ラッパ我リヤのMr.Qが14日に、ソロアルバム『Let’s Get !』をリリース。Mr.Qは1993年にラッパ我リヤを結成、25年にわたって日本のヒップホップシーンを牽引してきた。昨年はラッパ我リヤとして8年ぶりのアルバム『ULTRA HARD』が話題になった。2006年の『THE BANGSTA』以来、およそ12年ぶりのソロアルバムとなる本作には、浅野忠信、BLACK JAXX(DJ DRAGON & 武田真治)、いとうせいこう、Zeebra、湘南乃風からHAN-KUNなどジャンルの枠を越えた豪華ゲストが参加。Mr.Qは“東京発のワールドワイドな作品”を目指したと語る。さらに10年前に母親が他界した際に制作した当時の感情がそのまま込められているという「手紙」を収録。「この曲をみんなに聴いてもらうためにアルバムを制作したと言ってもいい」と同曲への想いを明かす。ヒップホップの概念を覆すこのアルバムで、彼がシーンに訴えるものとは?【取材・撮影=榑林史章】
ボーダーレスでエイジレス
――ラッパ我リヤのアルバムはゴリゴリにハードな印象でしたが、このソロアルバム『Let’s Get !』はエンタメ性が高くて、いわゆるヒップホップやラップミュージック以外のファンも聴きやすい作品になりましたね。
目指すべきところは、もっと幅広くいろんな人に聴いてもらうことです。ハードな部分や凶暴な部分を見せるのは、ラッパ我リヤでやっているので。ソロでは、東京で25年活動してきた中で培ってきた、交友関係であるとかノリみたいなものが出せればいいなと思って、東京発のワールドワイドな作品を目指しました。
――それにしても、豪華な参加メンバーですね。
僕がやってることは「何なの?」と聞かれれば、もちろんヒップホップだけど、そうカテゴライズすることが、すでに古い考え方じゃないかと思います。「ヒップホップはこうじゃなきゃいけない!」みたいな考えに凝り固まっては、まったく面白くない。ヒップホップの捉え方は、もっと広くていいし。各ジャンルのトップで活躍している方には、カテゴリーの壁がない方が多くて、そういう気持ちを共有できる方たちをお呼びして一緒に作品を作りました。
さらに大人の格好良さも追求して、20代でも30代でも、それこそ40〜50代でも関係ないエイジレスな作品であり、音楽カテゴリーや色も関係ない作品になっています。テクノ、ハウス、EDMもロックも、さまざまなジャンルがこのアルバムには入っていてボーダーレスではあるけど、そのベースにはB-BOYがしっかり流れているみたいな感じかな。
――そのボーダーレス感が格好良く、ワクワクさせてくれますね。たとえば「GEKIATSU feat.浅野忠信」は、バンドSODA!でも活動している俳優の浅野忠信さんの参加がアツイですね。
浅野さんは、テレビ朝日系『フリースタイルダンジョン』で僕のことを褒めてくださって、うれしくてお礼も言いたかったし、“THE Innovationz”という会社でやっている『OyaG』と『おとなアカデミー』という、トークイベントに来ていただいて、そこから話が盛り上がりました。ラッパーとかスノーボーダー、アクターなど“〜er”が付く職業の人は、すべて表現者。浅野さんはバンドもやってるけど役者として超一級だし、アツイしストイックだし、アティテュードの出し方も面白い。そんな浅野さんを呼べるラッパーなんてまずいないから、きっと新しいことができると思いました。
ただすごく忙しい方なので、なかなかスケジュールが合わなくて。それである日、午前10時20分くらいだったと思うけど「今日の昼過ぎまでなら時間が空きそう」とメールがきて。急遽スタジオに連絡して、エンジニアのアパッチ田中さんに来てもらって、「では、11時に!」となって。急いで現場へ行ったんだけど、すでに浅野さんが着いていらして、「まじすか!」と(笑)。勢いがハンパなかったです。
――「GEKIATSU」というタイトルは、まさしくその瞬間のこと。そういうアツさとかパワーが、曲にも封じ込められていますね。
ギターがギンギンに鳴りながらLOWもしっかり出ていて、踊れてノレる、ロックでゲキアツな曲になりました。ライブでやるのが楽しみです。音源には、noTOKYOというロックバンドの安藤健作が参加していて。高校の同級生の地元仲間でもあるんだけど、ラッパ我リヤの「ヤバスギルスキル 10 feat.韻踏合組合」をやった時のバンドのバンマスで。渋谷eggmanでバンドスタイルのライブをやった時にも参加してくれて、「また何かやっていこうぜ」と話していたのが、早くも叶いました。
また「Let’s Get ! feat.マツマイヤー & The Money」には、The Moneyという強烈な個性を持った集団も参加しています。ソーシャルとエンタテイメントの融合がここにはあって、業界の垣根を超えて根底から手を組んだ感じかな。
この曲は、The Moneyがいかに“ヤバイ”か、たくさんの人に知っていただくためにすごく考えました。MVには、新しい形の、しかも見たことのないパワーを持つ集団=THE Moneyをはじめ、マツマイヤー、KOOLIE a.k.a KUROKO.VVS DJ PANDA GAKU-Oが出演しています。彼らは、これからかなりすごい展開をしていきますので期待していてください!
──そのみなさんも出演したMVは、すごくゴージャスな作りですね
MVはたくさんの方の強力な、協力があって出来上がりました。映像に登場する車、金、数々のダイヤモンド、全てリアルです。リースなんかひとつもしていません。ランボルギーニ・アヴェンタドールに箱乗りしてラップしているラッパーなんか、他にいないでしょ(笑)! この場を借りて、協力していただいた方々へ、最大級の「ありがとう」を送らせていただきます!
この曲は、僕にとっての最高のニューウェポンなので、いろんなところで流してぜひノリノリで楽しんでほしいです。最大級の感謝を! クラシック決定ですね!




















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