感情動かすことが目的、マーティ・フリードマン 音楽をやる理由
INTERVIEW

感情動かすことが目的、マーティ・フリードマン 音楽をやる理由


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年03月07日

読了時間:約18分

日本はコードが超多い

――日本の曲はコードチェンジが多いと言われているのですが、マーティさんもそう思いますか?

マーティ・フリードマン

 超多いと思います。海外と比べたら半端なく多い。例えば、こういうときにいつもこの曲を例にするんですけど、いきものがかりの「ありがとう」って曲を知ってますか?

――はい。

 あのサビは最初から最後まで10個以上のコードが使われているんです。でも、アデル(米シンガー)なんかはサビでコードを4つくらいの繰り返しなんです。そういった違いが凄く面白いんです。日本人は、コードやメロディの情報が多くても対応できるんです。むしろ、それが好きなのかも。同じコードの繰り返しだと多分飽きちゃう。

――HIP HOPが日本に入ってきて馴染むまで時間がかかったのも、そういった面でしょうか? HIP HOPはコード進行が複雑というわけではなく、基本的には少ないコードのループが多いですよね。

 HIP HOPの解釈だけどサビにはメロディアスなコーラスなどが入る、となると、日本人に受け入れられます。ただのHIP HOPのダンスナンバーだと、サビが面白くないというような感じで多分キツいかも…。

――マーティさんのように、そのあたりを分析していると「邦楽らしい」「洋楽らしい」という解釈で自在に作品が作れますね。「Beautiful Freak」もそういったアプローチをふまえて作られたのでしょうか?

 「Beautiful Freak」はこのアルバムの中でもちょっと例外ですね。アルゼンチンのA級のタンゴピアノ演奏者が日本に来ていて、僕と凄く仲の良い友達なんです。レコーディングの最中だから弾いてくれないかと頼んだら「喜んで!」と言ってくれて。後半ピアノがあるんですけど、これはアルゼンチン本場の職人が弾いてくれた貴重なプレイなんです。そういった特別なメリハリもある曲です。

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