ACIDMAN、集大成「Λ」に映った大木の真意 枠を超えて繋がる心
INTERVIEW

ACIDMAN、集大成「Λ」に映った大木の真意 枠を超えて繋がる心


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年03月20日

読了時間:約17分

想像力の先にある豊かさ

――さて、前回ご紹介いただいた、川上弘美さんの『大きな鳥にさらわれないよう』という本ですが、人工知能やクローンの話です。この技術を得て迎える数百年後の世界を描いています。あくまでもフィクションですが、警鐘を鳴らしていますよね?

 どうなんかな。そういう想いがあるのかな。でもこの方はお会いした事はないですけど、ファンタジーとして描いているのかな。最後の描写の俯瞰に見ていたというのがあるから、もしかしたら僕たち人間の現状を言っているのかもしれないですね。遠い宇宙から見ている人たちの物語なのかもしれないなって。

――この中で出てくるのは人たちはクローン人間ですが、なかには人工知能がプログラムされたものもあって。でも結局は愛とか憎しみとかを知りたがるところがあって、凄く人間チックでもありました。大木さんが考える将来は?

 これもスピリチュアルやSFっぽい話ですけど、人間という地球上の生命は凶暴らしくて。暴力性が凄く強いらしいんですよね。僕らが生きているうちだったら良いですけど、そんな遠くない未来に絶対に違う星の知的生命体とのコミュニケーションが出来ると思うんですよ。僕の予想では。そうなったときに初めて気づく事だと思うんですよ。たぶんその人たちは一言「ずっと地球を見ていたよ」って。そう言われて「ほら、やっぱりね」と。この本じゃないけど「猿から進化させたんだ、僕達が」と言われたら「やっぱりか」と。そう感じる日が来ると思うんですよ。

 でも僕らはまだ肉などを食することで生命が成り立っていて。それって非効率らしいんですよ。実際に食べても飲んでもエネルギーになる源は限られていますから。進化して空気で生きられるようになるかもしれない。そうやって進化して豊かなほうへと進む。例えば「きっと戦争は終わらない」とみんなどこかで思っていると思う。なぜなら繰り返してきた歴史があり、生き物は何億年も前から争い合ってきたから。でも、戦争は終わっていくじゃないかなと思うんですよね。本当に人間が愛に気付いて、大きな上からの人に気付いて。それこそ進化。そしたらどんどん心が豊かになっていくと思う。きれいごとだけど、希望的観測だけど、僕はそっちを信じていきたいです。もっと信じていきたいです、そういう感覚を。

――突然ですが運命はあると思いますか。ある科学者が宇宙理論のなかで、運命を決まっているが、その過程の選択肢は自由、という仮説を唱えていたので。

 分からないですね。運命はあるかどうかはわからないですけど、あると信じている方かもしれない。

――人それぞれ様々な壁があって、それを乗り越えられる人もいるけど、そうでない人もいます。ただ、諦めかけそうになった時に音楽が背中を押す一助になるとも思っています。

 偉そうなことは言えないけど、僕は想像力が大事だと思っています。想像力さえあれば100人の世界で暮らしていて、99人に不適合と言われて排除されても、それは100人の村の中の話で、違う所には違う世界の話がある。そこに必ずどこかに自分の居場所があると思う。それと、自分にピンときた言葉やアドバイスをそのまま受け取るのではなくて、そこからさらに想像させることが凄く大事なような気がします。昔は僕も未熟だったし、人が歩いて肩がぶつかったら「おい! なんだ、お前」となっていた。だけど、もし一歩踏みとどまって「もしかしたら急用だったのかもしれない」や、「知人が事故に遭って急いでいた」とか、「車を割り込むだけの急用だった」と思えたら違ってくると思う。「もしかして」を考える。凄く嫌な奴だったとしても。子供のときに物凄く嫌な事があって人間を信じられなくなっても。そう考えたとき、こちらが右往左往したくないなという考えになると思います。

――まずは立ち止まって1回考えて。

 そうですね。良い方向に想像するというか。全て多角的に想像して、なるべくポジティブな方を受け止めるようにしています。

――ACIDAMANさん、大木さん、そして作品やライブを通じて、そういう思いが伝わればいいですね。それこそもっと豊かになれる気がしますね。

 僕もそうだと思います。一歩、引いて全体をみたら、気づけなかった美しさに触れられるかもしれないですしね。

作品情報

Λ (ラムダ)

初回限定盤【CD+DVD】(TYCT-69126)3,780円(税込)
通常盤 【1CD】(TYCT-60112)3,024円(税込)
トラックリスト
Φ~introduction~
白い文明
ミレニアム
prana
最後の星
ユートピア
水の夜に(album version)
Λ-CDM(instrumental)
空白の鳥
MEMORIES
光に成るまで
愛を両手に

ライブ情報

ACIDMAN LIVE TOUR “Λ(ラムダ)“

2018年4月01日(日) Zepp Tokyo (東京)
2018年4月07日(土) 仙台Rensa (宮城)
2018年4月08日(日) NIIGATA LOTS (新潟)
2018年4月14日(土) 金沢 EIGHT HALL (石川)
2018年4月15日(日) Zepp Nagoya (愛知)
2018年4月21日(土) 高松オリーブホール (香川)
2018年4月22日(日) Zepp Osaka Bayside (大阪)
2018年4月28日(土) Drum Logos (福岡)
2018年4月29日(日) 熊本 B.9 v1 (熊本)
2018年5月06日(日) キャラバンサライ (高知)
2018年5月13日(日) Zepp Sapporo (北海道)
2018年5月19日(土) 広島 CLUB QUATTRO (広島)
2018年5月20日(日) CrazyMama Kingdom (岡山)
2018年5月26日(土) 桜坂セントラル (沖縄)
2018年6月02日(土) 石巻 BLUE RESISTANCE (宮城)

ツアーファイナル
2018年7月13日(金) 日本武道館 (東京)

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