メイド5人によるロックバンド・BAND-MAIDが4月13日、東京・ZEPP TOKYOで東名阪ツアー『BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 2018 【宣告】』のファイナル公演をおこなった。2月にリリースされた2nd Full Album『WORLD DOMINATION』を引っさげて、4日の愛知・ダイアモンドホールを皮切りに東名阪を回るというもの。この日は、『WORLD DOMINATION』から全曲、アコースティックコーナーなど全26曲を熱演。彼女たちの目標である“世界征服”へ向けてまた一歩近づいたお給仕となった。この公演のもようを以下にレポートする。【取材=村上順一】

久しぶりのアコースティックコーナーも

(撮影=MASANORI FUJIKAWA)

 会場となったZepp Tokyoのステージ天井には、大小合わせ3つのシャンデリアが釣り下がり高貴な存在感を放っていた。フロアはオーディエンスで埋め尽くされ、お給仕スタートへの期待感に満ちていた。開演時刻になるとメルヘンなイントロと、ハードなロックセクションの2面性が垣間見れるオープニングSEが流れメンバーがステージに登場。彩姫(Vo)が最後に登場し我々に浴びせたのは「DOMINATION」でファイナルの幕は開けた。眩い光が照らす中、ラウドでエッジの効いたサウンドとエナジー漲る歌で高揚感を煽っていく。

 立て続けに「Play」、「Spirit!!」とニューアルバム『WORLD DOMINATION』の楽曲達で扇情させ、盛り上がりのピークは早くも「the non-fiction days」で訪れた。スピーディーでパワフルなAKANE(Dr)のドラムに引っ張られるかのように、オーディエンスも拳を上げエキサイティング。飛び交うレーザーが視覚的にも刺激を与えてくれた。

 激しいグルーヴチェンジが魅力の「Turn me on」では、間奏で小鳩ミク(Gt、Vo)と彩姫が見守るなか、KANAMI(Gt)とMISA(Ba)によるソロバトルも展開。さらにエッジの効いたナンバーを投下し、10曲目では広がりのあるサウンドが美しいミディアムバラード「Daydreaming」で、世界観を一転し、緩急をつけたセットリストでオーディエンスの感情を揺さぶっていった。

 「One and only」で再び盛り上がりに火をつけたかと思いきや、彩姫とKANAMIの2人による久しぶりの披露となったアコースティックコーナーへ。2人はステージ中央に置かれた椅子に座り、アコースティックギターと声のみのシンプルな編成で、この日は1stフルアルバム『Just Bring It』から「Puzzle」を披露。この曲ではKANAMIもコーラスで参加し、彩姫とのハーモニーを聴かせ、独特な空気感を放つ2人のトークに続いて、ニューアルバムの中でもひときわ異彩を放つ「anemone」をしっとりと届けた。凛とした歌声、言葉をより強く感じさせるアレンジは、心の中に響き渡るようだ。

 アコースティックコーナーが終了し、お給仕も中盤戦へ。再び3人が合流し届けたのはニューアルバムのラストを飾る「DICE」。躍動するビートはオーディエンスの体を弾ませ、ヘヴィなギターリフがクールな「secret My lips」、真っ赤なライティングが血湧き肉躍る昂りを与えた「CLANG」、MISAの指弾きとスラップ奏法の見事なスイッチングが光るナンバー「FATE」と後半戦へ向けギアをさらに上げていった。

世界征服へ向けて一歩一歩着実に…

(撮影=MASANORI FUJIKAWA)

 続いては彩姫が一旦ステージを後にし、楽器隊4人によるインストナンバーを披露。テクニカルでエモーションがたっぷりと詰まった演奏は、心地よい音圧をフロアに降り注いでいく。4人のバンドとしてのスキルの高さが垣間見れた瞬間だった。再びステージに彩姫が戻り、小鳩とのエネルギッシュなツインボーカルが際立った「Carry on living」、そのテンション感をさらにブーストするかのように「alone」と新旧楽曲のコンビネーションで魅了した。

 ここで、小鳩が「世界征服へ向けて一歩一歩着実に、皆様と一緒に大きくなって行きたいっぽ」と話す。そして、「世界征服をしていくのにみなさんが避けて通れないことがありますっぽ」と恒例の“おまじないタイム”で「萌え萌え」「キュンキュン」とオーディエンスとコールアンドレスポンス。ライブの回数を重ねるごとに小鳩の激しさが増していっているのを感じさせた。最後に全てを解放させたかのようなコールから、小鳩がメインボーカルを務めるナンバー「Rock in me」をハンドマイクでステージを動きながらの歌唱。今までの楽曲とはまた趣が違う小鳩ならではのロックサウンドとパフォーマンスで魅せた。

 お給仕はラストスパートに突入。彩姫のハイトーンヴォイスが拝める「I can't live without you.」へ。その突き抜ける張り裂けそうなテンション感の歌声に、盛り上がりのバロメーターはマックスに。「FREEDOM」では彩姫がステージを降りオーディエンスと近距離で歌唱する姿も見られ、さらにリミットを超えさせるかのように代表曲「REAL EXISTENCE」を投下。彩姫は「まだまだ声出せるよな?!」と投げかけ、ボルテージは最高潮まで高まるなか、「Choose me」で畳み掛ける。彼女たちの決意と覚悟が音となりフロアに降り注ぐよう。約2時間ハイテンションで駆け抜けた『BAND-MAID WORLD DOMINATION TOUR 2018 【宣告】』の幕は閉じた。

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