声優・歌手の内田彩が4日に、東京・豊洲PITでワンマンライブ『Aya Uchida VALENTINE'S LIVE〜Song for you〜』をおこなった。内田は、昨年初めに長く患っていたという声帯の手術に踏み切り、しばらくの療養を経て無事復帰。ライブとしては昨年10月に千葉・幕張メッセでおこなった『AYA UCHIDA LIVE 2017 ICECREAM GIRL』以来となったこの日のステージ。内田のライブとしては初となるオールスタンディングのライブで昼夜の2部制でおこなわれ、タイトル通り一足早いバレンタインプレゼントをファンに届けた。【取材=桂 伸也】

親しみを感じさせる笑顔

内田彩

 ステージには赤やピンクのハート型のバルーンでデコレーションがあしらわれ、内田のキュートな雰囲気をさらに際立てるものとなっていた。観客もそのイメージに合わせたピンクのペンライトで内田の登場を今か今と待ちわびていた。

 スタートの時間が訪れると会場は暗転し、内田の歌い出しからいよいよステージは始まった。チョコレート色を基調として赤をアクセントにおいたドレスに身を包んだ内田。「with you」「Floating Heart」とバレンタインのイメージにぴったりな、心がウキウキしてくるような明るいメロディラインに、観客も自然にペンライトを振る手に力がこもっていく。ピンク一色に染まったフロアの中、突き抜けるような内田の声は、さらに観客の気持ちを揺さぶり、会場の温度を一度、さらにまた一度と熱くしていった。

 「みなさん、こんばんは! 『Aya Uchida VALENTINE'S LIVE〜Song for you〜』へようこそ!」内田が観客に語りかける。オープニングでは少し緊張した様子も表情に見られたが、その一言で一気に緊張がほぐれた様子。そんないつもの内田の表情に安堵するように、大きな歓声の中で、あちこちから内田の名を呼ぶ声が聞こえる。

 この日はステージタイトルに沿った、“さまざまなバレンタイン”を歌い上げることをテーマとしておこなわれるステージ。明るく楽しい雰囲気で披露された「Yellow Sweet」から一転し、4曲目の「afraid…」からはバックバンドが登場。真っ赤に染まったペンライトの中で、刺々しさすら感じられるハードロック調のその楽曲に、観客は翻弄されながらも大きな興奮に包まれていった。

 へヴィなビートが気持ちをかきむしるような「MELODY」、「ONE WAY」、そして、この日初アレンジで披露した、ダークな印象の『カレイドスコープロンド』へ。「こういうドロドロした恋愛もありじゃない? みんな、恋していますか?」などと笑う内田。彼女の描くバレンタインは、さらにイマジネーションを広げていく。

さらに広がる新たな道

内田彩

 「キックとパンチどっちがいい?」で迎えた中盤。その曲のほのぼのするような雰囲気とともに、ステージはまた穏やかな雰囲気を取り戻す。バレンタインにはまだ早いとばかりに、ちょうど節分を迎えたことから観客に豆をまいたりと、また楽しいひと時が流れていく。

 リズムもサーフ系ロックリズムの「Holiday」から、ファンキーな「Close to You」、そして少し切なさも含んだ「笑わないで」と、あどけない笑顔を見せる内田はさまざまなカラーを歌い上げていく。ピンクに緑、白などと、曲によって絶妙に切り替わる、観客のペンライトの光も、内田のステージをさらに印象的に盛り上げていった。

 そしてステージは「Ordinary」まで、「楽しい時はあっという間に…」という内田のその言葉通りに過ぎていった。ペンライトを振りながら、時には目いっぱいの声を張り上げ、内田とともに歌いながら彼女パフォーマンスに応えていた観客は、物足りなさすら見せていたようでもあった。

 そんな観客の気持ちに応えるべく、再びステージに登場した内田。前回は本編のオープニング曲として披露したという「What you want!」を、バックバンドのインストナンバーのプレイからつなげるという新しいアレンジで披露すると、またもや観客は興奮の坩堝に。サビでは掛け合いもしっかりと決まり「みんな、良い感じ!」と内田も満足の様子。

 そして、内田もあっという間のステージの終了に少し寂しさを見せながらも、この日のステージへの礼を告げながら「みんなの心に引っ掛かっていけるように」と、さらなる奮闘を宣言し、「ドーナツ」そして「Breezin'」でステージを締めくくった。

 この日のステージで内田は、セカンドシングル「So Happy」が5月にリリースされること、そして2018年のライブツアーが6月からスタートすることを発表した。いよいよ内田の新たな躍進が始まる。果たして今年彼女は、どこまで上り詰めるだろう? そんな期待が頭をよぎる、ワクワクするような瞬間を演出したこの日のステージだった。

この記事の写真

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)