イチからバンドをやっている感覚、BugLug リスタートで想う心情
INTERVIEW

イチからバンドをやっている感覚、BugLug リスタートで想う心情


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年05月03日

読了時間:約13分

人それぞれの喜怒哀楽

——それほどまでの熱量が込められているアルバムとなったわけですが、「解体心書」という同タイトル曲もありますが、アルバムタイトルを『KAI•TAI•SHIN•SHO』にした意図は?

一聖 人間にも心情というものがあって、分かりやすくいうと喜怒哀楽というところに分かれていると思います。それを曲で表現したいなと思いました。それは自分が復活した時からいろんな人と関わってきて、自分自身が喜怒哀楽を感じたり、人それぞれの喜怒哀楽というものがかなり明確に浮かびました。

 その心情があるからこそ人はこうやって会話ができたり、コミュニケーションが生まれたりと、人間としての軸をそのまま曲に詰め込みたかった。それが出来るのはBugLugしかないと思ったのでこれをタイトルにしました。「新人生」を作った時にも喜怒哀楽はたくさん生まれていて、それをもっと掘り下げてみた時に楽しいポップな曲もあれば、悲しいバラードもあって色々出来るなと感じました。僕らの曲自体がそういった心情から出来ているなとも思います。

——作品自体が心情を反映されていると。さて、今作で皆さん各々の推し曲をお聞きしたいなと思います。将海さんはいかがですか。

将海 プレイ的に言うと僕は「SHISHIMAI」です。それはなぜかと言うとX JAPANの「紅」のドラムフレーズを取り入れています。オマージュですね。YOSHIKIさんと「紅」が大好きということもあって、リスペクトの意味も込めて入れてみました。きっと制作とライブが並行していたこともあり変なアドレナリンが出ていたんでしょうね。他の人がやっていないことをやりたくて、誰かのフレーズをそのまま入れた人っていないんじゃないかなと(笑)。

優 人がやっていないことなのかもしれないけど、人がやっていることを入れ込むというね(笑)。

——ややこしいですね(笑)。ちなみに「紅」のどの部分を?

将海 「紅」にドラムソロがあるんですけど、そこです。曲も違うし僕らはBugLugなので入れてみたら面白いかなと。でもそこにはものすごいリスペクトがあります。

——大胆ですね(笑)。では燕さんの推し曲は?

燕 僕は「[AB]Cosmic」です。BugLugが初めて出したアルバム『SUPER NOVA』に収録さていた曲をリアレンジしました。プレイ的にもベースはすごく変わりました。結構スラップを入れ込んだりしていて、楽しい感じのアレンジが出来たなと。

——ちなみにオマージュは?

燕 自分のオマージュですかね(笑)。改めて自分のプレイは聴いてはいないんですけど(笑)。ライブなどで自然に変化していった自分を今回のリアレンジで入れました。そのなかでレコーディングのジャッジ、自分のハードルが高まっているのを感じました。

——メンバーからのジャッジも厳しいですか。

燕 いや、メンバーから言われることはほとんどないです。各々のプレイを信頼しているので任せている部分はあります。なので演奏に関しては自分のジャッジが重要になります。

——一聖さんの推し曲はどれでしょう?

一聖 「 (●Θ●)」です。

——これの読み方は顔文字?

一聖 これ実は読み方はないんです。楽しい感じの雰囲気でBugLugの一面を語ったかのような言葉がいいなと思ってこのタイトルにしました。楽曲もサンバ調でラテンテイストが入っていて楽しい感じに仕上がったので気に入っています。

——タイトルつながりでもう一曲気になるのがありまして、「S×N×O」はどんな意味が込められているのでしょうか。

一聖 何だと思います? ヒントとしては国民的キャラクターのことを思いながら書き綴った歌詞なんです。「×」のところにアルファベットを入れ込むとその名前になります。

——う〜ん…。もしかして『〇〇〇〇〇』に出てくる〇〇〇ですか?

一聖 おおっ! 当たりです!

優 歌詞では、〇〇〇は悪いやつという内容で歌っています(笑)。

——これはヒントなしでは難しいですね…。続いて、優さんの推し曲は?

優 僕は「アリゲイターJr.」です。過去に「Mr.アリゲイター」と「Ms.アリゲイター」と言う曲があるのですが、Jr.の構想はずっとありました。「ついに出来たぞ!」という気持ちです。曲や歌詞、フレーズも親の良いところを受け継いで、まさに子供みたいな曲になりました。最初、一聖が「子供感がない」と言っていて。コード感や勢いの部分で悩みました。最初もっとおしゃれなコード(和音)を使って、アダルティでアンニュイな仕上がりだったこともあって。

——それは劇的に変わりましたね。元のバージョンも聴いてみたくなりました。続いて、一樹さんの推し曲は?

一樹 僕は「SINGULARITY」です。この曲がアルバムのツアーで演奏するのが一番楽しみなんです。サウンド的にも僕らの中ではかなり新しくて、イントロか「これ本当にBugLugなの?」と思ってもらえるような仕上がりになっています。実は今流行りのEDMのアレンジはあまり好きではなくて…。でも、この曲だったら、そのアレンジがうまくハマるだろうと思ったので、ふんだんに入れています。音数はめちゃくちゃ多いんですけど、その中で芯の通った歌がサビに出てくるのが凄く気に入っています。

——BugLugの新たな挑戦が入っているわけですね。

一樹 はい。「SINGULARITY」を過去の曲で例えるならば「アクマ笑ウ」や「芸術的思想家の片鱗」の類いで、魅せる曲としてこの世界観をライブでどう表現するのかというのが楽しみです。ただやるだけだとつまらないとも思っていて。この世界観をきちんと作ってあげないと成り立たないのではと考えていて、ライブで演奏することを前提としてフレーズも作ってるので、早くステージで披露したいです。

——アレンジも確かに幅広いジャンルからの影響が見られますが、ワールドミュージックとか聴かれたりも?

一聖 僕は多少聴きます。映画とかで使われている音楽から、掘り下げていくことはあります。僕の場合海外で好きなバンドとかも特にいなくて、そういったところから調べていきます。「(●Θ●)」のサンバや「Heroin」のジャジーな感じもそういったところから取り入れています。BugLugの音楽って幅広いんですけど、いろんな音階を取り入れてるのも、そういった映画音楽からのインスパイアが多いかもしれないです。

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