木村拓哉が主演を務める、現在放送中のテレビ朝日系ドラマ『BG~身辺警護人~』の第7話が1日に放送され、ビデオリサーチ調べによると、同ドラマのこれまでの最高記録である平均視聴率15・8%(関東地区)だったという。

 何と言っても、第6話の最後に元妻役として登場し、1996年のフジテレビ系ドラマ『ロングバケーション』以来、約22年ぶりの共演を果たした女優・山口智子との演技が今回の見どころであった。二人の回想シーンでは、結婚前に木村演じる島崎章が山口演じる仁美にプロポーズをおこなう様子が演じられ“ロンバケ”の瀬名(木村)と南(山口)を重ねてしまった人も多々いたのではないだろうか。

 そして、<LA・LA・LA LOVE LOVE SONG>と頭の中であのメロディが蘇ったのは私だけではないのではないか。『ロングバケーション』では主題歌である「LA・LA・LA LOVE SONG」を久保田利伸が、英スーパーモデルのナオミ・キャンベルと「久保田利伸 with Naomi Campbell」として歌い、彼にとって初のオリコンシングルチャート1位に輝く大ヒットを記録した。

 90年代は高視聴率を誇っていた“月9”など、いわゆるゴールデンタイムのヒットドラマ主題歌がそのまま大ヒットするという傾向が多々見られた。94年に木村が出演した、俳優の萩原聖人主演のフジテレビ系『若者のすべて』の主題歌は Mr.Childrenの「Tomorrow never knows」。同曲は、売上が270万枚を超える大ヒットを記録している。

 また、萩原とは同ドラマ以来『BG』の第6話、そして第7話で木村と約24年ぶりに共演し、こちらも話題となった。女優の田中美佐子が主演し、KinKi Kidsの堂本剛がその長男役として出演した94年のTBS系ドラマ『セカンド・チャンス』の主題歌「TOMORROW」は、岡本真夜のデビューシングルでありながら、170万枚を超える大ヒットを記録。オリコン週間チャートでも1位を獲得している。

 現在はCDだけではなく、ダウンロードやサブスクリプションの音楽配信サービス、YouTubeなど音楽を聴く環境の変化によって90年代ほどわかりやすいヒットのかたちはとらないものの、ドラマ主題歌がやはり話題となることは間違いない。

 2016年のTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌である星野源の「恋」は、Billboard Japan Hot 100総合シングルチャートで7週連続、通算11週にわたり週間1位を獲得。デジタル・ダウンロードでは100万ユニット以上を売り上げている。

 先日、テレビ朝日系『ミュージックステーション』で新曲「ドラえもん」のダンスで共演し話題となった、ダンスカンパニー・ELEVENPLAYと踊る「恋」MVの“恋ダンス”も、星野自身が出演する『逃げ恥』の共演者によってドラマのエンディングでカバーされた。その後も様々な有名人や団体が“恋ダンス”をカバーしSNSなどに投稿。社会現象となるほど反響を呼んだ。

 現在放送中のドラマ主題歌でも話題曲は多い。米津玄師が歌う、TBS系金曜ドラマ『アンナチュラル』の主題歌「Lemon」(14日発売)は、2月12日に先行配信され配信初週で23万5571DLを記録し、2月26日付オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキング(集計期間=2月12日〜2月18日)で初登場1位となった。来週の発売でどのような動きを見せるのか、楽しみなところ。

 2日に開催された、『第41回日本アカデミー賞』授賞式で「最優秀主演男優賞」を受賞した俳優の菅田将暉は、自身が出演する日本テレビ系ドラマ『トドメの接吻』で主題歌「さよならエレジー」を歌っている。劇中でも自信がギターを爪弾きながら同曲を歌うシーンもあり、そのファッションなどからカート・コバーンさんを連想させる姿はドラマの中でも大きな存在感を見せる。

 今後、現クールのドラマはそれぞれクライマックスを迎える。その中でそれぞれの主題歌がドラマのエンディングにどの様に華を添えるのか、そこも一つの大きな見どころとなる。そして、ドラマは終わってしまっても、主題歌がその物語をもう一度回想させる存在となるのではないだろうか。出演者の顔ぶれや演技だけではなく、その主題歌に注目するのもまた一興である。【松尾模糊】

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