4人組ロックバンドのグッドモーニングアメリカ(通称グドモ)が25日、東京・TSUTAYA O-EASTで東名阪ツアー『502号室のシリウスツアー』FINAL SERIESのファイナル公演を開催。これまでは様々なバンドと対バンという形でステージを繰り広げてきたが、FINAL SERIESはワンマンでたっぷりと全25曲を披露。ツアーは4月7日に“裏ファイナル”として沖縄・Outputでの公演を残しているが、金廣真悟(Vo&Gt)が「感謝の気持ちを好きな音楽で伝えられたら」と語ったように、その想いが存分に溢れるステージで昨年12月から約3カ月に及ぶ旅路を最高のかたちで締めくくった。【取材=松尾模糊】

大船に乗ったつもりで楽しんで

 都心でも桜の見ごろを迎えた、春うららかな晴天に恵まれたこの日。会場のフロアは、グドモの登場を待つTシャツ姿でタオルを持つ多くの観客で埋め尽くされていた。そのフロアに白いつなぎを着た、たなしん(Ba&Cho)が登場。観客の間を横断しながら「こうやってファイナルに辿り着けて嬉しいです! いろんなことを乗り越えてちょっとは成長したと思うので、大船に乗ったつもりで楽しんで下さい!」と呼びかけてフロアからステージに上がった。そして、金廣、渡邊幸一(Gt&Cho)、ペギ(Dr&Cho)がステージに揃って「風と鳴いて融けてゆけ」でステージを開始。

グッドモーニングアメリカのステージ(撮影=watanabe'kool'syo)

 渡邊のギターストロークから「キャッチアンドリリース」を披露。観客も手を挙げて応じる盛り上がりを見せた。そのまま「アブラカタブラ」に突入。たなしんがフロアに降りてベースを弾き観客を煽っていく。

 ペギの高速バスドラで始まる「ハブーブの後に」では、金廣が歌い上げるメロディアスな歌詞が胸に響く。観客も冒頭から高いテンションで会場が熱気に包まれた。

 渡邊は「最高! 帰って来たぞ、渋谷! 田舎者の4人がね『帰って来たぞ、渋谷』なんてね…。ちょっと落ち着いて…いや、落ち着かないで! 久々のワンマンなんだ、やってやるよ!」と興奮した様子。それを見て金廣は「最近、こうちゃん(渡邊幸一)がたなしん化していて…緊張しておりますけど、どうぞよろしくお願いします」と呼びかけ、会場は和やかな雰囲気に。

 ステージが青い照明で照らされる中「空ばかり見ていた」でステージを再開。<オーオーオーオーオオー>とシンガロングで会場に一体感をもたらした。続く「ダンスダンスダンス」はタイトル通りのリズミカルなダンスロックナンバーで、観客も体を揺らしながら、拳を上げて盛り上がった。

感謝の気持ちを好きな音楽で伝えられたら

 「ディスポップサバイバー」では、ペギの手数の多いドラミングが曲に勢いをつける。金廣が「今日はツアーファイナルなので…」と披露されたのは「そして今宵は語り合おう」。激しいアンサンブルから始まり、会場のボルテージを上げる。

グッドモーニングアメリカ(撮影=watanabe'kool'syo)

 ツアーでペギの恒例となったMCコーナーでは、渡邊からペギへと呼びかけるのを「待っている自分がいます」とペギも饒舌に語り掛ける。「僕は大人なので下ネタとか嫌いなのですが、物販で楽しみにしています、と求める方もいるので…」と渋々なのか、ノリノリなのかとっておきの下ネタを披露し、会場にも笑いが溢れた。

 さらに、この間にたなしんが星条旗柄のスパッツ一丁になり、再び観客スタンド席に現れた。そして彼らのライブではお約束となっている「3、2、1、ファイヤー!」の掛け声から「コピペ」へと突入。

 金廣がハンドマイクで歌った「フライデーナイト」では、観客とともにたなしんも飛び跳ねながら演奏。会場に熱気が満ち溢れた。

 MCで金廣は「まさか、この歳になるまで自分が高校の同級生と一緒にバンドをやっているなんて思わなかった」と改めて結成10周年を迎えることを振り返る。「できたことも、まだできてないこともあって、むしろ後悔することの方が多いけど、節々で武道館だったり、このツアーだったり楽しいことがあって。言葉にするのは難しいけど、感謝の気持ちを好きな音楽で伝えられたらいいなと思います」とその想いを語った。

 そして、ミディアムナンバー「She's...」を披露。コーラスワークも印象的な壮大な曲で、観客もその世界観に静かに浸っていた。そこから「未来へのスパイラル」「言葉にならない」「ハルカカナタ」と一気に畳みかけ、本編を終了。メンバーは深々と頭を下げてステージを去った。

 アンコールでは7月11日に彼らの初となるベストアルバム『the BEST HIT GMA』が発売されること、メジャーデビュー日となる5月8日に代官山UNITで『GMAオールスター感謝祭』を開催することを発表。「STAY WITH ME」では前奏で歓声が上がり、シンガロングでボルテージは最高潮に。

 さらに観客の鳴り止まない拍手と歓声に応えて、ダブルアンコール。「また会えるよね」で大団円の中、ツアーを締めくくった。

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