感情動かすことが目的、マーティ・フリードマン 音楽をやる理由
INTERVIEW

感情動かすことが目的、マーティ・フリードマン 音楽をやる理由


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年03月07日

読了時間:約18分

音楽で感情を動かすのが目的

――音楽という世界で、マーティさんがこの先伝えていきたいことは?

マーティ・フリードマン

 僕は音楽ファンとして、音楽から良い時間をたくさん頂きました。感謝の気持ちを込めて、僕がもらった気持ちを他の人にあげたらいいなと思います。

――マーティさん自身が昔、KISS(米ロックバンド)から衝撃を受けたような思いを?

 それもいいし、好きな曲を聴いたら、また聴きたくなるような気持ち、ダウナーなときに聴いたら元気が出る気持ち。もし、僕がそういった思いになれる音楽と同じような存在だったらいいなと思うし、音楽をやる理由、目的になると思います。

 人を泣かせたり、鳥肌を出させたり、興奮をさせたり、感情を動かすことが目的です。だから「マーティかっこいい」と言われる理由はそこにはないんです。とにかく僕がやった音楽を誰かが聴いて、「感動しました」と言ってくれたり「気持ち良くなりました」と感じてもらえたり、「落ち込んでいるときに元気が出ました」とか、そういうことです。

――スタンスとしてはミュージシャンというよりも、アーティストという感じなのでしょうか?

 うん、ミュージシャンとアーティストは違くて、僕はその両方だと思います。ミュージシャンは「演奏者」。アーティストは、ゼロから音楽の世界を創る人です。だから両方というケースが多いんですけど、どちらかという場合ももちろんあります。

 自分の音楽を出すのだったらアーティストです。誰かが作った音楽を「マーティ、これ弾いてください」と言われたら、そのときはミュージシャン。でも、そのときでもアーティストであって、自分の解釈でやるときなどはそうなんです。目の前の譜面をそのまま弾くんだったら、それはミュージシャン。

――すごくわかりやすいです。

 僕はそんなに譜面通りにはやらないんです。ほとんどの場合は、他人の音楽をやるときに「マーティ風に弾いてください」と言われるから。ちょっと独特なんでしょうね。完全に譜面通りに弾くんだったら僕よりも上手い人はいっぱいいるので。だから僕のテイストを気に入ってくれないと、わざわざ僕に頼む必要がないです。僕よりも相応しい人がいるから。

――個性が重要なのですね。

 そうですね。僕の作品は良くも悪くも“マーティ”というジャンルだと思います。好きだったらいいんだけど、嫌いだったら相当嫌いだと思います(笑)。

――両極端の方が良いと思います。「どちらでもない」というのが一番寂しいかと私は思います。

 左様でございます。

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