みんなの夢を乗せて、Rhythmic Toy World 野望は大阪城ホール

大阪城ホールでワンマンが夢

内田直孝と岸明平（撮影＝榑林史章）

──ラストには「リバナ」という曲は、どこかフォークソングに通じるものも感じました。他に弾き語りで始まる曲もあるし。ギター１本で聴かせられるメロディの強さがあると思いました。

内田直孝　実際にどの曲も最初は弾き語りで作っています。それにこのバンドを組む前は、僕は弾き語りでライブハウスを回る活動をしていたんです。それが根底にあったので、バンドでもそれが活かせるときがあればやりたいと思っていて。それを出せたアルバムでもありますね。

岸明平　メロディが強いので、ギターもよりキャッチーなリフを考える曲もあるし、ずっと弾き倒すような曲もあるし。自分のギタリストとしての立ち位置を考えたくて、いろいろなプレイにチャレンジしました。ドラムとベースも一見シンプルですけど、裏側ではすごく細かいテクニックが隠されています。一聴するのではわからないようなところにこだわっていますね。だから簡単そうに聴こえて、コピーしたらすごく難しかったみたいな。

内田直孝　江戸っこの着流しみたいな。表は地味だけど裏にはすごい派手な模様が入っているみたいな感覚です。そこはプロデューサーのSHOTAさんもこだわっていて、リズムに関しては最後の最後のギリギリまで作業をしていました。

──テクニックを求めると、普遍性からは少し遠ざかる傾向があるので、そこのバランスが難しいですね。

内田直孝　でもそこは、気持ちいいところを目指しただけで、その延長上にリズムのこだわりがあったみたいな感覚です。理論よりも感覚です。

岸明平　コピバン泣かせです。僕らもライブに向けて精度を上げるために練習しています！

──５月16日からツアーが。ライブの魅力は？

内田直孝　どんな広さ、どんなキャパでも変わらず100%でやれる自信があります。予定調和は、自分たちのライブではいちばん縁遠い言葉だと言い聞かせてやっています。毎回がスペシャルです。何をやってもいいわけじゃないけど、何が起きても楽しい。トラブルであっても、まずは自分たちがそれを楽しんじゃう。観てくれる人も、そこに楽しみを感じてもらえればいいかなって。

岸明平　昔は、トラブルがあるとみんな動きが止まっちゃってたけど。今はもしギターの音が出なくなっても、口でギターの音をやりますんで(笑)！

──「ライブハウス」という曲は、アンセムと言うかみんなで歌える。

岸明平　この曲はシングルのカップリングで出していた曲で、ライブで支持の高い曲です。でもアルバムには入ってなかったので、今回入れることができてうれしいですね。

内田直孝　アルバムでこの曲の知名度が増せば、ライブでの一体感がより増すと思うし。ぜひ覚えてきてほしいですね。

──最後に、バンドとしての野望は？

岸明平　今まで「すごい」と思っていたメジャーのアーティストと同じ土俵に上がれたので、そういう人に負けないような曲をどんどん作っていきたいです。

内田直孝　僕がミュージシャンを目指すきっかけが、大阪城ホールで観たBUMP OF CHICKENさんなんです。それ以来バカみたいにずっと同じことを言っているんですけど、大阪城ホールでワンマンをやることです！

（おわり）