王の首獲る一手、EINSHTEIN & 言xTHEANSWER 若手ラッパーの野望
INTERVIEW

王の首獲る一手、EINSHTEIN & 言xTHEANSWER 若手ラッパーの野望


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年01月31日

読了時間:約10分

言いたい放題だけど誰かを傷つけるつもりはない

――それぞれ歌だったり、リズムだったり特徴があるわけですが、それは個々の音楽的なルーツに起因しているんですか?

EINSHTEIN

言xTHEANSWER アインは、特にそうでしょうね。

EINSHTEIN 僕は、小学生のころはRADWIMPSさんが好きで、バンドでボーカルをやりたかったんです。小学校の卒業文集に「将来はRADWIMPSさんみたいなバンドのボーカルになります」と書いたくらいです。それで中学生になり、バンドメンバーを探したけど集まらなくて(笑)、一人でもできる音楽ということでDJを始めて、最初はレゲエDeejayをやっていました。中学3年のときに、兄がヒップホップのラップを始めて、それに影響を受けて僕もラップをするようになって。それで、高校生のときに『高校生ラップ選手権』に出場しました。

――ヒップホップ自体には、あまり触れていないんですね。

EINSHTEIN そうです。どんな音楽ジャンルも好きで、でも、いろんな音楽がある中で一番自由に好き勝手にやれるイメージだったのがヒップホップです。たまたま自分に合っていて、行き着いたスタイルがヒップホップだったということです。

言xTHEANSWER アインは、やっている音楽はヒップホップじゃなくても、心がヒップホップです。「何でもやるぜ!」という、ヒップホップ精神を持っています!

――言xTHEANSWERさんの音楽ルーツは?

言xTHEANSWER 僕の地元は北海道の根室町で、人口は1万8000人で、お年寄り率が高く、周りも農家ばかりなので、遊ぶところは隣町のゲームセンターくらいでした。小学4年生のときに、ドラマ『ROOKIES(ルーキーズ)』が流行っていて、GReeeeNさんが歌っていた主題歌「キセキ」を聴きたくて、隣町のレンタルCDショップに行ったんです。

 そこで、洋楽のヒップホップコーナーで、(米ラッパー)50 Centのジャケットを見つけました。マッチョのいかつい黒人が、銃弾を食らってバリンって割れているデザインのジャケットで。そのときに、周りのみんながアイドルやJ-POPを聴いてるなかで、「俺はマッチョな黒人を聴いてるぜ!」と言えたら格好いいと思ったんですね(笑)。

 それで、50 Centを借りて家で聴いたら、すごく格好良くて気に入ってしまって…。それがラップとの出会いです。それからネットでいろんなラッパーを聴くようになって、掘り続けていたら、日本人のMEISOさんというラッパーと出会って。日本語でもこんなに格好良くラップができると知って、それがきっかけで自分でもラップを始めました。だから、僕がラップを始めたのは、アインとは違って完全にヒップホップ始まりでしたね。

――小学生で50 Centというのは、だいぶゴリゴリなところから入ったんですね。

言xTHEANSWER だからと言って、ああいうハードな音で僕がやっても様にはならないので、そこのバランスは自分なりに消化しています。トラックは今っぽい音だけど、リリックはちょっと尖ったものという、今の自分のスタイルができ上がった感じです。ただ、言いたいことを言う、やりたいことをやるという点では、50 Centもアインも俺も同じなのかなと思います。

――そんなお二人のアルバム『Two Pawns』は、ゴリゴリのヒップホップもあれば、ダンスチューンのパリピの曲もあり、歌もののバラードもあって。結構はげしい口調のリリックも。

言xTHEANSWER 俺は、ソロの曲では言いたい放題のリリックが多いので、そこはいつも通りという感じです(笑)。逆にアインは、そういうキャラじゃないから、やりにくかったかも。

EINSHTEIN 炎上しました。巻き込まれましたね(笑)。

言xTHEANSWER でも、アインも曲にはなっていないだけで、普段はけっこう言いたいことを言ってるでしょ!

EINSHTEIN まあ、言ってるね(笑)。今回は、お互いに普段やっていないことをやるのがテーマでもあったし。

――「フルボッコ」なんかは、言いたい放題だけど、溜まってイライラしてる人が聴いたら、一緒にスッキリできそうだし。

言xTHEANSWER 決して誰かを傷つけようと思って作ってるわけではないですからね。「ムカつくことはあるけど、お互い頑張ろうぜ!」という気持ちを歌っています。実際にライブでは、<フルボッコ>という歌詞をかけ合いして、すごく盛り上がりますよ。

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