なんやかや文句は言うけれども、ちゃんと走りきるよ
――「デスロード」では、ガラッと雰囲気を変えてきました。歌詞も、葛藤を覚えながらもしっかり前を向いてると言いますか。
そうなんです。けっこうやけくそな始まりというか、「よし、今日から人生スタートだ」とみずから選べないし、「ここで人生お疲れさまでしたぁ」とも出来ないこと。その様を、勝手に走らされてるレースだっていう風に置き換えてみました。気がつけばスタートラインに立たされてて、スターターのピストルも勝手に放たれ、最初は観客も誰一人いない中で走り出すんですけど。自分の(人生の)道を走っていく中、いろんな人たちと出会い、そこで一喜一憂したり、どんどん観客を増やしていき、最期には人生を走りきる。楽曲をいただいたときに、作曲をしてくださった松隈ケンタさんに、「こういった世界観で作詞をお願いしたいんですけど」と伝えたら、車で一気に駆け抜けてくような歌詞を書いていただけました。それこそ、なんやかや文句は言うけれども、ちゃんと走りきるよという。
――いろんな人の人生が、そう。最初は走らされてるけど、その中で、自分なりに走るべき指針を見つけていくものですからね。
走っているうちに見つけ出すって、まさにそうなんですよねぇ。曲が疾走感あふれているから、そういう詞がすごく合うなと、わたしも思いました。
――「フィロソフィーエッグ」の後に「デスロード」が流れるとは、まさかの衝撃的でしたけどね(笑)。
小さなお子さんに聞かせたらビックリしちゃうかも知れないです(笑)。「なんでこの曲がカップリングなんだろう」って不思議な感じがするかも知れません。
――そこが面白さですからね。
だとしたら嬉しいです。
――96猫さんって、曲調も歌声も、ホント表現の幅が広いですよね。
でも、今まで避けて通ってきた歌い方というのがあって。今回その歌い方をしてるので、自分ではちょっとした挑戦でした。実はわたし、ラップがすごい苦手で、今までラップの入ってる楽曲も、おちゃらけて、ちゃんとラップをしてこなかったんですね。『威風堂々』という梅とらさんの楽曲を歌ったときにも、中へけっこうラップが入ってるんですけど、他は真面目に歌っているのに、ラップの部分だけおちゃらけたりと、ちょっと逃げてた部分があったんですけど、今回はみずから立ち向かって歌ったと言いますか。『デスロード』の歌詞じゃないですけど、「のっかった以上はやりきる」という心境で臨みました。
――「デスロード」を聴いていると気持ちが熱くなれば、感情をポジティブにしてくれます。
最後に歌う<負けないよずっと>というフレーズで、「頑張ろう」という気にさせてゆくと言うかね。
――最初にいろんな葛藤を描いたように、その心情を記したうえで前を向きたかったのでしょうか?
そうです。(自分の人生を)走りながら、いろんな人や物事を見ていく中、「なんなんだこの世界は」と嫌に感じたり、走ってく中でいろいろ失敗をしたり。それこそ人生の黒歴史じゃないですけど、それら全部を引き連れて今の自分がある。「失敗した部分も良い部分も全部ひっくるめ、最期まで走りきってやるぞ」という気持ちを『デスロード』には投影しています。やっぱ、この歌を聴いた人たちには、前向きになって欲しいですからね。
――ぐでーっと緩くなった気持ちに喝を入れてくれるようにね(笑)。
アハハハハッ、やる気だせーって(笑)。