強い女性を体現したい、Mii 先輩・清水翔太と仕上げた音と想い
INTERVIEW

強い女性を体現したい、Mii 先輩・清水翔太と仕上げた音と想い


記者:桂泉晴名

撮影:

掲載:18年07月25日

読了時間:約12分

みんながいるおかげで一人の時間を愛せる

――今回カップリング曲は2曲ともMiiさんが作詞されていますね。

Mii

 すごくお気に入りなんです。歌詞は2曲目と3曲目は完全に私ひとりで書いて。2曲目の「my castle」は“自分の部屋”という意味です。自分の部屋とか、聴く人それぞれ好きな空間に一人でいる時間があると思うんですけど、それに寄り添う曲になればいいな、と考えて書きました。私も友だちが大好きなんですけど、やっぱり一人の時間も大事だよね、いうことに22歳になって実感するタイミングが増えているんです。

 作詞で工夫した点は、アメリカの同世代の子が使うような英語のスラングも入れてみました。例えば2ブロック目の“Hey ya”の“ya”はyouという意味のスラングで「何しているの?」みたいな感じです。その分、リアルな歌詞になっているんじゃないかなと思います。

――歌詞を見ていると、ゆったり部屋で過ごす女の子の様子が目に浮かびます。<キャンドルなんて無いから それっぽいライト照らして>とか

 これは完全に自分の部屋の話です。キャンドルがあったらお洒落、というイメージがあると思うんですけど、普通の人の部屋にキャンドルは、なかなかないんじゃないか? と。とは言え、明るい電気がパーッとなっている部屋より、ちょっと薄暗くて間接照明みたいなのがあっても、おしゃれな雰囲気じゃないですか。自分の部屋にもそれがまさしくあるんです。キャンドルはないけど、それっぽいライトを照らしてチルしてる感じがいい時間だよね、みたいな歌になっています。

――Miiさんが1人の時間が大事だなと感じたきっかけは?

 大学に入ってすごく大事だと思える友だちができたんです。その人たちがいるからこそ、別に離れていても、その人たちはMiiの友だちでいてくれる。絶対応援してくれるし、守ってくれる。自分もその子たちに何かあった時は、絶対何かするし。そういうすごく素敵なコミュニティができて。それがあるという安心感をもっているからこそ、別に部屋に一人で過ごしていても怖くないというか。最初は「一人でいる部屋が最高」みたいな感じだけれど、一人でいる私がかっこいい、と強がりたいわけじゃなくて。みんながいるから、むしろ私は成り立っているわけで。こういう一人の時間こそ、みんながいるおかげで愛せる。そういう自分の交友関係と照らし合わせた歌詞になっています。

――仲間がいるから一人の時間を愛せる、というのはすごく温かいですね。

 今はSNSがあっていい意味ですぐつながれるから、確かに一人でも一人じゃない感、みたいなのがあると思うんです。LINEを知っていれば友だち、みたいな。でも私は友だちが好きで、人が好きで。そもそも寂しがり屋なので、誰かといたいんです。その中で出会った仲間が最高なメンバーだからこそ、私はその子たちのおかげで歌詞を書けたりするし。「一人でいいもん」というより、絶対その子たちにいて欲しいです。

――そういう仲間と仲良くいるためには、自分を常に向上させていこうという気持ちが大切?

 大切ですね。大学で出会った仲間たちですけど、それぞれに目指しているものがあったり、皆違う夢を持っていたり。夢じゃなくても「自分は絶対にこれをポリシーとして生きていくんだ」とか。それぞれに良いところがあるし、とても向上心がある子たちばかりで。それにすごく感化される。とくにちょっと前の時期だと、ちょうど同期が就活をしていて。就活と同じタイミングで自分も楽曲制作だったりをしていたんですけれど、仲間のそういう姿を見ると、自分もやっていることは全然違うけど、頑張るという事柄においては一緒だから。そういう自分を高めてくれる仲間だからこそ、自慢の友だちになれるようなアーティストになりたいし。もっと頑張ろうと思います。

――3曲目の「You Better Not…」は歌詞と曲のギャップが大きいですね。

 すごく爽やかな曲なのに、言っていることは何か洋楽っぽい、みたいな感じなんですけれど(笑)。歌詞がすごく短いのは、トラックがさわやかだし音数も多いし、トラック自体のキャッチフレーズになるメロディーがあるので、歌を乗せるよりは、トラックを聴いて欲しいなと思って書き始めたんですよね。

 ただ歌詞は短いんですけど、まとめてしまったらすごく濃い話になってしまって。<You better not>は直訳したら、「あなたは~しない方がいいよ」といった意味なんですけど、notの後に普通は動詞が来るんです。でも「…」にしてるのは、隠された意味として「私から離れていかないほうがいいよ」という意味が入っていて。だからストレートにいうと別れの歌なんですけれど、「君、わたしと別れていいんですか?」みたいな感じです(笑)。

――今回のシングルを通して、今後伝えていきたいと思うことを教えてください。

 私は今まで同世代の音楽の仲間にかき立てられ、支えられてここまで来たし、自分の音を届けたいのはやっぱり20代です。ファッションも同じぐらい好きなので。私が携わったアートワーク、MVやジャケット写真とかもひっくるめて、Miiのことを好きになってもらえるようになったら嬉しいです。

 あと、同世代でクリエイティブな子たちがたくさんいて。同世代のシンガーの子たちとも一緒にいろいろやってみたいし、同世代でカメラマンを頑張っている子とか、グラフィックアーティストやっている子とか。本当に90年後半生まれは今、すごく頑張ろうとしている世代なので、いずれかは、そういう同世代の皆で何か作りあげて発信していって、世間の皆におもしろいと感じてもらえるようなことをやっていきたいと思います。

(おわり)

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