自分の姿が映る歌詞を書くようにしている
――清水翔太さんからソロデビューにあたってのアドバイスは?
「とにかくがんばれよ」と喝を入れてもらうことの方が多いですね。翔太さんはデビュー10周年を迎えられて、本当にいろいろなことを経験されている先輩なので、「甘くないぞ」と言われます。音楽の面でまだまだ私は課題が山積みなので、たくさんのアドバイスをくださるんです。
――「What You Say」が表題曲になった決め手については、何か言われていましたか?
そこまでは聞いてないんですけど、多分メロサビの部分、“tonight~”とずっと言っているところは、翔太さんがハッと思い浮かばれたみたいで。その場に一緒にいたんですけど、シーンとしている時に「はい、思いついた」と。そのフレーズがきっかけで、「これでいこう」という気持ちになられたのだと思います。
――「What You Say」の詞では強い女性像が描かれていますが、Miiさんはこの曲をどういうテーマで書きたいと考えましたか?
私はどこかに自分の姿が映るような歌詞を書くことを心がけていて。全然自分に当てはまらないリリックとか妄想とか、想像の世界だけのものはあまり書かないようにしています。というか、書けないんですよね。それで今回は3曲ともどこかに自分の実体験だったり、日々考えていることを必ず散りばめるようにしています。「What You Say」はとくに自分を表現した歌詞だと思っていて。夏っぽいサウンドですけど、夏って気持ちが開放的になるじゃないですか。そういう中での男女の出会いみたいな場を想像した時に、「自分だったら多分こういう態度を取るかな」と考えながら書いたリリックになっていて。
簡単に言うと交際中の男の子がいるけど、その子に対しても強気で挑む、みたいな歌詞なんです。それは本当に普段の私と一緒で(笑)。結構、強気なタイプです。翔太さんもそういう私を知っているから、よりそれが強調されるような歌詞に修正してくれたりしました。
――周りの女の子も、そういうタイプの人が多いですか?
そうですね。世代かな、とも思うんですけど。「類は友を呼ぶ」と言うじゃないですか。だから自分の周りは、とくに私みたいな子が多いのかなとも思ったりしますし。でも一時期、草食系男子がすごく流行りましたよね。周りにもそういう男の子が多かったんですよ。男の子が草食になると、女の子は肉食になっていくじゃないですか(笑)。だから女の子が強い世代なのかな、というのは実感します。私が中学生くらいのときは、「男の子から言って欲しい」みたいなのがあったんですけど、今は「どっちが告白しても良くない?」みたいな。固定概念みたいなのがなくなっているのかな、と周りを見ていると感じますね。
――だから同世代の人たちに刺さる詞になっているんですね。
歌詞までぜひ見てほしいです。やっぱり自分と同世代で、自分と同じような考えの子とかに私の音楽を聴いてもらいたいから。私のこういう人間像だったり、考えていることに共感してくれるような同世代の子に刺さればいいな、と思っていて。音楽だけじゃなくてファッションとかミュージックビデオとかアートワークもやっているので。
――ちなみに「What You Say」MVの振付は、同じグループの?
そうです。Dancing DollsのリーダーのMisakiが作ってくれたんですよ。Misakiも当時、自分の舞台やそのほかの仕事で忙しかったにも関わらず快諾してくれて、すぐ振付してくれました。
――振付でこだわった点はありますか?
Dancing Dollsのダンスは結構ヒップホップ寄りで、セクシーさや女らしさよりは、元気でパワフル、激しい、みたいなのを売りとしてやっていたんです。でもソロアーティストになるにあたって、自分は女性らしさとか女性の強さを体現していける存在になりたかった。ダンスも女性特有の曲線がしっかり美しく見えて、手先までかわいく綺麗に見せられるようなのがいい、とMisakiに言って、サビの振付ができました。女の子が踊っていると絶対に可愛い動きです。私は女性の強さをしっかり表現できるアーティストになりたいという思いがすごくあって。大学の卒業論文は女性の権利や女性の強さをテーマに書いていたり、それを勉強していたので。自分自身がそういう人になりたいなと考えています。
――自分が学びたいことと、自分が表現したいことがつながっていて、理想的ですね。
まだまだ模索中ですけど。ゆくゆくはそういう風になっていきたいです。
――MVのファッションも魅力的ですね。
MVで着た衣装は「89、90年代の西海岸ロサンゼルスのストリートファッション」をテーマにスタイリストさんに提案して一緒に考えたんです。今、ファッション業界でもストリートファッションの中でも、80、90年あたりの服装がかわいいと、リバイバルブームになっていて。それでジャケット写真では特にボディコンみたいな服で、さらにルーズソックスを履いているんです。それにキラキラを合わせるとか、色とかアイテムで今っぽさを出したりするところにこだわっています。