アメリを演じる渡辺麻友(C)ミュージカル『アメリ』製作委員会2018

 昨年12月にAKB48を卒業した渡辺麻友が、今年5月に日本での上演が決まったミュージカル『アメリ』で主人公・アメリを演じることがわかった。渡辺にとっては初主演ミュージカル。以前からミュージカルが好きで海外にまで足を運んでいたという渡辺は驚きとともに喜んだといい、「今の私に出せる全ての力を注ぎ全身全霊で務めさせて頂きたいと思っています」と意気込んだ。

 2001年4月末にフランスで公開されると、1週間で観客120万人を動員し、7月には動員800万人を超すほどの大ヒットとなった映画『アメリ』。「観る人みんなが幸せになる」として、日本でも興行収入16億円を突破するなど大きな支持を得た。

 2017年4月、この映画に基づいて作られたミュージカル『アメリ』が、米ブロードウェイで上演され、2018年5月には日本でミュージカル『アメリ』を上演することが決定した。

 日本初演となる本作で主人公アメリを演じるのは、2017年12月にAKB48を卒業した渡辺麻友。本作が初主演ミュージカルとなる。演出を手掛けるのは、宝塚歌劇団で座付きの脚本・演出として数々の作品を手掛け、退団後は2.5次元作品の脚本や演出を中心に活躍している児玉明子さん。

まゆゆ「全身全霊で」

 渡辺麻友は「以前からミュージカルがとても好きで海外まで足を運ぶほどの愛情を注いでいるのですが、そんな私がミュージカルの、しかもブロードウェイ上演作品の主演に抜擢というお話をいただき目が飛び出るほど驚きました。それと同時に嬉しい気持ちに」と自身も驚きながらも喜びをあらわに。

アメリを演じる渡辺麻友(C)ミュージカル『アメリ』製作委員会2018

 その一方で「こんな自分にミュージカルの主演が務められるのか、という不安が交互に押し寄せてきては舞い上がったり落ち込んだりしていましたが、選んで頂いたからには今の私に出せる全ての力を注ぎ全身全霊で務めさせて頂きたいと思っています」と不安の気持ちがあったと明かした。

 ただ「映画版『アメリ』ファンの方も沢山いらっしゃいますので、観ていただけた方々に少しでも認められ、共感していただけるようなアメリ像を目指してしっかり役作りをして参ります。皆様ぜひ劇場に足を運び、アメリに会いに来てください」と意気込んでいる。

 また、児玉明子さんは「『アメリ』のお話を頂いた時は、大変嬉しかったです! 私自身、映画の『アメリ』が大好きですし、私の妄想癖? がアメリと共通していることも、演出をさせて頂ける一因となったようです」と喜び。

 渡辺麻友がアメリを演じることに「非常に魅力的でして、日本の中でこれだけベストなキャスティングはないと思っております」と期待を寄せた。

 さらに「当たり前のことですが、舞台は映画とは違います。またブロードウェイミュージカルがオリジナルではあるのですが、私自身、新作の大作ミュージカルを創る意気込みとエネルギーで望む覚悟です。渡辺麻友さんをはじめ、個性豊かなキャストの方々、心強いスタッフの方々と共に、『アメリ』の世界に思い切りぶつかっていきたいと思います」と意気込んだ。

アメリとは

 もとになった映画『アメリ』は、2001年に公開された。フランス映画としては稀にみる大ヒットを記録した作品。パリのモンマルトルを舞台に、空想が大好きなちょっと変わった女の子アメリの日常と恋をチャーミングに描いた心温まるロマンチックコメディーで、この物語は多くの人の共感を呼び、クレーム・ブリュレをスプーンでたたく人や髪型をまねる人が続出し、一躍社会現象となった。

 映画に基づいて作られたミュージカル『アメリ』は、2017年4月に米ブロードウェイで上演された。この時のアメリ役は、フィリッパ・スー。ミュージカル『ハミルトン』で主人公の妻を演じ、トニー賞にノミネートされた実力派ミュージカル女優である。脚本は『巴里のアメリカ人』『キスへのプレリュード』等で知られる劇作家のクレイグ・ルーカス、音楽はミュージカルオリジナルで、米ブルックスのネオフォークバンド『Hem』の作曲&キーボード担当のダン・メッスが手がけている。

 なお、ミュージカル版『アメリ』の初演は2015年秋、米バークレーで上演されており、この時のアメリ役は映画『レ・ミゼラブル』(2012年)でエポニーヌを演じたサマンサ・バークスであった。

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