。この作品は全員で作ったという意識が大きくて、みんなが作品に対して愛があって、観終わった後も「次もやりたいね」という話が出たり、すごく愛された作品だなって思いました。

高石あかり

悔しくて撮影後も練習

――アクションシーンにも挑戦しました。伊澤さんはスタントやアクションで活躍されているプロのスタントパフォーマーです。

 しっかりとしたガンアクションが初めてだったので、まずは持ち方から習って。伊澤さんは殺陣もアクションもやられている方だったので、先生として教えて頂きました。伊澤さんは「安心して大丈夫だよ」とすごく言って下さったので、自信を持ってやれました。

――もともとは不安があったんですか。

 不安でした。伊澤さんの背中が本当に遠すぎて…。アクションシーンを観てくださる方が「ちさと、戦えてなくない?」と思ってしまったらこの話自体が変わってきてしまいますし…。経験や基礎では追いつかない分、見せ方で魅せれたらいいなと。でも私自身、相当不安だったと思います。最後の日が怖くて。アクション稽古から本番まで一週間空きがあったのでずっと練習していましたし、カットがかかってOKが出ても全然だめだったと落ち込んで、そのシーンの撮影は終わったのに練習していました。

――それでも乗り越えられたわけで、何か変化はありましたか。

 悔しかったというのもありますが、それよりも楽しくて。きっと悔しさを感じること自体が楽しかったんだなって終わってから気付きました。アクションの機会があればまたやりたいなって思っています。

――テーマについてはどうですか。元女子高生の殺し屋ですが、描かれているのは女子の日常で。アルバイトしようと思っても上手くいかなかったり、報酬が安かったり。今の現代社会をそのまま映し出しているようですね。

 監督はそのテーマをお客さんに感じさせたいと話していました。殺し屋はかけ離れている存在ですが、私達と同じ人間で、本作では同じ悩みを抱えていたりするので、みなさんと共感できる部分が大きいんじゃないかなと思います。

――それと挿入歌を2人で歌っています。

 私は舞台で役として歌うことはありましたが、高石あかりとして挿入歌を歌うことは初めてだったので緊張しました。でも「ちさとでいい」と言って下さったので、変に歌おうとせず、しゃべっているかのように歌うことを意識しました。

高石あかり

負けず嫌い

――さて、舞台で『鬼滅の刃』で竈門禰豆子役が話題になりました。

 すごく反響が大きくて「禰豆子ちゃんだ」って言ってもらえることが多くなりました。8月から『鬼滅の刃 其の弐 絆』(天王洲 銀河劇場ほか)が始まりますが、プレッシャーというよりも、わくわくしていますし、また、先輩方とご一緒できるっていう喜びのほうが大きいです。本番近くなるとそんなことも言えなくなると思うんですけど…(笑)

――そもそも高石さんの性格は?

 負けず嫌いだと思います。自分と戦っているところもあると思いますが、完璧を求めすぎてしまうので、そことのギャップで悔しく思うことは多いです。そこで凹んでも立ち上がるスピードは早いと思います。

――それとインスタグラムに投稿している写真はアーティスティックですね。自撮りですか?

 嬉しいです! 自撮りもあれば撮っていただくものもあります。写真はすごく好きで、人を撮るのも、階段の隅とかも、自分が可愛いなと思うものを撮るのが好きです。

――階段の隅?

 階段の隅の欠け具合がすごく良くて(笑)。あとは光の感じとか。

――さて、2019年に本格的に女優としての活動を始めて、今のご自身の現在地は?

 階段で例えたら12段目くらいです。ただ、ゴールが何段目かは分からないですけど、なんとなく12段は登った気がします。この12段にもいろんな高さがあって、すごく簡単な一段だったかもしれないですし、這い上がった一段だったかもしれないです。でもどんな高さであれ一生懸命に登ってきたと思います。

――そういえば、小学生の時に片道4時間半かけて福岡の「エイベックス・アーティストアカデミー」に通っていたと?

 そうです。一人で片道4時間半、往復9時間かけて行って、土日で泊って帰ってくるというのが一週間のルーティンでした。

――その経験が今に活かされていることはありますか。

 親に甘えん坊になりました(笑)。人前に立つ時、緊張はしますけど、いい意味で怯えず堂々とできるというか。そういう部分は一人で通っていた経験が活きているかもしれないです。

(おわり)

高石あかり

ヘアメイク:西田美香(atelier ism(R))

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