ヒュー・ジャックマン「音楽に恋する」

――ザック・エフロンさんとは一緒にミュージカルを鑑賞したり、アメフトを観戦したりされているとSNSで拝見しました。ザックは俺の後継者になるというような絆が生れましたか?

ヒュー・ジャックマン ザックはウルヴァリン役も継いでくれると思います(笑)ザックとは親友になりました。本作での体験は家族のようなものでした。他の映画では得られないくらいでした。10週間リハーサルを共にし、4つのワークショップを経たので、初日はまさに家族のようなアンサンブルでした。キャストは皆、自分の撮影がなくても現場に見に来たり…今思いだし懐かしい気持ちです。また、ザックは私のように体型を維持することを学んだでしょう、冗談です(笑)

――お気に入りの楽曲はありますか?

ヒュー・ジャックマン 日によって好きな曲は変わるけれど…やはり「This Is Me」ですね。現場でキアラが歌ったときは、私はモニターを見ながら泣きました。ベンジ・パセック&ジャスティン・ポールは素晴らしい楽曲を作ってくれました。キアラの歌は心から感情が出てくる。そして“生きている”ということを実感できるのです。

――アメリカではロングランヒットとなっていますね。このようなヒットになった理由は何だとお考えですか?

ヒュー・ジャックマン まずミュージカル映画は音楽が重要です。音楽に恋をするのです。ベンジ・パセック&ジャスティン・ポールは『ラ・ラ・ランド』より前から本作に関わり、その後アカデミー賞やトニー賞を受賞した才能あふれるコンビです。彼らの楽曲は、メロディーが美しく、心に響く歌詞を書きます。映画を観た時、家族を信じ、夢を見る、そして人生を肯定する、そんな未来が明るく見えてくる作品です。

――「This Is Me」を初めて聞いた時どのような印象を抱きましたか? また、この曲があなた自身に与えた影響はありましたか?

キアラ・セトル 最初に歌ったのはキャスティングのワークショップでした。怖くて逃げたかったのですが、ヒューには「君が歌うべきだ」と言われました。音楽というものは言語を超えて、ストーリーでは伝えられない感情を伝えることが出来る。どんな言語より雄弁です。私は毎日毎日、この曲のテーマについて考え、もがき苦しみ、そして同時に感謝もしています。自分が正しいと思うこと、正しくないと思うことに対して戦う力を与えてくれ、一歩ずつ前進させる力をもらえる。自分はそれほど孤独ではないと思える。倒れても起き上ればいいのです。私自身に希望を与えてくれた。国籍など関係なく、皆さんの元へ届いていることを嬉しく思います。

ヒュー・ジャックマン 初めてキアラが「This Is Me」を歌ったとき、今までにない程、感動した瞬間でした。この曲で彼女はこの役を射止めたのです。

――日本では高校生のダンスグループが「This Is Me」にオリジナルの振り付けで踊った動画が話題となっています。このような反響について。

キアラ・セトル トミオカ! 知っています! 実は最初にビデオを見たのは私でした。3~4回じっくりと見て、素晴らしさを堪能しました。その後、ヒュー・ジャックマンやプロデューサーたちに見せ、「本当にすごいなぁ」と皆、涙していました。私にもインスピレーションを与えてくれる。彼女たちのダンスは、私たちの人生を変えたほど、素晴らしいものでした。

ヒュー・ジャックマン ビデオを見て本当に感動しました。世界中のファンが、SNSでダンスビデオを送ってくれます。いろんな国の人々の心を掴み、心を繋げました。登美丘高校のダンスは素晴らしい!

――ヒュー・ジャックマンについては?

キアラ・セトル 最後の撮影の時、ヒューは「LOGAN/ローガン」のプレスツアーの真っ最中でした。ツアーから戻ると、一人で全てのダンスナンバーを一人でコツコツと練習し、とてもウルヴァリンと同じ人とは思えないくらいでした。さらに、ヒューは自分でさえ気づけなかったポテンシャルを気づかせてくれる人です。私にとってお兄さんのような存在で、とても尊敬しています。どんな困難にあっても立ち上がる姿を見て、私も彼のようになりたいと思っています。もう褒めないからよく聞いててね(笑)

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