久本雅美、板野友美、仙石みなみ、畑泰介監督

 板野友美(27)と久本雅美(60)が28日、都内で、W主演を務めた映画『イマジネーションゲーム』の初日舞台挨拶に出席。板野は「女性の幸せとは何なのかを問いかけしている映画だと思います。この映画を見てそれぞれの答えを探してほしいと思う」と語った。この日は、共演の仙石みなみ(27)、そして監督を務めた畑泰介氏も登壇した。

板野友美

 映画は、キャリアや経済力を手に入れながらも独り身のキャリアウーマン・早見真紀子と、若くして家庭を築いたものの自身の将来を見失っている若き専業主婦・池内葵が、あるゲームサイトを通じて出会い、それぞれの人生を見つめ直していく物語。板野は葵を、久本は真紀子を、仙石は真紀子の部下・白石久美子を演じた。対照的な2人の女性を軸に、自分らしく生きることとは? 女性の幸せとは何か? を問うている。

 企画・プロデュース・音楽を手掛けたのは、放送中のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』や映画『昼顔』の劇伴で知られる音楽家の菅野祐悟氏。板野が歌う主題歌の「イマジネーション」は菅野氏が書き下ろした新曲だ。

 映画の上映を終えて、客席後方から登場した4人。まずは笑顔で挨拶。観客にまざって一緒に映画を見ていたという久本は、映画の最後に真紀子が「ババア、ババア、ババア」と言われるシーンで「本当は笑ってほしかった。みんなと頷いていたから、いかんせんババアだと(笑)公開初日に傷ついています。上海では受けたよね」と笑いを誘った。

久本雅美

 更に久本は、勢いあまってマイクを前歯にぶつけるハプニングも。「いや、歯にぶつかりました。凄いですね、自分の前歯に勝てない!」と、観客を笑わせた。

 登場早々に笑いが絶えない場内。撮影現場も明るい雰囲気だったようで、久本は「楽しい現場でした。役に対しての思いは3人それぞれあって。監督からは『一切久本雅美を出すな』と言われて、非常に怖い女性を演じました。複雑な役でしたが楽しくできた」と振り返った。

 真紀子の部下を演じた、元アップアップガールズ(仮)の仙石は「久本さんはスタートをかかる前までは明るく楽しい久本さん。でも始まると怖い真紀子。そのギャップにビビっちゃいました」と久本の様子を紹介。一方で「私の役柄は小生意気で、部長の真紀子に対しても生意気にぶつかる。でも緊張してどう演じようとしていましたが、(カメラが回った途端に久本は)真紀子さんとして剣幕な表情で怒ってくれて、これはダメだと気持ちを入れ替えて、それを超えるように出来ました」と久本の演技力に引っ張られたと明かした。

仙石みなみ

 これに久本は「女優魂を見せちゃった」とニンマリ。「『もっと怖く』と監督に言われて、でも久本が出ちゃうんだよね」とユーモラスな表現で照れを隠した。

 その久本は見所として、板野友美が演じた葵の入浴シーンを挙げた。板野自身は「初めてだった」という入浴シーンで、久本は「(カメラが)足の下から行くシーンがあるんだけど、あれは私でも良かったかな(笑)でも(映画で)笑いを取ってもいけないから」とおどけた。

 貴重な入浴シーンにも挑戦した板野は、映画のストーリー性の奥深さに触れた。「イメージしてもらったものと違うと思います。深い映画で、沢山盛り込まれた映画。2回3回見ていく中で、そういうシーンだったんだ、と思う事があると思う」とし、その一例に、落花生が杯に入ったトロフィーを挙げた。そのうえで「想像して何回も見て、それで納得して頂けるものだと思います」と語った。

畑泰介監督

 板野が奥深いシーンとして挙げた落花生が入ったトロフィー。その意図について久本は「人生あんなもんだという思いだったんですよね。あれは監督の思いですよね」、板野が「真紀子にとっては大事なものですけど、落花生を入れていしまうようなもの」と核心を突くと、監督は「(営業成績を象徴する)トロフィーに(真紀子が)縛られていることを描きたかった」と回答した。

 トークでは、映画に絡めて「別の人生を歩んでいるとしたら」という質問が投げかけられた。ファッションが好きで学生時代もアルバイトをやっていたという久本は「洋服店員か、パトロンを見つけて店を持っていた」と語った。

 一方の板野は「動物が好きなので、動物と一緒に働ける仕事が良い。動物園にいる大型動物、像とかパンダとか、赤ちゃんを飼育したい」。これに久本は「100点の答え」と絶賛すると、板野は「100点頂きました」と笑顔。

 トークも終盤、改めて、板野は「私もこの映画が大好きで、女性の幸せとは何なのかを問いかけしている映画。この映画を見てそれぞれの答えを探してほしい。2度3度見て、女性だけでなく色んな人の背中を押せるような、作品になったら」と語った。【取材・撮影=木村陽仁】

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