ライブでも映える曲を
――さて、2015年には『LUNATIC FEST.』にも出演されています。あの時期はライブ活動に注力されていたと思うのですが、制作もされていたんですよね。今回はシングルでのリリースですが、今後アルバムの発表も?
「人間を被る」は、アルバムを作っている中での1曲だったので、そうですね。今のところ、「Sustain the untruth」の作り方ではないですが。
――アルバムとなると、気になるのはテーマですが、先ほどの話ですと、なさそうにも感じます。
テーマは決めてなかったですね。みんなが思ったままにそれぞれ曲を作って。持ち寄った中からみんなで投票して。
――前作では60曲以上制作されたと。
毎回、それくらい作りますね。今回もたくさんありますね。
――今作ではこれまでと何か違った点はありますか?
今回は2年くらいずっとツアーをやっていたので、ライブで映えるような曲にしたいなと考えはありました。
――そのツアーで感じたことは?
バンド活動中期に作っていた曲もプレイしていたんですけど、その頃の曲が身体にスッと入って来た感じがして、今はきっとその頃の気持ちなのかなと。なので、音的にもそれくらいの詰め込み方にしたいなというのはありました。『THE MARROW OF A BONE』(2007年)の頃の曲ですね。
――活動中期の頃の曲が馴染んだということですが、何か理由が?
海外でツアーをやっていて、向こうのバンドを数多く観て来たので多分その影響が大きいですね。ライブ映えするとか。あまり曲として実験的に構築してないというか。
海外で鍛えられた瞬発力
――海外での評価も高く、海外ツアーもおこなっていて感じることはありますか?
いろんな国に行ったんですけど、「地球はそんなに大きくなかった」ってことですかね。昔は、海外は遥か遠くで、外国人は次元が違うと思っていたのですが当然そんなことはなくて。
――私も若い頃は外国人というと、でかくてゴツくて怖いというイメージが合ったのですがShinyaさんの中でもイメージとは違った点などがありましたか?
まさに仰る通りで。本当に自分たちとそこまで違いはないなと思いました。
――文化や社会の違いによって人格も変ってくるとは思うのですが、それを差し引いて日本人と変わらない部分があった?
もちろん文化の違いはあるのですが、外国人が日本で育てば、日本人らしくなるだろうし。本当に遺伝子的に同じ人間なんだなと。宇宙から見ると人間ってゴミ屑みたいなものだなと思って。僕は細かいこととか本当に気にしないんですよ。悩みとか全然無くて。それは宇宙に比べると、そんなものはゴミ屑以下だという考えがあるからだと思います。
――悩みが無いというのは、羨ましいです。それはずっとそういう考えだったのですか?
10年くらい前からですね。当時は本なども読みましたけど、今はそれすらどうでもいいかなと(笑)。
――そうした考えは音楽性にも影響を与えたりしましたか。以前インタビューで「余計なサウンドをそぎ落とすようになった」とお話されていましたが。
細かいことは気にしなくなりましたね。音楽面はあまり関係ないですが、昔は1ミリずれていても気になっていました。今では10センチずれていても気にしないですね。海外で活動するようになって、ドラムセットもレンタルする機会が多くなって。気にしてもしようがないなと。
――海外だと機材トラブルみたいなことはよく聞きますが、そうなんですね。
めちゃくちゃありますね。機材届かないこととか、イヤモニが適当だとか(笑)。シンバルとかタムが1個ないとか…。最初は「えー!?」と思いましたが、それが日常茶飯事なんで。日本でも細かく言えば、やってくれるんですけど、言わないようにしています。そこで慣らしとかないと、いざ海外に行った時に対応できなくなるので。
――順応性はライブでは大事ですからね。グルーヴに対しては何か意識したりしていますか?
グルーヴは本当に難しくて。今でも調べたりして研究しているんですが、実態は掴めなくて。口で言うのは難しいのですが、その場の空気感だったり、メンバー5人の気持ちも揃わないといけないし。昔、ある4人組バンドがグルーヴ合わせるために目をつぶって、時計無しでそれぞれピッタリ2分間目をつぶって数えて合うまで続けるという練習していたという話を聞きました。
――それも凄い話ですね。海外バンドと日本のバンドの違いってありますか。
海外のバンドはどんな状況でも常にベストを出している気がしますね。フェスとかリハはないので、サウンドチェックもなくぶっつけ本番なんで。1曲目からガンという感じで。
――ある海外バンドに日本の音楽の印象を伺った時に「日本のバンドは凄くきれいに演奏するよね」と言われたのですが、海外から日本に帰って来て、改めて見える部分などはありますか?
そうですね、そんな感じですね。準備に準備を重ねて臨んでいる気がします。











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