みんなの夢を乗せて、Rhythmic Toy World 野望は大阪城ホール
INTERVIEW

みんなの夢を乗せて、Rhythmic Toy World 野望は大阪城ホール


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年05月05日

読了時間:約12分

日本中の人に聴いてほしいという願いも込めて

内田直孝と岸明平(撮影=榑林史章)

──そもそもRhythmic Toy Worldというバンド名は?

内田直孝 僕がバンドを始めたきっかけがBUMP OF CHICKENさんだったので、それにならって単語3つの言葉が格好いいと思っていたんです。

 結成当時はポストロックみたいなインストっぽい楽曲にメロを乗せるみたいな楽曲が流行ってて、「時代はリズムだ。リズムを制する者は音楽を制する」とか言って、それでRhythmicという言葉を使おうと。それと、童心じゃないけど子どもみたいな気持ちで音楽をやりたいという気持ちでToyと。Worldは、バンド自体がテーマパークのようなものになったらいいなと思って付けました。

──今となっては、それがすごくぴったり。

内田直孝 最初は「長い」とか「覚えられない」とか言われてましたけど、今は略して「リズミック」と呼んでもらうことが多いです。

──いろんなタイプの曲がありますが、基本的には真っ直ぐシンプルで、心にズンと刺さる感じの曲が多い。

内田直孝 特に歌詞は、僕らがずっとテーマにして歌ってきた、「みんなを元気にしたい」「楽しませたい」「笑顔にしたい」「背中を押したい」というものを全力で押し出したので。

──応援歌がポリシー?

内田直孝 根っこには、ずっとあった部分です。ただ応援するときの角度は、これまでずっと探ってきたと言うか。押しつけがましくならないようにとか。でもそれって、自分たちのそのときの年齢によっても変わるし、聴く方の年齢でも受け取り方がいろいろあって。いろんな経験を経た上で、今では嘘がなく怖れるものもなく、自信を持って背中を押してあげられている印象です。

──「ペーパー人間」とか「ブッシャカ」とか、言葉が面白いですね。特に「ブッシャカ」は、仏陀と釈迦でブッシャカとか、歌詞に偉人がたくさん出てくるし。

内田直孝 単純に偉人伝が好きなんです。たいていの人は、その偉人が成したことにしか興味がないと思うけど、僕が感じるのは、偉人の名前にはすごくパワーがあるということ。歌詞に偉人の名前がちょっと出てくるだけで、その曲にものすごくパワーが加わるんです。たとえばアインシュタインと出てくるだけで、勝手に相対性理論を思い浮かべてもらえて、楽曲の世界観や想像をより広げてもらえるので、それがすごく面白いんです。それで、偉人の名前が出てくる曲は他にもいくつかあって。今作では、「ブッシャカ」にそれを詰め込んだ形です。

──「会えるように」には、歌詞に<才能という名の魔物>という言葉が。

内田直孝 これは中高生で部活を頑張ってる子たちに、届けばいいなと思って作りました。部活って中高生にはすごく大事なもので、大人になってもあんなに打ち込むようなことって他にはないですよね。でも、だからと言ってそこで自分の価値を決めてほしくないって、大人になって思うわけです。頑張った経験は糧になるけど、そこで人生すべてが決まるわけじゃない。

岸明平 僕なんか中学は柔道部でしたからね。高校で軽音部に入ったんですけど、そうやってやりたいことは変わりますしね。

──また「僕の声」は、アニメ『弱虫ペダル』のOPテーマ。

内田直孝 アニメで知ってくださった方は、すごく多くて。

岸明平 初めてのアニメOPテーマの書き下ろしだったんですけど、より多くの人に聴いてもらうのに、キャッチーさを意識したギターリフをすごく考えたし。そこで得たものが、このアルバムにはすごく反映されていますね。

内田直孝 だから、より耳馴染みがよくて届きやすい言葉が多くなったのかなって思います。

──アニメは、バンドものを聴かない人やライブに行ったことのない人も観ますからね。

内田直孝 そうなんです。世代も子どもから大人まで幅広いし。でもそこに届く音楽が作れたら、それは自分たちにとって大きな力になるんじゃないかと思って作りました。「僕の声」というタイトルには、そういう幅広い人たちに届くようにとか、日本中の人に聴いてほしいという願いも込めています。

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